自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(品確議連)が再スタートを切った。公共工事品質確保促進法(品確法)に基づく、発注関係事務の共通ルール「運用指針」の運用から約2年。その取り組み状況や浸透度合いを確認する一方で、i-Construction(アイ・コンストラクション)の推進など、生産性の向上を軸にした新たな課題に向き合う姿勢を強調した。
29日に7年ぶりとなる総会を開催した。役員の改選で新会長に根本匠衆院議員の就任を決定。幹事長に佐藤信秋参院議員、事務局長に梶山弘志衆院議員、事務局長代理に足立敏之参院議員が就く。
議運の下に設置している公共工事契約適正化委員会の委員長は野田毅衆院議員が引き続き務める。
根本新会長は「公共工事の品質の確保をめぐっては、さまざまな課題がなお存在している。議員連盟として幅広く議論を重ねることで、(課題の解決へ)この分野の取り組みを強力に推進していきたい」と述べた。
続けて、国土交通省から品確法の運用状祝や担い手の確保に向けた各省庁の取り組み状況などを聴取。森昌文技監は、就業者の高齢化と若手入職者の減少に直面している建設産業の課題解決へ、「これまでの取り組みの中で(品確法に規定する)歩切りの根絶、あるいはダンピング対策などに取り組んできたが、今日なりの新しい課題が出てきている」と強調。「(政府が推し進める)働き方改革に向き合う中で、平準化や建設現場における週休2日制の導入に積極的に取り組んでいきたい」と力を込めた。
生産性の向上と担い手の確保を両立させる考え方として、キーワードの1つとなっている建設現場における「働き方改革」の実現へ、その推進力となるi-Conのトップランナー施策「ICT(情報通信技術)の全面的な活用(ICT土工)」をめぐっては、参加した議員から「発注者側の3次元対応が遅れている、あるいは(ICTの導入経費を考えると)請負金額が合わないといった現場の声も聞く」とする地域建設業の声を代弁する意見が寄せられた。
これに対して、五道仁実官房技術審議官、これまでの情報化施工は「施工は3次元、検査は2次元」ということもあったが、ことし4月からICT建機の導入を前提にしたICT土工用の新積算基準(ICT活用工事積算要額)や3次元データを一貫して使用するための15の新基準を整備・運用していることを説明。
ICT建機の導入に必要となる経費(従来建機からの増額分)を計上するなど、発注者側の推進体制と、それに必要となる企業側の設備投資を後押しする環境を整えている点を強調する一方で、実際にICT土工を実施している約300件を対象に検証を進めることで運用面での課題を改善していく考えを示した。