トップページ > 国会活動 > 質疑応答集(2010/10/21)






176回国会 国土交通委員会 第2号
2010年10月21日(木) 午前10時開会
 

本日の会議に付した案件
◇政府参考人の出席要求に関する件
◇国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
(社会資本整備及び公共投資の在り方に関する件)
(高速道路網の整備及び料金無料化に関する件)
(海上保安体制の強化に関する件)
(河川管理の在り方及び八ッ場ダム建設事業に関する件)
(建設産業の経営環境に関する件)
(社会保障の観点からの住宅施策の充実に関する件)
(「交通基本法」に関する件)

佐藤信秋君

自由民主党の佐藤信秋であります。同僚の脇委員に引き続き、質問させていただきます。新しい大臣、副大臣、政務官には初めての質問になります。よろしくお願いいたします。

お答えの方はできるだけ簡潔にお願いしたいと思います。かなり用意したものはたくさんありますが、多分時間内には終わるのは難しいかな、次の機会にまた途中からやらないかぬのかなと、こんなふうに思っていますが、途中で終わったら失礼をいたしたいと思います。

最初に、国土交通大臣、所信で国土の背骨、生活の背骨、そして産業の背骨、これは大変大事なことだと私も思います。そういう大前提の下で、従来は全国総合開発計画であったり、これは平成二十年から国土形成計画と、こうなりましたよね。国土のグランドデザインといいますけれども、いろんなことをその中で考えていこうと、こういうことであるかと思います。

その国土形成計画の中では、ブロック計画も作りましたが、去年作られたと思いますが、多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築していくんだ、こういう目標を掲げていると。

具体的にどんな手段でこうしたことを実行していくのかな。幾つかあると思うんですが、たくさん挙げれば切りがない。ごく簡単に、三項目、四項目ぐらいの範囲でお答えいただければ有り難いです。

国務大臣(馬淵澄夫君)

じゃ、情報として御提示をさせていただきます。

広域地方計画、これ、具体的なプロジェクトとして、東アジア連携ということで、官民連携のポートセールスあるいは物流効率化の研究ということで具体的には進めております。また、成長戦略におきましても、地域主体ということで様々な形の官民連携というものを、仕組みをつくってまいりますので、そこでまた更に地方、地域の方々、広域の連携の中での御提言をいただけるというふうに思っております。

佐藤信秋君

私自身は、例えば予算であるとか、あるいは組織、体制の整備であるとか、あるいは知恵比べというのでブロック、いろいろ知恵も出してもちろんいただいて、それをどういうふうに国の立場、政策的にはどんなふうに応援していくかとか、それはインフラと限らずに、ハードと限らずに、ソフトも含めて、いろんな支援というものを国の政策として、規制緩和なんかもあるかもしれませんが、そういうことを考えていくんだということで幅広く地方とタイアップしながらやっていかないとうたっている多様な広域ブロックが自立的にというのは難しいだろう、そんなふうに思いながら質問しているわけであります。

そこで、ちょっと気になるのが、実は北海道の経済界は随分といろんなことを私どもにもおっしゃってきたりしているんですが、国土や領土、領海のお守りと、こういうことになると、沖縄なり北海道というのは非常に大きな役割を持っているな。そういう中で、二十三年度の組織改正に向けて、北海道局がもしかして改廃といいますか、されかねないような状況だということを北海道の人たちが大変心配しています。国際局をおつくりになりたいとか、サンセット方式で、じゃそれに代わるものは何だと、こんな御議論があるというかのように聞いていますが、仮にそんなことをするとすると、今の国際情勢の中で大変間違ったメッセージを世界中に発信することに多分なるだろう。北方四島を返せ返せ、ずっと頑張り続けているわけですね。尖閣では中国漁船の問題が出たりしている。こういう状況の中で、特にロシアや中国、日本という国は北海道の振興であるとか国としての助成、自立の支援であるとかいうことをだんだん手引いていっているなと、組織の面からいってもそうだなと、こんなメッセージと受け取られかねない。

元々、北海道開発庁だったわけですから、大臣も置いて。しかしながら、北海道局、省庁再編で北海道局になったと。これで頑張っているんだと。沖縄だってそうですよね、総合事務局。世界に対するメッセージとしては、やはりそうした領土、領海も考えた上で国の体制、組織というものは考えてやっているんですよ、ちゃんと頑張るという姿勢なんですよと言ってきたのが、北海道局なくすみたいな議論になったら、これは誤ったメッセージをそういう面でも出してしまう。

