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2011/10/6(木)
178回国会 東日本大震災復興特別委員会
平成23年10月7日 新潟日報


喚問で揺さぶれば復興阻害
3党協議 悩む自公

2011年度第3次補正予算案などを議論する民主、自民、公明の3党協議が始まった6日、参議院東日本震災復興特別委員会では、野田佳彦首相らが自民党の質問に踏み込んで答弁する姿勢をみせた。一方、3党協議では自公両党が求める小沢一郎元代表の証人喚問に応じず、硬軟両様の構え。喚問で政権に揺さぶりを掛けたい自公両党だが、対決姿勢を強めれば復興の足を引っ張ると批判を浴びる恐れがあり、ジレンマを抱えている。

6日の復興委。自民の佐藤信秋参院議員が「(震災対策を優先するため、全国で止まっていた)公共事業予算の5%留保をやめるべきだ」とただしたのに対し、安住淳財務相は「今週中に何とか解除したい」と答弁。地方への財政支援や高台への集団移転でも野田首相や閣僚が前向きに答弁し、野党から「おーっ」とどよめきが上がった。

野田首相は3次補正への協力についても「きょう幹事長が呼び掛けているが、ご理解をいただきたい」と述べ、3党協議への配慮をにじませた。佐藤氏は「野党の言うことを聞かなければ法案は通らない。3党協議もあり、踏み込んだ答弁になった」とみる。

ただ、民主党も譲歩一辺倒ではない。6日午後、国会内で開かれた3党幹事長・国会対策委員長会談で、民主党の輿石東幹事長は小沢元代表の証人喚問に消極的な姿勢に終始した。

3党協議にどう対応するかは自公共通の悩み。両党は証人喚問を倒閣の足掛かりにしたいが、復興に消極的と世論に取られれば、自らに批判が向きかねないからだ。

公明党の漆原良夫国対委員長は会談後、「3次補正の協議を人質にしないと、民主は証人喚問に応じないだろう。だがそれでは野党の負け」とした上で、証人喚問について「3次補正とは絡めず、民主党とわが党の主張のどちらが正しいか、国民に訴えていく」と話す。

自民党内でも意見が分かれる。長島忠美衆院議員は「3次補正は増税ありきの議論。抱きつかれるだけだ」と協議自体に反対する。一方、佐藤氏は「中身を聞き、判断していくべきだ」とし、協議入りを容認した。



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参院特別委論戦のポイント

参院東日本大震災復興特別委員会の論戦ポイントは次の通り。

【復興費】

岡崎トミ子氏(民主)  自治体の負担をどう考えるか。

平野達男復興対策担当相  特別交付金などを活用し、自治体負担に限界があることを念頭に制度設計する。

安住淳財務相  2011年度第3次補正予算案などで、自治体にまんべんなく財政支援できるよう万全の措置を講じる。

佐藤信秋氏(自民)  国で全額負担すべきだ。

復興相  特別交付税で措置することを考えたい。全額国費負担になる。全額国費となれば、自治体にはコスト意識を持ってもらわなければならない。

野田佳彦首相  1次補正予算の際に地方債で対応していただいた分も含め、3次補正で対応したい。

谷合正明氏(公明)  会計検査院が減額できると指摘した周辺地域整備資金を財源にすべきだ。

首相  よく精査して、使えるものは使っていきたい。

【税制措置】

小熊慎司氏(みんなの党)  被災地の税制優遇措置は検討しているか。

財務相  12年度の税制改正に向けできるものはやっていきたい。

大門実紀史氏(共産)  大企業に応分の負担を求めるべきだ。

首相  個人にも企業にも時限的に負担をお願いするのが、今回の増税措置だ。

亀井亜紀子氏(国民新)  財務省は震災を利用し増税に向け走っている。

首相  増税ありきとの話は当たらない。

【公共事業費】

佐藤氏  11年度予算での公共事業費、施設費の5%分の執行留保は撤回すべき。

財務相  今週にも、この留保を解除するよう努力したい。

【高台移転】

岡崎氏  住宅を高台移転する際の土地買い取り費用については。

前田武志国土交通相  いろいろな手法を使って地元負担が最小限になるようにしたい。

【最終処分場】

岩城光英氏(自民)  東京電力福島第1原発事故による汚染土壌の処分場所確保が問題だ。

細野豪志環境相  最終処分場は国がしっかりと責任を持ってやる。福島県を最終処分の場所にしないという菅前政権の方針を堅持すべきだ。

【復興庁】

岩城氏  復興庁創設でできる原発事故対応の部局は福島県に置くべきだ。

復興相  役割は被災者、避難者の支援と産業振興が中心だ。拠点は基本的には福島だと思う。

【食品検査】

吉田忠智氏(社民)  すべての食品の放射線量を測定し表示すべきだ。

環境相  できるなら全部調べたい。

【再生エネルギー】

岡崎氏  脱原発には再生可能エネルギー促進が重要だ。

首相  開発、普及を強力に推進する。規制はしっかり見直す。

【小沢氏初公判】

岩城氏  小沢一郎民主党元代表の「政治とカネ」問題に対する認識は。

首相  首相として個別の司法に関わることについてはコメントを控えたい。党所属議員が強制起訴されたことは極めて遺憾。裁判を通じてしっかりと説明責任を果たしていただきたい。

荒井広幸氏(新党改革)  小沢氏を国会招致すべきだ。党内融和による政権延命を図るのか。

首相  司法の動きが始まった時に妥当なのか、慎重に考えるべきだ。法廷の場で説明責任を果たしていただくことに尽きる。推移を見守りたい。今、申し上げていることで政権延命になるとは思わない。全く別だ。