>第190回国会 参議院 環境委員会 議事録(2)
2016年5月19日(木)
 

佐藤信秋君

ということなんですよね。温暖化していることは確実だろうと、その影響も温室効果ガスの影響が強いんだろうと、これは多分、定性的には大体そういうことだろうと。IPCCも言っているのは確実ですよと。ただ、国民に説明するときに、だからという、その何々だからという部分をもうちょっと分かるように、小学生向けの教科書なんかにも、教科書というかね、なんかにも、こういうことだからということが説明できるようにしてほしいと思うんですよね。その努力をしてほしい、せめて国内だけでもね、百年間だったら百年間。

実は、お手元の資料に雨の量をお出ししました。この雨の量というのは、一応百年ぐらいの統計はあると。日本中の五十一地点ですけど、五十一地点で、時には欠測したり場所が変わったりするのもあるけど、おおよそだから日本中をつかまえているということだけれど、これは実はグラフじゃ分からないだろうと。線引いただけじゃ分からない。だから、実は、単相関だけどね、本当に簡単な直線回帰して、またそれぞれの平均値と、それから分散、どのぐらいばらつくかというのをちょっと式にもしてもらったんですけどね。そうすると、私が簡単に言うときには、百年前は、雨は、それ見りゃ分かるけど、千六百六十ミリだけど簡単に言うときは千六百ミリ。プラスマイナス二百ミリ。この百年間で百ミリ減っているんです、雨は、千五百五十ミリになっているから。だけど、これは簡単に言うときは千五百ミリ。ただし、プラスマイナス、ぶれが多くなってきて、年間の、だから、プラスマイナス四百ミリ。千百ミリから千九百ミリまで、年間の平均ですよ、これ。だから、雨がたくさん降るときはたくさん降るけど、日本の場合、日照りになったというか、水が少ないときは極端にまた少なくなる。百年前に比べると随分ばらつきが多くなっている。雨の量が減っている、百ミリ減った。だけど、ばらつきが一・五倍になった。

だからどうすればいいかというと、私らがずっとやってきた世界でいうと、だからこそダムなんかでためておかないと、川だけ良くしても、堤防を強くしても、実は、じゃ、水ためられないから、日照りのときどうするんですかと、こういう議論になるわけ。それから、大雨が降ったら洪水になるけど、それに対してどう備えるかと。昔の統計では間に合わなくなってきている。百年確率、二百年確率とか言うけど、一度降ってしまうとその確率は半分にどっと減っちまうわけだからね。

だから、分かりやすいように、統計処理でも何でもいいけど、それでさっきの話の、国内ぐらいは、平均気温はこんなふうに変わっていますというのをね。大体、四国の、後で高知の例出すけど、高知で大体十五、六度、年間平均がですよ。ただし、もちろん冬も夏もあるわけだけど、それがどのぐらい変わっているか。で、日本全体はどうかと。そのぐらいは、気象庁と手を組んで統計処理して、ヒートアイランド現象をのけて、それでこういうことですよねというのを国民の皆様にちゃんと分かりやすく説明してくださいね。これはお願いしておきます。

次に、国際協力関係に行きますけれども、京都議定書で、排出権取引というんですかね、CDMでしたよね、CDM。これは大分費用も出して、それで排出権を買ったと。これ、どのぐらいの国費というか、国費ですよね、これ、を出して、それで何年間でどのぐらいのCO2の削減しよう、温室効果ガスの削減に寄与したかと。これが、じゃ、その寄与した分というのは、国内の排出量の、今の排出量ですよ、さっき言った、十四億八百万トンか、直近で、そういうのにはカウントされているのか、されていないのか、その辺を教えてください。

佐藤信秋

政府参考人(梶原成元君)

今おっしゃられたのは、排出量取引とかあるいはCDMといった京都メカニズムを使って、京都議定書の第一約束期間五年間の分でございますけれども、に使ったということでございます。実際には、二〇〇六年から二〇一三年までの八年間掛かって取得をしておりまして、取得した量は九千七百四十九万トンのクレジットでございます。

そして、この取得に要しました国費でございますが、千六百六十億円でございます。そして、このクレジットの量を一年分当たりの、これ五年間分でございますから、さらにこの五年に割って、そして一九九〇年度の目標年度の数字で割りますと、一・六%をこれで対応したということでございます。直近の二〇一四年度の排出量に比べますと、約一・四%の部分に相当いたします。

佐藤信秋君

それは、今さっき言った十四億八百万トンか、これの外側の数字ですよね。これからもずっと引けるわけじゃないですよね。

市田先生からこの前いただいたお話、さっき大臣も、国内でとにかく頑張れよと、こういうお話をなさっておられる。国内で二六%というのは達成するんだということをしっかりとやって、これはお願いですけど、これから先の議論になってくる。国内でやるんだと、海外への貢献というのは、それはそれで別途にきちっと日本はやっていきますと、こういうあれが必要だと思うんですよね、決意がね、是非そこはよろしくお願いしたいと。これはお願いですから答えは要りません。

