公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の改正案がほぼ固まった。自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(会長・根本匠衆院議員)が設置した法改正プロジェクトチーム(PT)の第2回会合が30日に開かれ=写真、四つ目の柱として「公共工事の発注体制の強化」を追加。入札契約など発注関係事務で適正な対応が遅れがちな地方自治体、特に市町村をターゲットに職員育成や体制整備を支援し、是正が必要な場合は国の「勧告」も選択肢に加えるなど働き掛けを強める方針を明記する。
初会合でPTメンバーの各議員が発言した修正意見などを踏まえ、法改正の政策骨子案に新たな事項を盛り込んだ。公共発注者の体制強化のほかに▽担い手確保のための働き方改革・処遇改善▽地域建設業などの維持に向けた環境整備▽新技術の活用などによる生産性向上−を柱に据える。第2回会合での追加意見も加味した上で、PTの座長を務める佐藤信秋参院議員に改正案の取りまとめを一任。近く開催する議連総会で報告する。
市町村を念頭に置いた措置を法的に位置付け、品確法に沿った発注事務の浸透を後押しする。技術系職員の育成のため、国や都道府県が研修の機会を設けるよう求める規定を新設。発注者支援の考え方を公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づき国が定める適正化指針にも反映し、同指針に則した措置の実施を公共発注者に「助言・勧告・援助」できるようにする。現行の「要請」止まりの対応を一歩先に進める。
佐藤座長は「(国の指導を)少し強めていく。その代わり面倒を見るという方向も強める。自治体も(発注体制が脆弱〈ぜいじゃく〉で)困っているところは結構ある」と狙いを話す。PTの議論を見守った根本会長は「品確法は関係省庁を組み込み、政府と与党が一体となり作り上げてきた。産業政策をリードする法律だ」と重要性を指摘した上で「国や公共発注者に浸透させることで生きた法律になる。分かりやすく説明し、理解してもらわないといけない」と展望を語った。