トップページ > 国会活動 > 質疑応答集(2010/3/29)






174回国会 災害対策特別委員会 第3号
2010年3月29日(月) 午後1時開会

本日の会議に付した案件
◇政府参考人の出席要求に関する件
◇災害対策樹立に関する調査
 (地震対策の在り方についての基本認識に関する件)
 (災害発生時における政府の初動対応に関する件)
 (チリ中部沿岸を震源とする地震による津波被害に
  ついての激甚災害指定に関する件)
 (「震災障害者」への支援充実等に関する件)
 (桜島の降灰被害への対応状況に関する件)
◇地震防災対策強化地域における
 地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の
 特別措置に関する法律の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)

佐藤信秋君
 自由民主党・改革クラブの佐藤信秋でございます。
 最初に、今の同僚佐藤正久議員と大臣始め政務三役の皆様のやり取りを伺っておりまして、一つだけお願い申し上げたいといいますか、大臣、マニュアルとおっしゃいましたが、危機発生といいますか、地震にしろ大雨にしろ、発生したときにはどのぐらい大きくなるか分からないという問題もありますし、特に現場に行くというようなことについて、割と従来、大臣等行かれるときには現場が受け入れる体制がどうかとかいう議論もありました。ありましたが、直近といいますか、ここのところ、神戸の震災以来だと思いますが、何はともあれ、政治家のリーダーシップというのが必要とされる部分にはマニュアルと別に出かけていく、あるいはそこで指揮を執ると、こういうふうに変わってきているかと思いますので、その点について多分御決意が十分おありかと思いますんで、御決意一言お願いしたいと思います。

国務大臣(中井洽君)
 長い経験を有される佐藤先生のお言葉であります。
 私どもは、国会におりまして阪神・淡路大震災のときの危機管理の在り方から大変大きなものを学びました。その後も諸外国からいろんな情報等をいただく中で、日本の危機管理の在り方というのは議論されてきています。
 しかし、何といいましても、責任ある政治家が現場へ行く、そして官邸と十分な連携の下で一日も早い対策が取られる、このことが大事だと考えています。防災担当はどちらかというと官邸の中で指揮命令するよりも現地へ飛ぶ、ここに一番重き役割が今のところ課せられていると考えています。どんなところへ行っておってもいざとなったら招集が掛かる、この覚悟だけはいつもいたし、準備もいたしているつもりでございます。これからも御指導のほど、お願いいたします。

佐藤信秋君
 どこにいて指揮をお執りいただくべきかというのは、もちろんそのときそのときあるんだろうと思いますが、先頭に立ってリーダーシップを発揮していただくということが大事だということを同僚佐藤正久議員もつくづく申し上げているということを御理解いただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事那谷屋正義君着席〕
 この関係で、私自身は幾つか典型的なことをちょっとお伺いしようかなと思って、最初に用意しましたのは、資料は最近の雨の降り方なんですけど、実は雨の降り方は、非常に雨が全体としては少なくなってきているけれどばらつきが多いというのがこの百年の傾向で、温暖化の反映かどうかは分かりません、分かりませんが、ある地域は大雨、隣はずっと干ばつと、こういうことが十分起きてきているというのが現状であります。
 そういう面で、最初に、この冬、結構地域によっては大雪というようなことがあって、日本全体としては豪雪というところまで行っていないかな、しかしながら地域的な偏りが大きいなと、つくづくそう思っています。
 そういう意味では、事実の問題で気象庁の方から教えてもらいたいんですが、豪雪とか大雪とか言われるような範囲の市町村、市町村の数でいうとどのぐらいありますか。

国務大臣(中井洽君)
 気象庁にお尋ねがございましたが、私の方から。
 実は私も気になっておりまして、いろいろとデータをいただいておりますが、三月二十六日現在で死者は五十五人、新潟二十、北海道九、長野六、秋田六、山形六、青森四でございます。負傷者は六百八十八人、新潟県百九十二、北海道百九十、秋田県七十四、青森県五十二、山形県五十二でございます。おうちの半壊は二棟、一部破損が四十五棟に上がっております。これらの死者、負傷者は大半が雪かきによる不慮の事故、こういうふうに聞かせていただいておりまして、大変な豪雪だと感じております。