COP21で国際的温暖化対策への資金支援、今一兆円で、これ一・三兆に二〇二〇年ですか、増やすと、こう約束していただきましたので、これの内訳、二〇二〇年の方はまあこれから先の話だから、現在の約一兆円というのがどういう内訳になっているか、教えてください。

政府参考人(竹若敬三君)

お答え申し上げます。

御指摘ございましたとおり、昨年のCOP21首脳会合におきまして、安倍総理から、二〇二〇年に官民合わせて年間約一兆三千億円の気候変動分野における途上国支援を実施することを表明いたしました。この一兆三千億円の途上国支援の具体的内容につきましては、今後、二〇二〇年に向けて検討を進めていくことになっております。

日本としましては、これまで、例えば地熱発電、都市鉄道、防災インフラ、水確保といった分野を得意分野として支援を進めてきております。これが先ほど御指摘のありました年間約一兆円ということにつながっております。このようなこれまでの支援の実績を踏まえまして、具体的な支援の内容について検討していく所存でございます。

佐藤信秋君

佐藤信秋

というので、答えてもらおうかと思ったんだけど、一兆の内訳としてODAが大部分ですかね、七千億ぐらいがODAかな、でしょう。そのうちの六千億ぐらいが有償資金ですよね。有償資金という意味で、私は、だから今の日本の低金利状態というかマイナス金利状態からいえば、政策投資を動員して、それで、まあ本当は最終的には返さなくてもいいとは言わないけれど、利子が付かないというのなら外国も返しやすいですわね。だから、こういうときにこそ貢献資金を、無償がいいんだけれど、だけど無償というわけには、だけにはいかないわね、国の予算は。だから、有償資金でいいから、ただし金利なしで三十年とか二十年とか、今国内でもそれに近いことやっているわけだから、AIIBに貸し負けせずにと言えばいいのかな、しっかりとそういう条件を良くして、そして返済なんかの条件も良くして、できるだけ日本の技術も含めて資金貢献をしていくと、技術貢献もしていくと、こういうことを是非しっかりやっていただきたいと思います。答えは要りません。

あと、次に地方の計画関係に移ります。

温暖化対策の地方の実行計画というのは随分と、市区町村でも、十万人以下の、未満の市区町村でも随分やっています、一生懸命。千二百ぐらいある十万人以下の市区町村の中で三百超えていますよね。おととしの十月現在で三百三十六だったから、もうちょっと増えているんだと思います。すごい努力しているんですよ。ここに持ってきたけど、二つね。一つの町でこんなぐらいの分厚い、中身がないかといえばあるんですよ、しっかりと。中身のある計画を一生懸命作っている。一生懸命作っているそこの支援はまたお願いしたいと思いますが。

せっかくだからというので、高知の檮原町というところと、それから四万十町と、これ庁舎を、庁舎の写真だけ、これ木材で地元産のスギとかヒノキ使うわけですね。パネルにして、もちろん骨組みは鉄骨ですよ、パネルにしておいて悪くなってきたらいつでも取り替えられる、リサイクルというか、できると。地元産の、地元の森林、大体九〇%が森林ですよ。森林の整備にも活用していくと、こういう努力もしていると。檮原町なんかでは早くから風力、太陽光、地中熱、それから、地中熱はどう使うかというと、庁舎の冷暖房なんかに使ったり、それから小水力、バイオマスを使って、発電までは行っていないけど、暖房とかそんなことをやっていると。

地方の努力というのが、今でもこれだけ、別にそんな全部の市町村までそろうのはなかなか難しいと思いますが、本気で取り組んでいるんですね、長いこと、本気で取り組んでいる。こんなに分厚い計画書を作って、そして、それを実行しようというので様々な努力をしている。こういうことに対して、地方で計画が作りやすいようにどういうふうに支援していくかと、森林整備なんかも本当にやっていって吸収源対策やっていかなきゃいけない。

ついでに申し上げておくと、こういう木造の庁舎とか、それから、柱、歩道橋なんかでもやったりしていますけれども、身近なところではガードレールなんか、あれ、強度の要らないところが結構ある、強度の要らないのが。大体三割ぐらいは強度が要らない。乱横断を防止するというだけの役割とか転落防止の役割とか、そういうのは間伐材でそのまま埋めて、処理せずに入れて、間伐材、まあ十年も来たら腐ってくるから、それをまた入れ替えると、そんなこともやったらどうだというようなことを、これは、私が昔、いろんな基準を直してそういうことができるようにはさせたので、目に付いたら、あの辺はもう間伐材にしたらいいんじゃないかということを環境省もお勧めしてほしいと思いますが。  まず、地方の実行計画をちゃんとやっていくというのに、国としてどうやって策定、実行、促進やるか、これは参考人。

