177回国会 災害対策特別委員会 議事録 第11号
2011年7月25日(月)午後1時30分開会
 

本日の会議に付した案件
  • ◇災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
  • ◇政府参考人の出席要求に関する件
  • ◇東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律の一部を改正する法律案
    (内閣提出、衆議院送付)

佐藤信秋君

佐藤信秋

自由民主党の佐藤信秋でございます。

最初に、大臣、復興担当と防災担当と、大変御苦労さまでございます。被災地の御出身の大臣として頑張っていただきたいと最初に申し上げておきます。

最初に、やっぱり対応が遅いとか少ないとか、いろいろ御批判をいただいているわけですね、世の中から。これの一番大きな原因として、実は私自身は、震災が発生して直ちに、自民党はずっと言い続けているんですが、国が責任持ってくださいと、予算も含めてということをずっと言い続けています。最近は民主党の閣僚の皆さんの中からも、総理が、責任は全部俺が持つから、だから何だって思い切ってやれと、こう言わないことが組織が動いていないと、こういう御批判も出ているのは御存じのとおりだと思います。文芸春秋にちゃんと書いてありますね。

大臣、大臣は責任も費用も国が持つよという意気込みでおやりいただきたいと思うんですけれども、決意のほどをひとつお願いします。

国務大臣(平野達男君)

佐藤委員は、本当に災害対策を含め、国の社会基盤整備等の推進にずっと御尽力されてきた方であります。

今回の災害につきましては、もう御案内のとおり、本当にこれまでにないスケールの災害規模でございまして、特に津波、地震に加えて福島の原発事故が重なったという意味において、未曽有の災害だということは先ほど申し上げたとおりであります。

この対処に当たりましては、自治体に任せるものは自治体に任せるという原則はございますけれども、基本的には国が前面に立って、国が財政的な面、それから制度の面、こういったもので主導して、国主導で復興復旧を進めていく、そういう覚悟で私自身は取り組んでまいりたいというふうに思っておりますし、多くの、全ての閣僚も私はそういう覚悟で臨んでいるのではないかというふうに思っております。

佐藤信秋君

そういう中で、今回、被災者生活再建支援制度、この国と地方の負担の割合が変わるという法律を出していただいたんですよね。二分の一、地方公共団体の基金が二分の一、国が二分の一だったものを、国が五分の四まで持ちますと。ちょっと遅過ぎるんですよね。もっと早くに、私自身は十割持っていいじゃないですかと、こう思っています。

なぜならば、実は被災地は物すごくほかにいろんな費用が掛かりますから、そして、どうしてもこの制度、今までのままですとできるだけ少なめに適用しようという趣旨が働きます。これは地方公共団体が半分持つと、こういうことになっているものですから、地方公共団体の県知事さんたちの意向、大変強いですよね。

そういう中で、平成十九年ですよね、運用を改めました。これは与野党共同で、当時は与党、野党逆転でしたけれども、もちろん、運用を改めた。なぜかというと、これは県知事さんたちの反対が強かったんです。非常に使いづらい制度で、かつ三百万円まで全壊世帯について出ると。しかしながら、十何回も申請して、平均的にはたしか百七十万ぐらいだったんじゃないでしょうか。これじゃしっかりした生活再建の支援なんてできませんよと。これは、当時、超党派で運用を改めてくださいというのでやりましたね。

半分都道府県が持つ基金の運用について、被災した以外の知事さんたちは、なかなかそうはいっても懐がねと、こうなるんです。だから、この八割にしていただくというのは遅過ぎたというか、もっと早く八割ならやってくださいねと。私は全額がいいと思います。ただ、その場合にも適用基準みたいなものももう少し広げていってやらないと、今回のような広範な被害を救い切れるかと、こういう問題があります。

資料の一、御覧いただくと、実は災害救助法と生活再建支援法の適用の基準、ちょっとごちゃごちゃ書いていて恐縮なんですが、そのまま載っけました。一番下の方に災害救助法の適用基準で住家滅失世帯数、これをどういうふうにカウントするかという中で、半壊世帯二をもって一としますと、こうなっているんですね。災害救助法の適用基準、一番下を御覧いただくと。一方で、被災者生活再建支援法はそういう規定がありません。

これは恐らく、類推ではありますが、都道府県が半分基金を持っている、こういう事情からいって、多くの知事さんたちとも相談しながらということになると、余りどんどん適用していくよりはと、こういう問題が多分あったと思います。これは政令ですから、今回変えてくださいとは、言いたかったし、言っていたんですが、変わりませんが、これは再検討していただく必要があるんだと思います。せっかく十分の八にするんですからね、八割負担、国がするんですから。