もちろん、北海道の振興自体は、北海道局を置きながら、一方でインフラ整備をしっかりとやるべきものはやる。整備新幹線だって、札幌までの延伸というのは、これは三井先生もやらなきゃいかぬと、こう思っておられると思いますが、まさか北海道局というのをこの今の時期になくすというようなことはお考えではないだろうなと思いながら、特に国際的に沖縄や北海道が注目されていると、この状況の中で、ひとつ是非決意をお聞かせいただきたい。

国務大臣(馬淵澄夫君)

御懸念の部分、私もよく承知をしております。一方で、国土交通大臣以外にも沖縄北方対策担当大臣拝命しております。

まず一点、事実として御確認をさせていただきたいんですが、私どもの今年の平成二十三年度の組織要求におきましては、北海道局の廃止というものは含まれておりません。これはまず事実でございます。その上で、前原前大臣が新たな機能強化ということでの組織要求をさせていただきました。現時点においては当局との、関係部局との調整のさなかであります。まさに、一局段階というところでありますが、私どもとしては、まず事実としてこのように北海道局の廃止ということを組織要求に入れていないということで御理解をいただきたいというふうに思います。

佐藤信秋君

大臣がそういう御決意をなさっておられる。結果として私も大丈夫だろうと期待しています。三井副大臣もお隣におられることでありますし。

次に、国土形成計画とはもちろん限らぬわけですが、そのインフラをどうやっていくか、大変大事な問題であろうかと、国土の背骨をつくるんだ。

一時期、随分と世界の標準といいますか、世界中の公共投資、まあ政府固定資本形成と、こういう、固い言葉で言えばそういうことですが、公共投資、地方から国含めてですね、日本が国際的に非常に大きいんじゃないかと、こういう議論がありました。私自身は大きくても当たり前だと、こう思っていますが、遅れているこの日本という国が、我が国が、国際競争力も考え、そして地方でしっかりとそれぞれが地域が元気を出して頑張る、そのためにははるかにまだまだ、災害対策も含めて、あるいはいろんなネットワークづくり含めてやっていかなきゃいけない、こういう問題だと思っています。

しかし、残念ながら、この十年、公共投資、随分削減されてきたのも確かであります。

資料一ということで配らせていただいたんですが、いつもこれを引き合いに出されるんですね。十年前、日本はIGがGDPに占める割合が六%だと、他の国は二・五%から三%だと、高過ぎるではないかと、こういうキャンペーンを随分張られました。元々、災害に備えたり地震に備えたり、建設費もそういう意味では構造物が多いし高くなりがち、こういう中で、一%や二%ほかの国より高い、これはもう当然のことなんで、更に遅れている数字を取り戻そうとすると六%ぐらいというのは私は続けるべきだったと、そう思います。思いますが、残念ながら、政府全体の予算の中で、厳しい予算の中で三%ぐらいに落ちてきた。ほかの国はこの間に、グラフの……(発言する者あり)まあ自民党も責任があるんですね。徐々にですけれど、落としてきた。

グラフの左の方は、ほかの国がどうしているか。先進国と言われる国、それぞれ二・五%から三%ぐらいはGDPに対して投資しています。そうでなければ国民の生活、暮らしというのがちゃんとできないということであります。この十年、ほかの国は、左のグラフを御覧いただくと、公共投資増やしてきているんですね。日本だけこんなに半分以下にしてしまった。

残念なのは、二十二年度には、実はこれ二十年度で大体三%ですから、二十二年度公共投資二割削減といえば、単純に言えば二・四%。三%が二・四%と、そのぐらいになる、こんな水準なんですね。これ以上は減らすわけにはいかないといいますか、二十二年度以上はと、こういう意味ではなくて、三%ぐらいというのは、これは国際的に見ても遅れている日本がちゃんとこれから競争力、子供や孫に国際的な競争もやらせると、安全な国にもしていくと、こういう面からいけば私は、もちろん多々ますます弁ずるというわけではなくて、三%ぐらいにお戻しいただくというのは、これはまあ常識的にといいますか、そのぐらいで運営していくというのが国土の運営の在り方の一つかと、そんなふうに思っていますが、大臣、いかがでしょう。

国務大臣(馬淵澄夫君)