佐藤信秋君
 ということで、データ的には気象庁の方で実は豪雪かどうかというのは整理しているはずではあるんですよね。積雪積算値か何かを使ってここは豪雪、ここは豪雪じゃないという定義をしていたと思うんだけど、最近はあんまりしなくなったようだけど、積雪積算値で一・五以上というような整理をしているはずなんだけど。それで、観測地点の数でいうとどのぐらいかということを聞いている。事実、分かったら教えてください。

政府参考人(櫻井邦雄君)
 まず、最初にお尋ねの積雪積算値でございますが、気象庁では、日々の降雪量ですとか積雪の深さの観測データに基づきまして降雪の積算ですとか最新積雪については求めておりますが、積雪の積算値は求めてございません。これらは、積雪、降雪のデータを私ども広く提供してございまして、御利用になる方々が様々な形での積算値をお求めになっておると伺っております。
   〔理事那谷屋正義君退席、委員長着席〕
 なお、この冬の雪の状況でございますけれども、昨年十二月から本年三月二十五日まで日本海側に降りました雪の合計の量でございますけれども、これは、北日本、東日本、西日本につきましてそれぞれ地域的に平均してしまいますと、平年に比べて少ないという状況になってございます。ただし、一時的には寒気の影響を受けまして各地で大雪となってございます。特に、一月中旬には新潟県の山沿いで三メートルを超える積雪となってございますし、二月上旬の前半には新潟市で二十六年ぶりに八十一センチの積雪を観測してございます。

佐藤信秋君
 というのは余り答えになっていないんですが。
 それで、政務官、実は市町村道なんかは除雪が随分と、ちょっと雪が降ると厳しい、ふだんの体制が整っていないと、こういう問題があって、市町村道の除雪に対しては、大雪だという認定したところには市町村道の臨時除雪費みたいなのをやりましょうというんで、過去七、八回やってきたんですね。今の気象庁の長官の答弁はそれ計算していないということだから、ちょっと間違い。間違いというか、やらなきゃ駄目なんですよ。ただ、それでひどく負担の大きいところは除雪費の補助なるものを、特別交付税だけじゃ足りないというのでやってきた。それ、データもないんじゃしようがないんだけど、これ恒常的にそろそろやるべきかなと。
 冒頭申し上げたように、雪の降り方、雨の降り方はおかしくなってきているし、それから地方財政も非常に逼迫していますから、そういう意味では、この年は豪雪と認定しなくても、市町村単位に、負担の大き過ぎるところは特交でカバーし切れない分を除雪費の助成というものをやるべきだというふうにずっと思ってきていて、そろそろその時期だろうと思うので、心強い決意を一言教えていただけると有り難い。

