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2014/6/9(月)
新聞記事
平成26年6月9日 建設通信新聞



3法一体改正の内容整理、解説
人材育成など業界責務周知

適切運用に協力要請
国交省







国土交通省などは、今国会で成立した改正公共工事品質確保促進法が4日に全面施行され、併せて改正した建設業法が一部施行されたことを周知するため、建設業団体や都道府県・政令市とその議会事務局に、改正法の適切な運用への協力などを求める通知を送った。改正入札契約適正化法など今後段階的に施行される部分を含め、今回の3法一体改正の内容を整理して解説。国が地方公共団体や業界の意見を聞きながら作る品確法の運用指針について、発注者共通のルールとすべく、今後本格化する策定作業への協力も要請している。

改正建設業法で施行されたのは、担い手の育成・確保や施工技術の確保に努めなければならないとした、建設業者や建設業団体の責務に関する部分。具体的には、▽技能労働者や技術者に対する講習・研修の実施などの人材確保▽適切な賃金支払いや社会保険加入の徹底などの就労環境整備▽適切な請負代金の設定・支払いなど元下取引の適正化▽広報などによる若年者や女性の入職促進――などに一層努めることとされている。

また、各団体の取り組みを把握、促進するため、その内容を国交相に届け出ることができるようにする支援措置も検討中という。

改正3法は公布と同時、公布から1年以内、2年以内の3段階で施行される。

1年以内の第2弾では、建設業法などに暴力団排除条項を整備するとともに、その関連で「役員」の範囲を拡大し、相談役や顧問なども「支配力を有する者」に含める。

また、公共工事での入札金額内訳書の提出義務化、施工体制台帳の作成・提出を求める下請金額の下限撤廃、入札契約適正化指針の改正なども実施。このほか、住宅リフォーム工事でのトラブル防止を目的に、注文者から求められた場合に建設業者に義務付けられている見積書の「提示」を「交付」に改める。

2年以内施行の第3弾は、業種区分への解体工事業の追加が柱。施行時に既に、とび・土工工事業の許可を持って解体工事業を営んでいる業者は、施行日から3年間は現状のまま営業できる経過措置が適用される。経過措置の終了後、解体工事業を営むには当該業種の許可取得が必須となり、それに適した技術者の配置も必要となる。国交省では今後、解体工事に関する技術者資格の検討を進めていく方針だ。

4日付で出した通知では、技能労働者の高齢化や若年入職者の減少といった構造的な問題を看過すれば中長期的に建設工事の担い手が不足するとの懸念を表明した上で、各種課題に対応するために法改正が行われたことを説いている。