第3次担い手3法などを踏まえ、入札契約適正化法(入契法)に基づいて政府が定める「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」(入契法適正化指針)の改正骨子案が5日、明らかになった。建設業法、入契法、公共工事品質確保促進法(品確法)の改正内容を反映する。さらに、ピークカット(繁忙期の解消)による平準化の推進など、昨今の課題を踏まえて対応が必要な事項を位置付ける。12月から2025年1月ごろまでの閣議決定を目指す。 自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」が同日開いた総会で、既に明らかになっている品確法の基本方針、「発注関係事務の運用に関する指針」(運用指針)の改正骨子案とともに、国土交通省が説明した。
政府は、改正建設業法の第2弾施行(公布から6カ月以内)と第3弾施行(公布から1年6カ月以内)に併せて、入契法適正化指針を2回改正する方針。今回示した改正骨子案は、改正品確法、改正入契法と、改正建設業法の第2弾施行分を反映したものとなる。品確法基本方針と同時期の閣議決定を目指す。
改正の方向性は、▽入契法・建設業法改正への対応▽品確法改正への対応▽昨今の課題への対応−−の三つ。
主な追加事項を見ると、入契法・建設業法改正への対応として、円滑な価格転嫁に向けた環境整備を位置付ける。契約前に資材価格高騰のリスク情報を通知していた受注者から契約後に請負代金変更協議の申し出があった場合、誠実に協議に対応することが公共発注者の義務になることから、誠実な協議の実施などを追加する。
また、改正入契法により、国交・財務両大臣が国、国交・総務両大臣が地方自治体に対して勧告できることになるため、品確法の基本方針や運用方針の改正骨子案にはない入契法適正化指針の独自記載事項として、発注者に対する要請・勧告を位置付ける。
このほか、入札契約の適正化を図るための発注体制整備、配置予定技術者の専任・兼任状況確認を独自記載事項とする。
品確法改正への対応では、スライド条項の適切な運用、週休2日工事の推進、適切な入札参加条件・規模の設定などを追加する。
三つ目の方向性である昨今の課題への対応は、第3次担い手3法以外の取り組みを位置付けるもので、「入札契約に関する情報公表の原則インターネット化」「ピークカット(繁忙期の解消)による平準化の推進」「時間外労働規制に対応可能な工期設定」「工期設定での猛暑日の考慮」「快適トイレなど、多様な人材の確保に向けた環境整備」の五つを挙げている。