第213回国会 参議院 決算委員会
2024年6月11日 建設通信新聞
国土強靭化 投資拡大に意欲
佐藤委員長への答弁
参院決算委で岸田首相
建設産業界の職域代表で参院決算委員会の委員長を務める佐藤信秋参院議員は、締めくくり総括質疑が行われた10日の委員会で、国土強靱化への政府の考え方を岸田文雄首相に質問し、経済成長の観点からも国土強靱化を安定的・計画的に進めるべきと主張した。答弁した岸田首相は、国土強靱化の公共投資が経済成長につながるとの認識を示した上で、投資の拡大に意欲を見せた。
岸田首相は「国土強靱化の取り組みは大規模自然災害での社会機能の維持あるいは迅速な経済活動の復旧に資する。これは言うまでもない。併せて経済成長の一翼を担っている意義もある」とし、今後については「引き続き、災害に屈しない国士づくりを強力に進めるとともに、投資の拡大をさらなる経済成長につなげていきたい」と答えた。
佐藤委貝長は、政府が進めるコストカット型経済からの脱却に向けた論点のーつに、公共調達の「予定価格の上限拘束性」を挙げ、規定する会計法令の見直しも迫った。
これに対して岸田首相は、政府調達で最新の実勢価格を反映した予定価格の適切な設定に取り組むとともに、契約後に物価が上昇した場合はスライド条項を適用して契約変更していると説明。入札契約適正化法に基づいて要請するなど地方自治体にも「適切な対応を促している」とした上で、「経済情勢の変化に対応した政府調達となるよう、適切な対応を行っていきたい」と述べた。予定価格の上限拘束性の見直しには言及しなかった。