大臣政務官(三日月大造君)
 ちょっと今手元に市町村ごとのデータはないんですけど、都道府県ごとで見ますと、今年、累積の雪の深さ、これ実は、滋賀県が平年より一・九倍、そしてその他、御地元の新潟が一・二倍、そして石川県、富山県、岐阜県で一・三から四倍という形になっています。なお、逆に、京都、兵庫、鳥取、島根、まあどちらかというと西の側では平年より少雪ということで、委員御指摘のように、地域によってばらつきのある、全体見渡せば平年より少し少なめという積雪の状況になっています。
 もうよくよく御案内のとおり、県道以上は、県道、国道については、それぞれの予算の中でその除雪の費用についても計画に基づいて対策が講じられる状況になっておりまして、特に市町村道、この雪の対策、除雪の費用が見られていないということがかねてから指摘されておりまして、決まりでは、普通交付税や特別交付税により、すなわち地方財政措置により対策を講じるということになっております。それを委員は、自動的かつ恒常的に措置できるようにすべきではないかという御指摘はかねてからありまして、実はこれ、昭和五十一年からですか、昭和五十二年豪雪のときに臨時特例措置というものが行われまして、この地財措置では間に合わない全国的で異例な積雪に対しては特例の措置で補助を実施しておりまして、これまで八回適用が行われております。
 これを臨時の特例のものではなく自動的かつ恒久的なものにすべきだという指摘なんですけれども、これはそのような形でやるのがいいのか、それとも、いつどこにどのような形で降るのか分からないので臨時特例でやるのがよいのか、これはもう少しちょっと状況を見させていただきたい。これは、実はこの御質問をいただいたときに、委員がこれまで御答弁いただいた答弁やなんかもひもとかせていただきながら勉強をさせていただいたんですけれども、かねてからいろんな委員から御指摘がありながら対策が講じられているところだと承知をしております。
 ただ、今年度から、これは地方からの要望を踏まえまして地域活力基盤創造交付金というものを創設しまして、これで市町村道の除雪に対しても活用できることになっておりますし、来年度以降、社会資本整備総合交付金というものを創設し、今、継続分については配分を公表しましたし、新規の分については四月の中旬以降発表させていただくことにしておりますが、ここでもこの市町村道の除雪として活用できるように措置をしてまいりたいというふうに考えております。

佐藤信秋君
 どういうふうに降るか分からないというところで予備費的あるいは災害復旧的な弾力的予算措置というものが必要だろうと、こういうふうに思いますので、そっちの方向の検討を是非お願いしたいと思います。
 あわせまして、先ほど大都市の、噴火の話が、火山噴火の話がありました。桜島が随分と活動が活発化してきているようでして、二十一年から、そういう意味では、雪と違っていつまでも消えないものですから大変難渋している、地域的ではあるんだが難渋しているという話を聞いています。
 ここの助成というか支援というか、これもやっぱり市町村だけではとてもとてもできないという問題になりつつあるようでありますので、しっかりとした支援をやるということを一言お約束といいますか、決意をお願いしたいと思うんですが。

国務大臣(中井洽君)
 大変な被害が毎年のように続いているということを承知いたしております。
 先ほども申し上げましたように、十分対策を取りますと同時に、私も一度、実際自分の目で確かめていきたいと、このように思っています。よろしくお願いします。

佐藤信秋君
 お願いついでに今度は、先ほどもお話ありましたけれども、激甚災害の指定ですね、チリの津波の被害に対して。
 これもいろんな災害復旧支援措置があるんでしょうが、今回のように養殖の施設が随分被害を受けたと、漁船も若干ありますけれども、それから生産物もと、こういうことで、実は激甚災害の指定でも受けないと基本的な救済措置といいますか、が出ないんだと。金融支援なんかは、もちろん大事なことでやってもらっていて有り難いんですけれども。
 だけど、これは直接的にあれだけの被害、宮城で四十億以上ですか、岩手で二十億近くですか、受けて、養殖を直接やっておられる漁民の皆様、これは自分で復旧しろと言ったってなかなか難しいというのは確かでしょうし、中井大臣からは激甚災害指定を先ほどもお急ぎいただけると、こういうことでありますが、事情がそこの部分だということで是非決意をいただきたいのと、農水の舟山政務官、今まで手当てはしているけれどもやっぱり必要だということを一言先に言っていただいてから、激甚災害の指定の方に。