是非、この被災者生活再建支援制度の政令の方も半壊世帯二をもって一とすると、全壊を。こんな適用の仕方を今後検討していただきたいと思いますが、端的にお答えいただければ結構です。

国務大臣(平野達男君)

今委員から御指摘がございましたけれども、被災者生活再建支援制度におきましては、災害救助法とは異なりまして、半壊二世帯を全壊一世帯とみなす取扱いがされておりません。しかしながら、適用基準につきましては、それぞれの制度の趣旨に即して適切に定められるべきものであって、必ずしも同一でなければならないものではないという、釈迦に説法のような言い方で申し訳ございませんが、そういうふうに考えております。

例えば、十世帯以上の全壊被害が発生した災害について、本法の支援の対象とする適用基準は災害救助法の適用基準に付加して定められた適用基準となっておりまして、これにより、全壊被害に着目すれば災害救助法よりも広い範囲でこの法律が適用されるということにもなります。

ちなみに、今年五月に委員から御質問をいただいたと聞いておりますが、液状化による住宅被害に関連して、埼玉県久喜市における住宅被害につきましては、その後、被害状況の精査が行われ、七月十二日付けで本法の適用が決定したものというふうに承知しております。

佐藤信秋君

佐藤信秋

なおそうした状況変化を踏まえていろいろ御検討をくださいと、これはお願いであります。

次に、この被災者生活再建支援制度でいけば、家が壊れた、建て直すと、こういう方に対して二百万円まで補助する。ちょっと少ないなと。特に今回は自らローンを組めないという方がたくさんおられますよね。これはもう大臣の方が御存じだと思います。大体、五十五とか六十を超えますとローンは組めませんし。そういう意味では、多くの皆様がローンを組めずに、しかしながら何とか住宅を再建したいと、こういう思いになるわけでありますので、二百万円、せめて四百万円ぐらいにしていただきたいなと、これも要望であります。

そのときに実は考えなきゃいかぬのは、今回は津波で町ごとなくなっている。これも大臣の方がよく御存じなぐらいだと思います。高台に移住してください、移転しましょうかねと、こういう構想はあります。構想はありますが、実現可能なものかどうかというのは、どういう方がそこに移ることができるだろうと。強制的に移ってくださいと言っても無理ですね、これ。で、ローンは組めない。今、集団防災移転事業というのがありますね。あれでいきましても、実は千七百万円ぐらいまで一戸当たり造成しましょうかと。その中でお移りになる方、多分六百万円前後ぐらいでしょうかね、助成は受け得る。これはローンを組んでいただいて、その借金の利子相当プラス用地の取得、それの利子相当と、こういうことだろうと思います。

実は、これは実行可能かどうか。二つ問題があるんです。一つは、当該市町村、県がやってもいいんですが、高台移住のために宅地造成をする。一千七百万でできますか。とてもとてもできないですね。それと、お移りになられる方々。ローンを組めない方々に高台に移ってください、これ言うだけなんですね。

この辺を、これから制度、仕組みとして動きやすい、移住しやすい、こういうふうなことがこれから必要になると。実は、既存の制度では恐らく大部分が絵にかいたもちになります。その辺の御見解、大臣、お願いします。

国務大臣(平野達男君)

まさしく今委員からも御指摘がございましたけれども、特に津波地域についてこれから復旧復興計画を作っていく、現にもう市町村は国交省、農水省の職員と連携しながら今その計画を作りつつあります。

その中で、前に住んでいたところにそのまま住み続けられるか、あるいは工場に関して言えば、従前操業していたところに、そこに工場がまた造れるかどうか、これが非常に判断が難しい問題があります。そのために一定の指針というものも国では今出して、それを基にして検討を進めておりますけれども、そのときに、高台移転をするというときには、まず一つは、もう委員御案内のように、そもそもそういう合意形成ができるかどうかという問題があります。

それから、その次に、委員が御指摘あったように、コストの、費用の負担の問題があります。これは自治体負担、それから個人負担の問題がありまして、どのぐらいのところまで負担に耐えられるかということについても、今の段階では一概に申し上げることはできません。ただ、その地域の中に家を造ってこれからも住んでもらわなくちゃならない、住民も住みたいと思っている、これについてはいろいろな手だてを使って支援するというのがやっぱり国の役割であり自治体の役割だというふうに思っています。

