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180回国会 東日本大震災復興特別委員会 議事録
2012年8月27日(月)
 
本日の会議に付した案件
◇政府参考人の出席要求に関する件
◇東日本大震災復興の総合的対策に関する調査


佐藤信秋君

自由民主党の佐藤信秋でございます。

ごく短い時間でありますが、私の方は、実務的な話というか、現場が、市町村や県が本当に困っている、復旧復興が遅れていると言われていますが、遅れている部分、また、幾分かは実際に予算は計上した、その計上された予算をどう使えばいいのか、あるいは使い方に限定があり過ぎる、あるいはまた不足している部分が多い、こんなことから進んでいないというのが結構見かけます。そういうような問題意識から、ちょっと、今日は主として事務的な経費の話を少し伺いたいなと。

もう本当の話は、市町村や県は困っているんです、困っているんですね。それで、資料をちょっと用意しました。資料の一は、これは過去の部分なんです。過去の部分で、平成例えば二十年度に災害復旧なんかで、工事の雑費や事務費、これ、事業をやっていく上では、災害の復旧とか復興、今回の復興は新しい需要というか、これがあるからやらないかぬと、こうなっていますから、今までの定常業務とは違うんですね。その分をちゃんと動けるような事務的経費を用意せないかぬ。

二十年度までは用意した。実は、二十二年度から政権が替わって、地方の補助事業は地方の負担、国の方は国だけ負担と、こういうふうに切り替えてしまったものだから、これは本当は復旧や復興なんかは本当に困っている。地方の補助事業といいますか、復旧事業なんかやろうとしたら事務的経費ありませんよと、どうやって動くんですか。で、それを今度発注して、設計や調査を発注してやるんならいいんですよと、こう緩めたつもりで政府はいるんだけれども、発注業務というのは、またそれはそれで時間掛かるから、元々が。これまた時間は掛かる、人手はないわ、さあどうしましょうと、こうなっている部分がかなりあります。

これから、最初、事実の確認ですが、事実の確認ですよ、資料の一、例えば新潟の場合には、災害復旧で県の工事分は、二十年度でいえば、補助事業費は県の場合には事業費三十五億、このうち工事雑費と事務費というのは、事務取扱費が三・二%ぐらい、市町村分でいうと五%ぐらい、まあ大体このぐらいの経費は、追加需要というか、定常業務以外のところやろうとしたら掛かってくる、これが実態だと思いますが、事実関係、水局長、こういうことでいいかどうか、こういうことだったかどうかということをイエスかノーか答えてください。

政府参考人(関克己君)

お答えをいたします。

今先生御指摘の災害復旧事業におけます事務経費、これ災害対応という臨時的な業務に対する人件費、旅費、それから職員の給与、事務費の消耗品、こういったものが含まれております。

災害復旧事業における事務経費というのは、これは災害復旧事業の個々の規模とか内容によって変動しますけれども、この平成二十一年度まで用いられていた基準をもって申し上げますと、標準的な必要額としては、工事雑費として本工事費に対して一・五%を乗じた額、また事務費としては工事費の総額に対して四・五から一・五%を乗じた額を計上しております。したがいまして、当時の基準を用いた場合ですが、おおむね災害復旧事業におけます標準的な事務経費は工事費総額のおおむね三から六%になります。

佐藤信秋君

時間がないので、説明要りません。イエスかノーかで答えてください。

副大臣、わざわざおいでいただいて済みません。

資料の二に、今みたいな考えで計算したときの、資料の二、東日本の大震災の復旧でいえば、例えば岩手県は総事業費、復旧事業費二千二百億掛かりますと。このうち事務経費六十五億掛かりますと。これは、実は復旧対象事業費の外ですから単費で全部やるんです、これ。大臣、これ全部単独費でやるんですよ、これ。工事雑費と事務費の六十五億、県でいえば。これ全部そうなんです。二十二年度から国が補助する復旧事業費には事務費入れていませんから、それは単独費でやりなさいと、こういう議論なんですね。このぐらいで費用が掛かる、大体これ三から四ぐらいです、やっぱりね。副大臣、このぐらい掛かるんですが、何か面倒見る、手当てできますかね。できるかどうかだけお答えください。

副大臣(奥田建君)

委員御指摘の、二十二年度から直轄事業負担金の業務取扱費全廃と、この際に、併せて国から地方事業への事務経費補助金を廃止しているところであります。したがって、地方公共団体の事務経費につきましてはその地方公共団体の負担となりますが、地方財政上の措置として、東日本大震災の復旧事業も含め、補助事業の実施に直接必要な事務経費を対象に総務省において必要な財源措置が講じられておるというふうに承知しております。

佐藤信秋君

多分講じられていないんです。いない。で、復興事業費も復興交付金も、これ大臣に伺おうと思いましたが、時間がなくなりましたので、資料の三に復興交付金事業費というのが幾ら掛かるかというのが出してあります。これにも事務費は全然ありません。事務費載っていません。例えば四%掛かるとしたら、岩手県の場合には、五百十一億の交付金事業費なら四%、二十億ぐらいの地方費が要るんですね。皆そうです、市もそうです。

そこでなんです。今、地方財政措置してあるというのは、これは本当にしてありますかというのは、総務省、どうですか。

大臣政務官(稲見哲男君)

先ほど国交省からありましたように、工事雑費、事務費、三%から六%と、こういうことでございます。このうち、災害救助費、災害廃棄物処理事業費、こういうものについては国庫補助事業になっておりますので、当該国庫補助事業の地方負担分、この全額は震災復興特別交付税で措置をすると、こういうことになります。