先生御指摘の、先進国並みであると、しかしながらまだまだ必要であるという御意見につきましては、私も土木屋として社会人になりましたので、地震国あるいは島国という中で、いわゆるこうした国土の安全あるいは安心、しっかりとした均衡ある発展を取ろうとすると高コスト構造になるということもよく承知をしております。ただ、一方で、ほぼ概成しつつあるにもかかわらず、無駄な公共事業と呼ばれるものが散見したのも事実だったと思います。

その中で、昨年、私どもとしても公共事業の見直しということを徹底的に行いましたが、今般、新たに概算要求をさせていただいた段階では、もうこれは減らすものではないと。今後も更新時期到来の公共施設、インフラ、多々ございますので、維持管理だけでも大変な予算が必要となる中で、今後は私どもは一定程度、まさにだから、当初、所信で申し上げたように、あるべき社会資本整備の姿はどういうものなのかと、これをまず国交省、あるいは委員の皆様方も御議論の上で定めていく必要があるんだと。ただただ右肩上がりで公共投資も増やしていけという時代ではない。その上で必要なものというものを明確に示す必要があると、このように私、考えておりまして、御指摘のこのIGにつきましては二十年度時点三%ということで、二十一年度の数値に関しまして現在、内閣府で集計中ということで、これ十二月ごろの公表予定だと聞いております。ですから、直近の数字はこの三%ということなんですが、私も御指摘の、水準としてはこれらを守っていかねばならないなと、このように私も考えております。

佐藤信秋君

そういう意味で、おおむね三%と、こうなりますと、国費ベースでいうと、民主党マニフェストで四年間で一・三兆を削ると、こうおっしゃっていたのが一年で削ってしまった。これから実は大変なことになっていくというふうに私は思います。それは地方の雇用や暮らしをどうやっていくかという面からいっても、そこはおいおいちょっと時間の範囲でいろいろ伺わせていただこうと思いますが。

したがいまして、今急ぐのは、まずきちっとした補正を公共事業についてもやるんだよと。一・三兆切ったんですから、少なくとも一・三兆以上は国費ベースでいけばやらないと、これはきちっとした穴を埋めるといいますか、作業にならないな。要望としては、自民党は多分要請を、一・五兆円以上やってください、全体五兆円の中でと、こんな要請を党としては官邸の方に御要請したんじゃないかと思いますが。いずれにしても、オーダーとしてはそれ以上のものが国費ベースでは必要なんじゃないかと、私自身はそう思っています。

そんなことを考えながら、少し教えていただきたいといいますか、平成二十二年度あるいは二十一年度建設投資、これは見込みなんですね、民間投資も含めて、建設投資なるものが、多少適当にこんな感じかなというので、資料の二枚目にいろいろお話伺っている範囲でこんな見込みかなというのを出してみました。資料の二ですね。この辺は民間と公共を含めてどのぐらい、こんな感じでしょうかねということを池口副大臣、どうでしょう。

副大臣(池口修次君)

簡単にお答えしますけれども、その前に一言だけ。

私も最近、国土交通省に入省をさせていただきました。佐藤議員におきましては大先輩でございまして、大先輩の特段の御指導をいただけるということで感謝を申し上げたいというふうに思います。

今の件ですが、端的に言いまして、平成二十一年度の建設投資額は四十二兆一千七百億円でございます。これは政府と民間を合わせた数字です。必要であれば個別にお話をします。平成二十二年度の投資額は四十兆七千億円という見通しであります。

佐藤信秋君

ということで、このグラフにさせていただいている大体オーダーと、こういうことで理解していいんだと思いますが、そういう意味では、公共の方は実は二十一年度見込みが十七兆で、二十二年度見込みが十四兆、三兆も落ちている。民間が多少救ってくれて、だけれど、過去、昭和五十二年ぐらいの名目値で、五十二年に近いような数字になってきている。これ実は大変なことなんですね。結局、民間投資もある程度公共投資が、インフラ整備がきちっとするというような前提で立地したりしているところはたくさんありますから、これ相互作用みたいなところがあるんですね。公共投資進まない、インフラ整備進まない、危なっかしいところが危なっかしいままだ、それじゃちょっと立地できないわねというようなところがありますから、まあ住宅にしろですね。だから、公共投資が先導して民間投資を削っているかのようなところがあるんですね。これデフレスパイラルだと、こういうことになっていくわけです。