そういう観点から、例えば防災集団移転事業、これはもう委員が一番お詳しいと思いますが、現時点では国の補助率四分の三、ただしその補助対象についてもかなり、限定されているというのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、限定されているという今御批判をちょっと地元から受けていますので、そこを改善していただけないかといった要望を受けております。

これからそういった全体の復興計画を作るに当たっての土地利用計画、今作っている最中ですけれども、その中で、こういうものであればこれだけの負担をお願いすることになる、こういったものもできるだけ数字と併せて説明もしながら、制度の改正も必要なところは見直しを検討する、そして、とにかくできるだけ地域の意向を踏まえたような計画を作って実行するということが大事だというふうに思っています。

ただ、私、自治体に申し上げましたけれども、最後の局面になったときには、できることとできないことがあるということをはっきり申し上げるかもしれないと。それ自体も今回の復興計画の中で議論をすればいいんだということを申し上げていまして、いずれそういう議論の積み上げの中でいい計画を作る、その中で被災者も納得できるような負担をお願いするということを目指して取り組むことが大事だというふうに思っております。

佐藤信秋君

地方の負担という問題を私ずっと気にしながら、とにかく費用の心配しないで地方公共団体頑張れ、国が何とでもするよと、それぞれ被災地が倒れるときは日本が倒れるときだから、絶対に自分たちだけが大変な思いだという形にはしないよというメッセージが要るんだろうと思うんですね。

そこで、資料二御覧いただくと、この前の一次補正のときの地方負担額です。これだけでも、適債事業だけでも六千七百億円、これ取りあえず借金をしてください、起債の方の面倒は国の方で見ますがと。後での返還は、償還は二十年、三十年掛けて交付税措置の中でやっていきますから、こういうわけですね。

実は、今の高台移転でも超過負担が必ず出ます。市町村は、例えば一戸当たり千七百万ぐらいまでと言われても、二千五、六百万掛かるだろうと、その分は全部単費だよと。しかも、四分の三、四分の一持つとしても税収ありませんという状況の中でどうやって具体化していくかと。これ、絵にかいたもちになりかねないので私は申し上げているんですが。

そこでなんですね、一次補正でも六千七百億、地方の負担分が出てくる、適債事業であります。実は、これはこれから補助事業であっても、災害救助にしろ、瓦れきの処理にしろ、これで済むわけありませんから、もっとすごい額の地方の負担分が出てくる。取りあえずこの六千七百億だけでもできるだけ特別交付税か何かで面倒を見ていくと、こういうことが必要なんじゃないかなと思っています。

二次補正予算で、資料の三に地方交付税交付金五千四百億円ですよと。この中で、東日本大震災に係る被災自治体等の特別な財政需要に対応。これ、一次補正の分の適債事業、借金するよりは特別交付税、できるだけ傾斜配分するよと、こんなことが必要かというふうにつくづく私自身は思っていますが、この五千四百五十五億のうちどのぐらい特別交付税という形で被災地に支援できるか、ある程度の数字があれば教えてください。

大臣政務官(逢坂誠二君)

お答えいたします。

今回の補正予算でございますけれども、これは一次補正に追加をして、一次補正の対策に追加をして今回の大震災に万全を期していこうということでやるものでございます。そこで、御指摘の交付税でございますけれども、今回、五千四百五十五億円については、交付税法に基づいてまず約九百億円、これは普通地方交付税として配分をすると。残余の四千六百億円を特別交付税に加算することとしているところでありますけれども、御指摘のこの特別交付税について、第一次補正予算の地方負担のうちの地方債対象経費に遡って適用するということは現時点では考えておりません。

さすれば、どういうものに予定をしているかということでございますけれども、第二次補正予算に伴う被災者生活再建支援基金への都道府県への追加拠出、これに対応する。あるいは、復旧復興予備費への対応のほか、被災団体においてきめ細かな施策を行うための経費や殉職された消防職団員の方々への賞じゅつ金等の経費など、これらに充てるということを予定してございます。

佐藤信秋君

佐藤信秋

というんで、借金してくださいね、後で面倒見ますよというのはできるだけやめてくださいという趣旨で私はお願い申し上げているんで、これはお願いベースでしょうけど、一次補正でこれだけ掛かりましたという部分について、できるだけ傾斜配分していく、そういう自治体に傾斜配分していく、そこが大事なことだと思います。答えは要りません。

