国土交通省は直轄土木工事の週休2日の「質の向上」に向けた2024年度の実施内容を決めた。時間外労働の罰則付き上限規制の適用を見据え、これまで工期全体(通期)で取り組んできた週休2日を、新たに月単位で求めることを原則化。経費補正の在り方を見直し、月単位の週休2日に対応した補正係数を新設し適用する。さらに踏み込んで土日休みの完全週休2日を促すため、先行的に土日休みを実施した企業には工事成績評定で加点。他産業に見劣りせず休日が取得できる現場の実現を目指す。
直轄土木工事・業務で24年度に適用する積算基準の改定内容を28日公表し、受注者の働き方改革を支援するメニューの一つとして打ち出した。既に標準化している通期の週休2日の経費補正を一部残しつつ、新たに月単位の週休2日と、土日休みの完全週休2日の達成状況に応じた経費補正と成績評価の仕組みを導入する。
月単位の週休2日は予定価格3億円以上の本官工事を発注者指定型、それ以外の分任官工事を受注者希望型で対応する。経過措置的な意味合いで通期の週休2日に適用する従来の補正係数の一部を24年度に限って存置する。それに月単位の週休2日に対応した補正係数を足し合わせた数値を、実際に月単位の週休2日で発注する工事に適用する。
現場閉所の補正係数は労務費1・04(従来〈通期の4週8閉所以上〉は1・05)、機械経費(賃料)1・02(1・04)、共通仮設費1・03(1・04)、現場管理費1・05(1・06)。週休2日交代制の補正係数は労務費1・04(1・05)、現場管理費1・03(1・03)とする。25年度以降は月単位の週休2日の実施状況を踏まえ、改めて補正係数を検討する。
柔軟な休日取得を後押しするため月単位の週休2日工事にも、工期途中で部分的に現場閉所から交代制に切り替えられる試行を拡大。休日の質の向上をさらに推進するため、土日休みの完全週休2日の実施に努めることを「土木工事共通仕様書」に規定。土日休みの実施企業には工事成績評定の「創意工夫」で加点する。