それから、先ほどありました事務費補助金の廃止に伴いまして、公共土木施設あるいは農地、農林漁業施設の災害復旧事業、これについては、先ほどおっしゃっておられたように事務費等が入っておりませんので、この点は被災地方公共団体において必要となる事務経費を調査をした上で、その全額について震災復興特別交付税で措置をすると、こういうふうになってまいります。

したがって、復興基幹事業の効果促進事業につきましても、そこに事務費が生じれば復興特別交付税で措置をすると、こういうふうになります。

佐藤信秋君

そこで、大体、見ていると言って見ていないのが普通の特別交付税なんですね。総額決まっているから。いやいや、総額決まっているから圧縮するんです。で、このデータがない。それ、是非委員会に出していただきたいと。総額、復興特別交付税なるものがどの県、どの市に幾らずつ行って、そのうち、こうした事務的経費に相当するものとして積み上げて幾らずつ、そのほかの経費分に幾らずつという分類を、多少時間掛かるかもしれませんが、出していただかないと、見ている、見ているという部分が多分見れていない。それで、全体の特別交付税自体が、全国の特別交付税自体が総額決まっているから、どのぐらい圧縮されるかと、これが分からない。

復興特別交付税も、見ているというお話であれば、その内訳をきちっと出して、これだけそれぞれの県や市町村に、内訳ですよ、事務的経費だけではありませんから、それをきちっと出して、世の中に教えてくださいと、こういうことなんです。よろしいでしょうかね。

大臣政務官(稲見哲男君)

復興事業につきましては別枠ということになっておりますので、例えば平成二十三年度につきましては、国交省、農林省事業七千二百九十二億円という措置額に対して五十九億円という事務費、これを個々に算出をして、それを措置をいたしております。

したがって、平成二十四年度も、この復興事業全体が定まってまいりました場合は、先ほど申し上げたように別枠で、全額復興特別交付税で措置をすると、こういうふうになってまいろうかというふうに思っております。

二十四年度の交付額が、今、三次、四次という形で交付可能額が措置をされているところでありますので、その点、どの時点で切るかということはございますけれども、また委員長の御指示に従って総務省として対応したいというふうに思っております。

佐藤信秋君

今のお話だと、二十三年度、七千二百九十億円の事業費に対して事務費が五十九億円と、こうおっしゃいましたよね、ですよね。一%に行かない。どうやって見ているか、どこで見ているか、だから信用されない。本当はちゃんと見ているかもしれませんよ。

ですから、県、市町村ごとに事業の復興交付金、復旧事業費の総額とそれに要するであろう事務費と特別交付税は幾ら見ていますと、復興特別交付税ですよ。それで、復興特別交付税の総額は、そのほかこうやって幾らですと、この内訳がないから、あるいは、あっても今みたいに七千二百九十億円で五十九億円見ていると言われたって、現場は動けません。足りないに決まっているんです。大臣、これはお分かりですよね。今の答えであれば、七千二百九十億と五十九億って、必要な経費に対して落差があり過ぎる。

元々、これ無理があるんです。二十二年度に、これはまた別途の議論をちゃんとせにゃいけませんが、直轄事業に対して事務費の負担は地方がやらなくていいですよと、事務的経費は。その代わり、県も市町村も補助事業の事務的経費もうやめましょうねと、こうしてしまった。ところが、市町村は元々、直轄の負担金の事務的経費なんて出していませんから、そうすると、市町村の場合には補助事業切られただけになるんですね、事務的経費を。それで、その分を交付税で見るかというと、見ていません、特別交付税、その分を、きちっと。これは調べていただければ分かると思います。その延長線上でこの議論があるから、みんな、今回の震災も復旧費や復興交付金について、事務的には大変だ、これはまあ、どうやったらいいんだべと、経費そのものがですね、そういう問題があります。データとしては委員会に是非出してください。

それから、もう一つ、もう時間なくなりました。資料の四ですが、ふくしま産業復興立地企業の立地補助金と国内立地推進事業費の補助金、これ五千億円用意したんですね、五千億円、第三次補正で。それぞれ満杯です。それぞれ満杯ですが、満杯になってしまいました、もう。福島の場合には五年ぐらい掛けるつもりが、資料の四であります、五年ぐらいで立地企業を誘致するつもりが、もう半年で満杯になってしまった。元々、ちょっと条件緩いじゃないかという話がありました、話が。だけど、これ元々制度設計として、福島の場合には特別来てくださいというんで、補助率も四分の三から二分の一とかですね、こんなふうに仕分しています。ところが、満杯になってしまった。いろんな工夫をして、三次補正の不用額を集めるとか、あるいは原発の立地補助を特別に基金でつくるとか、基金積み増してつくるとか、そういう工夫をしなければ駄目、こういう問題と思います、特に福島の場合は。

決意だけ、一言だけ、もう時間ありませんから。一言だけ、工夫しましょうと、こういうことを、これは経産省でしょうかね、大臣、済みません、大臣のお答えはいいです、経産省、一言だけ。

政府参考人(照井恵光君)

ふくしま産業復興立地支援事業につきましては、総額一千七百億円ということで、五年間の管理運営を前提として、少なくない金額を福島県に基金として措置したものでございます。

現在、県におきましては、第二次募集を終了しまして、現在、精査をしている状況でございます。福島復興再生基本方針に基づきまして、引き続き企業立地促進のために県と協議をしてまいりたいと存じます。

委員長(玉置一弥君)

先ほど佐藤委員の方から総務省に要求のありました資料につきましては、理事会で後で諮りまして、正式に御連絡したいと思います。