次に、例えば災害救助法でいう補助率の基準。これは百分の二までが二分の一でしたかね。百分の四までが四分の三かな。百分の四を超えると九割ですね。というんですが、この百という標準税収、収入見込みというのが実は各地方公共団体みんな半分ぐらいになっています。半分まで行かないだろうと思う、多分。そうすると、まあ二億としましょう、二億円の被害が出て、百億の税収でしたら百分の二とこうなるんですが、税収の方が半分になったら五十分の二、したがってこれは百分の四になるんですね。

補助率の適用の考え方、それのベースの標準税収というのを収入見込額である程度実態に合わせてやっていかないと、去年までは一千億の収入があったけど今年は五百億も行きませんと、こういう公共団体に対して、負担率がかなり違ってきますので、その辺は是非今年の税収入の見込み、これをできるだけ取って適用するように、そんなことをお願いしたいんですが、いかがでしょう。

政府参考人(清水美智夫君)

災害救助法に基づきます災害救助費の国庫負担の実務に関するお尋ねでございます。

若干丁寧めに御説明させていただきますと、通常の災害でございますと、その発生時期問わず、秋口に税収見込額が出ます。そういうのを基に年度末、三月になりまして一回だけ精算交付の形で交付するというのが通例でございます。

しかしながら、今回大変な大震災でございましたし、そのため、県におきまして資金ショートの不安が生じないよう、また資金面あるいは資金ショートが生じないようになど、資金面での不安が生じないようにすることが重要であるというふうに私どもも財務省も考えまして、概算交付をするという方針で臨んでおります。二十三年度予備費についてもそうでございますし、五月二日に成立した補正予算についてもその方針で臨んでおります。

その際に、佐藤先生お尋ねのように、計算式としましては税収見込額を仮に前年のものと同じということで置いてやってございます。ただ、先生御指摘のように、仮に税収見込額の半分ということにしましても、今回の大震災は支出額が非常に大きくなるというふうに見込まれる反面、県の収入額はそれほど大きくございません。その結果として差異はほとんどないということになります。仮に宮城県、一番支出額が多く二千二百億円強と見込まれる宮城県を例に取って申し上げましても、その差額、私どもは二千四億円、国庫負担額を交付してございますが、仮に先生御指摘のような形で税収見込額の半分ということになりましても、十一億円、〇・五%の差異ということになるわけでございます。日数で仮に直しますと、三百六十五日分の二日分ということになるわけでございます。

したがいまして、私ども、その辺り、税収の見込みがどのようになろうとも県に御不安が生じないよう、三月の、そこの三十、三十一に行かない前に、三月のしかるべき時期に税収見込額の確定、あるいは災害救助費の実際の執行の状況を見て精算的な形で過不足について調整してまいりたい、このように考えております。今後ともその辺り、県に資金面で不安が生じないよう、私どもとしては最大限努力してまいりたいと考えてございます。

佐藤信秋君

佐藤信秋

という弾力的といいますか、被災したそれぞれの地域に沿ったような形できちっとやってくださいと、考え方をですよ、というのをお願いしておきます。

それと、資料の四に広域避難受入れ費用、こういう問題を、これは私が勝手に整理してみました。厚労省の方で、受入れ県から被災した県に求償すると、これは救助法の本来の姿ですというんですが、とても岩手も宮城も福島も、そもそもその実務自体やれっこありません。何せ四十六県全部に行っているんですから、被災者が。お互いに大変だからというんで、厚労省で一旦受けてもらうことにしましたですね。

実は、これ受けてもらって、先ほどのように地方財政対策もしっかりやると、こういうのであれば、あればですよ、厚労省から、おおむね救助法でいえば九割の世界ですね、九〇%、一割分は厚労省が総務省から特別交付金をいただいて、そして最初からそれでもう支払ってしまう、被災した県には通知をする。これでやっていただかないと、お互いの事務手続大変で、しかも負担が出てくるんですと、こういう問題ですから、それぞれの被災県がやっぱり負担出てくると。百億要請されたら十億自分が負担せにゃいかぬ、そう思っているんです、県は。だから、そこの部分は、そこもショートカットすると、こういうことを是非工夫していただきたいと思います。これは要請だけにしておきます。お分かりですよね、大臣、これ分かりますよね。

岩手の知事さんにお聞きになれば、いや、それは頭痛いんですよと、みんなそう言っています。一々またそれ、受入れ県から来たのをチェックしてくださいといったら、もうお手上げですね、これ。千人の皆さんが行きました、こういう方とこういう方ですがこれでいいでしょうかね、こういうふうな費用が掛かりましたというのを被災県がチェックできるわけがありません。これはもう厚労省の方で、さっきのお話のようにほとんど地方の負担は出ないと、こういうことであれば、総務省から特別交付税をもらって一緒にもう分けてしまうと、そのぐらいの弾力的措置が必要なんだと思います、今はね。これは要請です。