そこでなんです、いろいろな手当を出されるということで、子ども手当一・三兆円ですかね。あるいは戸別所得補償と、こういうことでありますが、経済を回していこうとすると、やっぱり内需を拡大する、そういう意味でも公共投資が果たす役割というのは、実は今までとそんなに変わってないだろうと。

以前よく公共事業の投資効果が薄れたよというような議論がありました。ありましたが、実際の数字で、これは内閣府のデータですが、乗数効果なんかを追っかけていって見ると、減税との比較を資料の六に入れていますけど、結局、公共投資の方が乗数効果は高いと、これはもう当たり前のことでありますね。投資に回して一だと、その投資を結局、経済回していくわけですから、片っ方、減税の場合には貯蓄に回る。こんなことを考えると、この乗数効果というのは、内閣府もいろいろ計算してみてもそんな変わりませんわいと、十年前とですね。

そういう意味では、そんな効果も含めて、今景気も下振れしてきているという認識がこの前の月例報告でも出ましたけど、こうしたことを踏まえながら補正なんかもお考えをいただきたいという追加資料でありますが、池口副大臣、いかがでしょう。

副大臣(池口修次君)

まず、乗数効果につきましては佐藤議員の提示している資料のとおりでございますので、やっぱり公共投資が後の経済に、GDPを押し上げる効果というのは、これは大きいというのはやっぱり事実だろうというふうに思っております。

これ以上は大臣がお答えになる範疇かと思いますが、それは我々も補正でもそういう認識の下に補正予算を作り上げたものだというふうに私は認識をしております。

佐藤信秋君

こうした状況の中で、ほか全体にも通じていることではあるんですが、デフレスパイラル。特に建設関係は自らの分も含めて、自らというのは政府の投資も含めて、言ってみれば地方政府も含めてですが、地方公共団体も、デフレを促進しているようなところがあるんですね。デフレを招いているというか、政策としてそうやりたいわけじゃないけどそうなってしまっている、公共調達の世界なんかはですね。安ければいいという考え方の首長さんさえもおられたりして、これは大変な状況ではあるんですね。

そこでなんですね、この状況というのを、このデフレスパイラル、建設産業関係におけるデフレスパイラル。これをどんなふうに止めるか。妙案がありましたら、なかなかないかもしれませんが、でも工夫はせないかぬですよね、工夫していかなきゃいけないんです。大臣、いかがでしょう。

国務大臣(馬淵澄夫君)

まず、全体的なボリュームが減る中で更に圧迫をすると、経営を、民間の建設業を圧迫するという中では、私どもとしてもいわゆる低入札の問題につきましては、これは基準価格を引き上げていくことが重要だと思っておりますし、あと、自治体においても予定価格の事前公表というのが、これが結構行われているんですが、これも私は、取りやめについての要請などもありますので、これは実効あるダンピング防止対策を引き続き行っていくべきであるというふうに考えております。さらには、下請の企業に対しての連鎖倒産防止という観点から推進月間、これは建設業取引適正化推進月間ということで新設をいたしまして、法令遵守意識の向上あるいは下請代金債権の保全、元請資金繰り等の金融支援策の強化などを行っているんですが、今申し上げたことは今日における対処策です。

ただ私は、今回拝命いたしまして三つの背骨の中にも書きましたが、そして今後の方針の中にも書きましたが、まさにその地域の再分配機能というものを再度見直すべきではないのかと。地域主権ということを民主党は訴えているわけです。地域の再生が図られなければならない。その核となるプレーヤーとして、実は建設業あるいは我々所管する産業の中の方々というのは非常に重要な役割を担うと思っておりまして、現行でも、先生御指摘のように、公共投資の比率がどんどん下がってきた。しかし、それでも他の様々な政策的経費から見ればこれは大変ボリュームのあるものです。これが、実態としては地方に隅々まで十分に行き渡っていないと。むしろ、そこに問題があるのではないかと私自身は問題意識を持っておりまして、改めて、大臣拝命いただいてから、地域におけるゼネコンあるいは建設産業に対するきめ細やかな再分配機能の構築というのはどのようにすべきかということ、これは現在、政策審議室を挙げて施策を考えよということで指示を出しております。

是非また皆様方のお知恵もお借りしたいというふうに思っておりますが、私自身もそういった問題意識を持って、このデフレスパイラル、食い止めるということの施策を率先して行わねばならないというふうに申し上げたいと思います。

