第211回国会 参議院 決算委員会
2023年6月13日 建設工業新聞
建設技能者らの賃上げ環境整備を
自民・佐藤参院決算委員長
岸田首相に総括質問
参院決算委員会は12日午後、岸田文雄首相と全閣僚が出席して2021年度決算に関する締めくくり総括質疑を行った。最初に委員長を務める佐藤信秋自民党参院議員が総括して岸田首相に質問。安全安心な生活や社会経済を支える観点から建設技能者やトラックドライバーといったエッセンシャルワーカーの処遇改善を訴え、継続的な賃上げに向けた環境整備の考え方などについて説明を求めた。
佐藤氏は建設技能者やトラックドライバーの年収が他産業の平均に比べ2割程度低い現状を例に問題提起した。いわゆる「24年問題」として24年4月に適用される時間外労働の罰則付き上限規制にも対応するため、就労日数が減少し貿金も減る可能性を指摘。技能者らの処遇改善を後押ししてきた施策の効果検証やさらなる改善を訴えた。
岸田首相は建設技能者の処遇改善について、物価上昇を上回る公共工事設計単価の引き上げなどによって対応していると説明。引き続き「資材価格の上昇を反映した請負代金の設定や適正な工期確保が図られるよう、取引の適正化に向けた環境整備を進める」と応じた。
佐藤氏は新型コロナウイルスに続く「次なる感染症対策」や少子化対策の必要性も強調。岸田首相はそれぞれ前向きに対応していく方針を示した。