次に、瓦れきの問題に行きます。

瓦れきは、予算に対して今支払額が〇・五億円ということだそうであります、資料の五ですが。私は、この瓦れきの処理が一番遅れている原因は、大臣、仮置場持っていきますよね、みんなで。そこから先が決まりませんよね。何で決まらないか。これ、要因が二つあると私は思っています。

一つは、広域処理ですから、どこにどれだけどういうものをというのを最終処分まで持っていこうという計画を作るのは、これは容易じゃありません、なかなか。

もう一つの問題としては、瓦れきの処理は市町村長がやるということになっていますね。それで地方負担は丸々交付税で後で見るから、起債も許可するからと、こういうことになっていますが、実は超過負担が出ます。百億が掛かる、そのうち査定したら九十億だ、十億自分が負担せないかぬ、みんなそう思っています。それともう一つは、残った九十億に対して一割ぐらい自分が取りあえず負担せないかぬ。

こういう問題からいって、市町村長にしてみたら、しかも広域処理ですから、自分でどんどんやれと言われても、仮置場の先が物すごく難しいんです。で、県に頼みます。県は、今度は自分が全部引き取ったら、やっぱりそういう超過負担問題なり、あるいは広域処理どうやってやろうかというようなことを引き受けられるかいなと、ほかの復旧作業で手いっぱいですから。こういう問題があります。

したがいまして、自民党は、国が全額国費でもって、それで要請があれば国が直轄でもやれると、こういう瓦れき処理の法案を用意しました。用意しましたが、取りあえず現状でいくとちょっと遅過ぎますよねと、こういう問題を指摘させていただかざるを得ません。補正予算額三千五百十九億円って、これ国費額ですが、実はこれはもっと大きくなると思います。倍以上にはなると思います。私は一兆円ぐらいは掛かるようになってくると思いますが、ヘドロの処理も含めたらなおのこと。

ただ、とにかくスピードを上げてやっていただかないかぬので、そういう意味で、是非大急ぎでやっていきましょうということを、その負担は気にせずにということを是非メッセージで出していただきたいんですが、いかがでしょう、政務官。

大臣政務官(樋高剛君)

まず、佐藤先生、今回の震災対策、大変御熱心にお取り組みをいただいております。深甚なる敬意と感謝を申し上げさせていただきたいと思う次第でございます。

お尋ねの件でございますけれども、七月の二十一日時点でありますが、まず今回の概算払を希望する自治体から当初の報告を集計させていただきましたところでありますが、概算払の見込額は一千七百九十二億円でございます。その報告につきまして審査をさせていただきましたうち、先生の方で今日資料をお作りをいただきましたけれども、二百八億円について既に確定をさせていただいたということでありまして、残りの一千五百八十四億円も今先生おっしゃったように速やかに、とにかく一刻も早く地元の自治体に概算払をさせていただくべく頑張ってまいりたいと、このように思っているところでございます。

なお、この確定済みの二百八億円、交付決定しましたものにつきましても、今月中に手続を終了するところまでしっかりと私の方で政務として背中を押してまいりたいというふうに思っている次第であります。

いずれにいたしましても、今先生がおっしゃいました問題意識、とにかくスピードアップのためにありとあらゆる方策を打たなくてはいけないと。まさしく、例えば仮置場以降の中間処理、二次処理の見通しも立たない、あるいは市長さんの御懸念も私自身も十分に承知をしているところでございまして、それを踏まえさせていただいて、しっかりと実が上がるように取り組まさせていただきたいと思っております。

先生の御指導、今後とも引き続きいただければ幸いでございます。ありがとうございます。

佐藤信秋君

質問はこれで終わりますが、残った問題、山のようにあります。もちろん、大臣御存じのように、今日は二重ローンの問題も私はやりたかったんですが、特に沿岸部、建設中の、工事中の重機が流れて、これ恐らく三千台以上流れただろうと、こういう話もあるんですね。これ大部分がリースですから、リースって弁済せないかぬですから、企業の人は、建設業の人たちは二重ローンどころじゃなくなってしまうんですね。弁済の方は待ってくれませんから。

そういう問題も含めて、是非、平野大臣、御地元でいらっしゃいますから、問題の解決をできるだけ速やかにやっていただくようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。