佐藤信秋君

ということで、実はこの建設産業、特に地方の建設産業、非常に厳しい状況であって、まあ当たり前のことではあるんですが。

資料の三に利益率なんかも載せました。左の上の方のグラフですが、全産業の平均に比べて一%低いんですね。これは全体でですが、実はデータによっては、県単位で建設業の利益率、平均してみるとマイナスになっていますと、赤字の会社が半分以上なんですよという県が半分以上あるんですね。たしか三十三ぐらいの県は平均すると赤字なんですね。赤字の経営者、企業の数が六割とか七割とかというところが、ひどいところが出てきています。

実は、建設産業というのは非常にウエットな産業といいますか、ワークシェアリングしながら従業員をリストラせずにというところがあるんですね。ですから、本当は、今五百万人ぐらいが就業しているということでありますが、一兆円当たり十万人以上の年間雇用になるわけですよね。これが、この二、三年で総売上げでいえば十兆近く落ちてきているんで、だから単純にリストラしていこうとすると百万人ぐらい減っても仕方がないという産業ではあるんですが、ウエットなものですから、地方の雇用と暮らし支えると、こういう使命感持っている企業がたくさんいます。それで、にわかにリストラしませんと、その代わりワークシェアリングですねというような人たちがたくさんいます。経営者が何とか頑張っている。これは本当に、いや、もうしようがないよと、こうなったときには、数字からいけば百万人ぐらい失業者がすぐ出ると、こういう状態なんですね。

そこで、池口副大臣にお調べいただいていると思いますが、公共工事の設計労務単価、これ平均でいいますと、十年前といいますか平成九年ぐらいに比べて、全平均でいけば、大体みんな職種別にそんな感じですよね、三割ぐらい下がっていると思うんですね。その辺の実態はいかがでしょう。

副大臣(池口修次君)

まず、単価のデータからいいますと、平成九年には二万三千二百九十五円でございましたものが、平成二十二年では一万六千四百七十九円ということですから、まさしく三割下がっております。この三割下がった原因は何かということですが、ある意味、佐藤議員の言われたことに尽きるわけですが、資料二で書きましたように、公共投資額が公共、民間を通じて減少をしておると。

一方で、佐藤先生はワークシェアリングと言いまして、多分そういうことだろうというふうに思いますが、人が減っていないということになると、おのずから、賃金実態を反映するのがこの労務単価ですから触らざるを得ないということが大きな要因ですし、さらに、輪を掛けて仕事が少ない中でダンピングの分も一部あるわけですから、それも必然的に単価の低下要因になるというのは、議員が言っているのはそのとおりだろうというふうに私も認識をしております。

佐藤信秋君

実は、多分そうしたダンピングの影響、それからワークシェアリングしている分。実は、私はもう一つあるんだと思っているんです。

それは何かといいますと、労務単価の調べ方がちょっとおかしいんじゃないかな。実はこれ、ずっと私、問題意識として実は担当の人たちには言い続けていまして、もう十年も十五年もですけれどもね。実は、平成九年から三割下がったと。一万六千円でって、実は実働時間でいきますと、実稼働、屋外労働ですから、その時々の状況にももちろんよりますけれども、平均的には多分二百二十日ぐらいしか実稼働できないんじゃないかと思うんですね。だから、で、働いているときに幾らと、こう調べるわけですね。働いていないときどうなっているんだろう。一家四人を腕のいい大工さんや鉄筋を組み立てる人たちが養っていこうとして、三百万ちょっとでやれるわけないですよね。現実問題として、非常に安過ぎるからなかなか若い人が入らなくはなってきているんです。

ただし、この調べの中に、実は年間何日働いていますかねと、そして年俸ベースでいうとどのぐらいでしょうかねという部分を反映していないものですから、これが実は以前、十年ほど前の平成九年のころの単価と、設計労務単価と、当時は労働省だったでしょうかね、調べている屋外労務賃金調査とギャップがあるというんで、一時問題になったことがあるんですね。

実は、私は、そっち、その設計労務単価の方が正しかったんじゃないかと。経営者の皆さんに聞いてみていただくといいんですが、常雇用の人を雇っているときにやっぱり実働働いているのは二百二、三十日、雪国はもっと働けませんけれどもね。そして、それ以外の分として保障的に経費が二割とか三割とか実は掛かっていますと。その分はこの設計労務単価見ていないものですから、元々が、一年間働けるような前提でやっていますから、実はそういう経営者が本当に雇用している分というのの実額というものが年間ベースで本当は把握せにゃいかぬわけですが、これが把握されていないんですね。

