自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(会長・根本匠衆院議員)は5日、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で第18回総会を開いた。会計法令に基づく予定価格の上限拘束性を問題視する意見が複数の議連幹部から挙がり、5年後をめどとする次回の公共工事品質確保促進法(品確法)改正での追加を視野に、品確法から実施可能な対応の検討を深める方向になった。
冒頭であいさつした根本会長は、通常国会での品確法改正に尽力した議連所属議員に謝意を表し、「理念から具体の責務までを幅広く規定している品確法は議員立法の優等生。大変意味のある法律で、建設産業政策をリードしている」と強調した。その上で、品確法の基本方針と「発注関係事務の運用に関する指針」(運用指針)、入札契約適正化法の「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」(入契法適正化指針)が実効性のあるものとなるよう、三つの改正骨子案に対して意見を求めた=写真。
佐藤信秋幹事長(参院議員)は、デフレにつながるとして予定価格の上限拘束性を改めて問題提起し、「世界の中で、こんなおかしいことをやっているのは日本ぐらいだ。なんとかしなくてはならない」と指摘。会計法の改正は容易ではないことから、「品確法で対応するしかない」と訴えた。
総会終了後に取材に応じた根本会長も、予定価格の上限拘束性が公共工事・業務の大きな問題点であるとの認識を示し、「指摘は本質的なもの。そこは丁寧に議論していく必要がある。佐藤先生と私は問題意識を共有している」と述べた。
総会ではこのほか、国土交通省が説明した品確法の基本方針、運用指針、入契法適正化指針の改正骨子案などに対し、国会議員から質問や意見が挙がった。
ある議員は「除雪の待機料の問題が残っている」と指摘し、地域の守り手である地域建設業の維持に向け、適切な待機料の支払いを品確法の基本方針などに位置付けるべきと主張した。この点については佐藤幹事長も必要性を認め、基本方針などへの反映を含めた検討と具体的な対応の実施を国交省に求めた。
別の議員からは、業務の入札で多く発生している抽選の防止に向けた対応や、上昇する資材単価の速やかな改定などを求める意見が挙がった。