佐藤信秋議員は27日、公共調達について会計法で定められている予定価格の上限拘束性撤廃を視野にいれた、公共調達の適正化へ向けた改革提言を、超党派で行うことを明言した。同日の参院国土交通委員会で佐藤議員は、地方建設業が価格競争激化で疲弊し災害対応も難しくなっていることと、官積算の予定価格が標準価格の性格である以上、「予定価格の上限拘束をはずすなど公共調達を変える必要がある」と前田武志国土交通相に質した。
前田国交相は、「地方建設業は今後地方で必要な維持・修繕・更新のお守り役。公共調達の適正化指摘はそのとおりだと思う」とした上で、「超党派で地場の優良企業が存続できるための提言をしてほしい」と要請、佐藤議員は「早急にまとめ提言する」と応えた。
27日の参院国交委質疑を踏まえ、公共調達研究会は具体的提言へ向け31日にも会合を開く予定。
前田国交相が言及した超党派とは、佐藤議員が事務局長を務める「公共調達適正化研究会(委員長・脇雅史議員)」で、民主、自民、公明、みんなの党の与野党4党の参議院議員で構成。ことし1月の初会合以来、公共調達のあり方についてヒアリングと議論を重ね、前田国交相、安住淳財務相とも公共調達のあり方で意見交換をしていた。
公共調達の抜本改革については土木学会も8月に、財政法・会計法の特例として新たな公共事業調達法の制定も盛り込んだ報告書を公表している。
一方、佐藤議員は、地方整備局など国出先機関を地方自治体や広域連合などに『丸ごと移譲』する出先機関廃止について、「受け皿や課題も解決されない中で移譲するのは異常」とし、2012年通常国会法案提出、14年度中に事務・権限の移譲を目指すスケジュールに疑問を呈した。
前田国交相は、「インフラの危機管理としてオールジャパンの組織は必要」と前置きした上で、「道州制なりブロック単位でなければ進まないと思っている」と断言した。