調査に問題があるんじゃないかなと思うんで、これは是非改善してくださいとお願い申し上げているんですが、池口副大臣、いかがでしょう。

副大臣(池口修次君)

確かに、何日働くかというのは個人にとっての収入という面では非常に大きく影響するわけですので、そこら辺はもう少し勉強させていただきまして、今日の時点では、大変申し訳ないんですが、調べさせていただきたいというふうに思っております。

佐藤信秋君

ということで、随分と建設産業厳しい状況になってきていて、それは資料三に出させていただきました。倒産の中で大体、全倒産の中で二割から三割が建設業、こういうデータも出ています。

大臣、この倒産状況、多分、年末、年度末、このままだったら一層厳しくなっていくと思われるんですね。昨年、二十一年度の補正予算で実額ベースでいうと三兆から四兆ぐらい積めるかなと、こう思いましたが、政権交代で一部凍結されて、多分二兆円ぐらいでしょうか、積めたのが。だけど、それは繰越しも含めて、年度の、二十二年度の前半はある程度、手持ちの工事量もあったんですね。これからぺたっとなくなるんで、この建設産業、全然、県挙げて平均して赤字という県が三十三もあるような、そんな状況が改善されるどころか、この倒産の姿も実はどどっと増えてくるんじゃないかなと大変心配しています。

大臣、その辺いかがでしょう。

国務大臣(馬淵澄夫君)

御指摘のように、平成二十一年度補正予算の効果、これがそろそろ切れてくる状況ということで、大変先行き不透明感、これ増大しているというふうに私どもも認識しております。したがいまして、今般取りまとめた経済対策、これ極めて重要だと思っております。

昨年、私どもでも補正予算を組みましたが、その段階においては、ある意味、社会資本整備ということについては含まれなかった。もちろん、様々な形で我々も取組をしましたが、これは文言として明定されることはなかったんですね。今回、はっきりと社会資本整備と地域活性化ということで公共事業が示されました。これは、まさにそういった問題意識、危機意識から掲げたものでございまして、この経済対策というのも一つの柱として、あと下請の債権保全と資金繰り支援の強化ということで、これら危機をしっかりと乗り切る体制を構築してまいらねばならないと思っております。

そして、繰り返しになりますが、地域への再分配機能を果たすということをまずは役所全体の方針の中でしっかりと示したいというふうに思っております。

佐藤信秋君

補正やるにしても規模が問題だとさっきは申し上げましたが、できるだけしっかりした大型の補正になるようにお願いしておきます。

問題は、実は地方の建設産業、大変厳しい状況にあるというのは、入札契約もちょっときついですね。落札率と、こういう言葉は余り、私も余り使いたくはないんですが、八五%とか八〇%とか、で、一体全体と、こうなるんですが、基本的に、予定価格といいますかね、は一体全体どういうものだろうと。

実は、百円、まあ百円と計算したときですよ、百円以上は掛からないという価格なのか、標準的には百円でしょうと、いろんな段取りやいろいろやってみて、結果として最終的には平均的に、標準的に百円掛かるんですね、だから九十円で収まるときもあれば百十円で掛かるときもあるんですよ。どっちの価格でしょうか、池口副大臣。

副大臣(池口修次君)

今の質問は、予定価格というのがどういう金額なのかということで、この後いろいろな観点で議論がされると思いますが、まずはお答えするのは、予定価格というのは過去の取引の実例価格等に基づきということですから、過去の取引はいろいろなケースがあるわけですから、そういう意味でいえば、高いものも低いものがあり、平均値の価格というふうにとらえるべきだろうというふうに思っております。その中には、労務費、資材費、機械経費等、諸経費等の積み上げた上で、工事の標準的な価格として発注者が算出するというのが予定価格だというふうにとらえております。