大臣政務官(舟山康江君)
 今回の津波に関しましては、やはり東北、岩手、宮城、それから三重、非常に大きな被害を受けております。今委員御指摘のとおり、被害額では宮城県で四十一億円、それから岩手県で十八億円、被害を受けた県が八県あるんですけれども、八県全体で六十二億六千万円と、これは先週末、昨日までの数字ですけれども、かなり大きな被害になっています。
 その被害への対応として、今御指摘のとおり、融資制度それから共済制度、これについてもできるだけ早く対応したいということで、もうすぐ、即現場にはそういったお願いを出しておりますけれども、やはり今、かなり大きな被害ということで激甚指定がかなり望まれているという状況を私も承知しております。今の被害の状況を見ますと、養殖施設で二十五億ということになっておりまして、詳細に被害が確定するまで何とも断定的なことは申し上げられませんけれども、今の状況を踏まえると、被害額から判断いたしますと指定の可能性はかなり高いんではないかと、そんなふうに思っております。
 これはきちんと、正式には中央防災会議の意見を聴いて政令指定となりますけれども、我々、この水産物それから養殖施設、所管します農林水産省といたしましては、やはりこの被害の現状をきちんと確定した上で、しかるべき手続の中でこういった指定を待ちたいと思っています。

国務大臣(中井洽君)
 実態は、今農林水産省の方から御報告があったとおりでございます。
 ただ、水産養殖業における激甚指定というのは戦後一回あっただけでございます。昭和五十四年でございます。かなり細かく規定してあるのですね。これでいくと適用がどうなんだろうと、一つ一つの市町村。だけど、ここの、同じ湾の中で、同じ養殖施設で市と町が違っただけで受ける受けないでというのが出てくると。
 したがって、ここのところは割り切って、湾全体でやるということがないのかとか、いろんなやり方を大至急考えて、できる限り幅広く、これからも水産養殖業を取り組んでやっていくんだと、こういう意欲が出るような御支援ができるようにお願いしたいということで、今、大島副大臣の下で、農水省それから財務省等との検討を急いでもらっているところでございます。できる限り頑張っていきたい、こんなように決意をいたしております。

佐藤信秋君
 是非、多分本当に動かそうとすると県がかなり主体的に動いてもらわないかぬということになるかと思いますんで、御指導の方もよろしくお願い申し上げたいと思います。
 時間でありますので、最後に地震対策について、今度、地震財特法をお変えいただくということで、委員長提案ということでありますが、今後の議論として、実は資料ちょっと用意しましたが、地震がどこでいつ起きるか分からないというのが資料の二枚目でして、これは三十年以内に九〇%、九九%なんて話ですから、待ったなしでやっていかなきゃいけない問題と。
 特に子供たちの公立学校。実は、これは文科省の資料をいただいて、随分と跛行的といいますか、東海地震中心に一生懸命やってきたけど、ほかはいいのかという話になると、全然ですね。そういう意味では、やっぱり公立学校の耐震対策、耐震補強、しっかりやっていかないかぬと思うんですが、決意のほどといいますか、こんなふうに進めているんだということを一言、文科の方からお話しいただければと思います。

政府参考人(西阪昇君)
 お答えいたします。
 先生からお配りいただいた資料にもございますように、公立小中学校の耐震化の進捗状況、平成二十一年四月一日現在でございますが、全国平均で六七%ということでございます。御指摘いただきましたように、地域によって進捗の差異がございます。現在執行中の二十一年度の予算、さらに先般成立をいたしました平成二十二年度の予算を執行させていただきますと、執行後には約八〇%まで進捗するのではないかというふうに推測しているところでございます。
 先生方の御尽力によりまして、通常、改築あるいは地震補強は三分の一の補助率でございますが、二分の一あるいは三分の二という大変優遇されたかさ上げ措置をいただいておるところでございます。また、地方の負担分につきましては地方財政措置が講じられているところでございます。
 私どもといたしましては、できるだけこの優遇かさ上げ措置を活用させていただいて耐震化を進めていきたいと思っておりますのと、何よりも地方公共団体の計画を十分にサポートできる予算の獲得ということが大変重要だと考えておりまして、今後あらゆる機会を通じまして耐震化の予算に、確保、充実に取り組んでいきたいというふうに考えております。

佐藤信秋君
 先ほどの中井大臣のお話のように、実は非常に使いづらいところもあるんですね、単価主義だから、超過単価が出たりして。そういうところも直していくということも方向性としては考えていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。