佐藤信秋君

ということなんですね。標準価格、標準的な価格。それよりも実際掛かる場合も掛からない場合もある、平均がこのぐらい、こういうことだと思います。

資料五に、低入札調査基準価格の考え方の推移をちょっと並べさせていただいたんですが、これ御覧いただいても、国の工事の場合には、現状でいうと、二年間にわたってちょっとずつ上げて、八四、五%、低入札調査基準価格が。最低制限価格もそうすればいいわけですけど、県によっては九〇%ぐらいにしているところが十一、この段階では十一ぐらいでしょうかね、あると、こういうことなんですが、御覧いただくと、現場管理費〇・七、上げた後も限界が、一般管理費〇・三ですから、それで八五%ですと。この数字というのは安全性大丈夫かという数字なんですね、本来。しかも、一般管理費って本社経費ですから、本社経費、本当は大概の事業は諸経費として一〇%とか二〇%とかどうしても必要ですよね。〇・三と言っていることは、三%でやっていきましょうと、こういうことなんですね。それが八五%。元々これ自体無理なんですね。だから、いろんなところにしわ寄せが行くので、少なくともここのところは九〇%ぐらいに上げていかなきゃ安全な施工なんかできるようなオーダーでなくなりますよ、なくなっていますよということを次に申し上げたいんですね。是非この調査基準価格の引上げを御検討いただきたいと、これ要望しておきます。

それで、安全性にいろいろしわが寄っているじゃないかということを、労働災害の最近の実態を、わざわざ労働基準局長に来てもらって済みません、そこだけちょっとお答えください。

政府参考人(金子順一君)

労働災害によります死亡者数でございますけれども、昨年は実は千七十五人、全産業で、過去最少になりました。しかし、大変残念なことでございますが、今年に入りましてから増加に転じておりまして、今いろいろ御議論になっております建設業では、一月から八月までの速報値で見てみますと、十二人の増、五・七%、二百二十四人の方がお亡くなりになっていると、こういう現状にございます。

佐藤信秋君

ということでいろいろ、もちろん現場では施工に気を付けながらやっているとは思うんですが、この調査基準価格からいっても、現場管理費〇・七ですと、そういう考え方で八五%でもいいですと、こうなったら、どうしても競争の厳しい中で入札してどこかに、どこかに手抜かりが出ると、こういうのが今のような労働災害なんかにも現れ始めているんじゃないかなということが大変気になるものですから、是非、災害防止と安全な施工と、こういうような観点からもこの入札調査価格を上げてほしいと、こういうことであります。

そして同時に、予定価格というのは、さっき御説明いただいたように、しかしながら上限拘束なんですね。これ以下じゃ契約してあげませんと、こうなっているんですね。多分これ日本の、日本独特のものじゃないかと思うんですけれどもね。ほかの国は、アメリカなんかもそうですが、参考価格にしておいて、いや、どうしても掛かるというなら百五円でもしようがないですよ、こういうことなんですけど。だから、さっきのデフレにもなるんですね、高いのは認めないと。みんながこれより掛かると言っていても認めずに、それより安くなきゃ駄目と、こういうものですから、そういう意味では会計法の問題ではあるし、時間の掛かる議論かもしれませんが、予定価格の上限拘束というのは外さなきゃいけないかな、そう思うんですが、副大臣、どうでしょう。

副大臣(池口修次君)

予定価格の上限拘束性をなくすべきではないかという御意見なり御指摘ですが、現実、じゃ上限拘束性というのは何に基づいて決められているかというと、財務省が管轄しております会計法の中で、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とするという、法に基づいてこの上限拘束性というのが付いているというようなことでございます。

なぜそれを付けるかということでいいますと、ある意味、これは財務省の説明ですけれども、国の支出というのは国会の議決を受けた歳出予算でございますので、その範囲内で締結されないとある意味、予算をオーバーするわけですから、この上限拘束性は必要だというのが、国交省の整理ではなくて会計法上の整理だろうというふうに思っております。

じゃ、ほかの国も全部それでやっているかというと、確かに委員の説明がされたように、我々が調査したところによりますと、日本と韓国ぐらいかなというデータもあるというふうに思っております。

一挙にこの上限拘束性をなくすんだというのも一つの議論だと思いますけれども、現在の国交省の議論としては、やっぱり予定価格というのをもう少し適正な価格ということで改善をできないのかということを主に今考えているということでございます。

佐藤信秋君

是非そういう方向で、予定価格、上限拘束やめましょうよという方向で今後の検討をしていただきたいと思いますし、それから基準価格を上げていく、低入札調査のですね。この辺上げていかないと、さっき大臣おっしゃった、デフレに対してどうするかというようなことが、実は公共工事からデフレにしていると、労務単価も下がっている。だから、労務単価も上げてくださいよね、これ、ちゃんと調査して。これ、そういう調査のちょっと間違いがあるからと私自身は思っていまして、その辺、見直していただいてと思います。

それとあと、ごく簡単に一言だけ。総合評価をやっていただいているんですが、技術提案等をしっかりやっていかないと、さっきの労働災害、どうしても起こりがちになっているという面があるんじゃないかと思いますので、入札のときに総合評価、技術提案なんかをしっかりやっていくんだということを、副大臣、ちょっとどうでしょう、御決意。

副大臣(池口修次君)

安全を確保するための取組ということだと思いますが、総合評価落札方式ということで、技術評価も十分加えた中で、今落札を決めております。

特に、工事といってもいろいろ非常に安全上のリスクが伴う工事とそうでない工事というのも多分あるだろうというふうに思っておりまして、安全上に特に厳しいところについては、現場施工管理者の安全管理だとか作業員の安全対策ということに関する提案を出していただいて、それのウエートを高めるというような評価はしていくというふうに考えております。

佐藤信秋君

施工の安全の確保というのは、十分にひとつ更に意を用いていただいて、そして技術提案をしっかり生かしていくということを是非お願いしたいと思います。

金子局長、済みません、これで結構でございます。ありがとうございます。

次に、地方支分部局の話をちょっと伺いたいんですが、でも時間なくなってきましたので、ごく簡単に。

地方支分部局を廃止してくれと、こういうような議論があるのも確かですが、確かですがですね、知事会、市長会いろいろおっしゃっていますが、各論でいくと実は反対だという人の方がはるかに多いんですね、実は。本音はそうだと思うんですよ。特に市町村長の人たちあるいは議会の人たちは、そんな乱暴なことはとんでもないと。

そこでなんですね、そんなことをやっちゃいけないと私は思いますけど、ただ、各論として、短いトリップを担う国道であるとかあるいは同一県内で完結している河川であるとかは移管する、その一部を移管しましょうかという協議をしているはずですよね。まだなかなかまとまっていないと。まとまらないんですよね、これ、きっと。もう市町村長や議会、大反対ですから。知事も、自分が引き受けたいって本気でおっしゃる方は私、余りお会い、私に対してそうかもしれませんが、お会いしていません。

ただ、検討を始めた、その移管の検討状況なんか、進んでいるか進んでいないかだけ、ちょっと一言お答えください。

副大臣(池口修次君)

私の方で事実関係だけちょっと御報告をさせてもらいますが、国直轄の河川と道路の地方移管について、平成二十年の十月から都道府県や指定都市と個別協議を行っております。現時点の協議結果ですが、河川については、六水系に移管する方向でなっておりますし、さらに二十水系について、移管に向けて協議をしておるということでございます。

道路につきましては、二千五百二十一キロについては移管する方向で調整がされておりまして、今後、四千三百八十五キロについて引き続き協議をしていくということで、これはあらかた合意はされているんですが、じゃ現実、どう移管をするかということになりますと、ある意味、財源だとか人をどうするのかという取扱いがありまして、現実問題は、ある程度合意はできたけど、実際にどうするのかというところについてはまだ至っていないというのが実態でございます。

佐藤信秋君

余り大ざっぱな議論をせずに、そうやって個別にどのぐらい本当にできるかというようなことを着実に積み上げていって、それで、もちろん運輸局もそうですけどね、どういう業務なら移しても大丈夫そうかと。慎重にやっていかないと後戻りができないものですから、大変なことになる。これは、北海道局のお話も申し上げましたが。

結局のところ、ある程度、道州制みたいなものをにらみながら、国、地方政府、中央政府、地方政府、それから基礎的自治体とでも言えばいいんでしょうかね、そんなことをにらみながら考えていかないと、単純に移管するとか廃止するというような議論は多分、市町村長、県民、みんなが、いや、とんでもないという結果になろうかと思いますので、是非是非そこのところは現実を着実に見ながらやっていただきたいと思います。進めるという意味ではなくて、道州制みたいな議論をベースにして考えないとちょっと無理ですよ。

それと同じように、補助金の一括交付金化というのも、これは多分……

委員長(小泉昭男君)

佐藤君、ちょっと時間が経過していますので手短に。

佐藤信秋君

ああ、そうでした。ああ、そうでした。済みません。

時間になってしまいました。補助金の一括交付金化というのも、そういう意味では道州制等を前提にしながら中身を考えていかないと、いきなりというのは難しいと思いますので、これは、時間が来ましたので、要望になります。ちょっと考え違いしていました。済みません。

以上で質問を終わります。

 
 


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