政府参考人(三好信俊君)

お答え申し上げます。

今回の温暖化対策推進法の改正の中でも、地方団体が策定していただきます実行計画についてその取組を強化してまいりたいということでお願いをさせていただいているところでございます。

先生御指摘のとおり、地域資源の活用は地球温暖化対策の観点から有効ということでございまして、例えば地方公共団体による再生可能エネルギー資源の持続可能な活用の仕組みづくりなどを期待させていただいているところでございます。

環境省といたしましては、今年度に地方公共団体向けの地方公共団体実行計画策定マニュアルを全面改定する予定でございます。その際には、これも先生御指摘をいただきました木材のような地域で得られる資源、あるいはまた太陽光エネルギーというようなものもございますけれども、そういうもの、優良事例、先進事例を踏まえまして、効果的な取組方法などを盛り込みまして、全国の地方公共団体に発信してまいりたいというふうに考えております。

加えまして、予算をいただいておりまして、先進的な省エネ設備の導入補助でございますとかモデル的な再生可能エネルギー導入事業への補助といった取組も進めてまいりたいというふうに考えておりまして、そのような取組を通じまして先進的な取組を行う地方公共団体への個別的な支援も強力に推進してまいりたいと考えているところでございます。

佐藤信秋君

というので、具体的にどうするかというのは積み上げていかなきゃいけないでしょうけれど、よく分からぬな、その言っていること自体はね。

これは、平口副大臣、きちっと推進しますと、特に地元の市町村、小さい市町村なんか一生懸命取り組んでいるので、そういうところをしっかり環境省から必要な助力しながらやっていくと、決意を一言お願いします。

副大臣(平口洋君)

お答えいたします。

先日閣議決定された地球温暖化計画においては、地方公共団体に対して、再生可能エネルギーの最大限の導入、活用とともに徹底した省エネルギーの推進を図ることを目指すよう求めているところでございます。

環境省としましては、地方公共団体が地産地消の形でモデル的な再生可能エネルギーの導入事業に取り組む場合や先進的な省エネルギー設備を公共施設に導入しようとする場合に、その費用を補助する制度を今年度から開始しております。

こういったような事業を通じて、特に意欲的で先進的な市町村の取組を支援し、水平展開を促すことにより、全国的な再生可能エネルギーの導入拡大や徹底した省エネルギーの促進にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。

佐藤信秋君

時間がなくなったので答えはこの部分要りませんけれども、これ、以前から随分取り組んでいて今もしっかりやっていますと、もちろん計画作りも含めてというようなところは、環境大臣表彰か総理大臣表彰かどっちか、総理大臣がいいかな、環境大臣の方が喜ぶかもしれませんね、というのを是非やっていただきたいと思います。

最後の質問になります。

県全体で見てあるいは市町村全体で見て、エネルギーの収支、発電立地県、原発にしろ水力にしろ発電立地県はエネルギーたくさん生み出すけれど、使う量は自分で使う量よりははるかに少ないですよね。それで、大都会はどっちかといえばエネルギーは消費する方。

そういうプラスマイナスを測って、そして本当は所得の移転でもやればいいんだろうけれど、そこまで言うとまた答えづらくなるだろうから、基本はそういう方向も考えていただくことにして、そういうエネルギー全体であるいはCO2全体で、温暖化ガス全体で、エネルギーを賄っている県、使っている県、地方、それからCO2を吸収するのを一生懸命やっているところ、そうでないところ、排出する方、そういうプラスマイナスをせっかく計画ができてきたら比較して、それで、そういう使っているところがエネルギー作ってくれているところに連携すると、まずは。そういうことを、環境省も一生懸命音頭を取って連携してくださいという、まあ連携だけじゃないんだけれど、そこまでは言わないから、まずはしっかりとしたそういう連携をするということを是非お進めいただきたいと思います。

これは、福島の残念ながら事故が起きたときに、東京の都知事が、石原慎太郎さんでしたけど、石原慎太郎さんがどうしてもすぐに福島に行きたいと。これまで東京がいろんなエネルギー使ってきたけど、それは福島の原子力発電所のおかげでやってきたんだというので、三月の二十五日か六日にどうしても行きたいというので、私も仲介したりしたこともありましたけれど。

そういう意味で、どうやって連携をより良く保っていってもらうかという点について、具体的な行動をこれからやるということをおっしゃってください。

政府参考人(三好信俊君)

お答え申し上げます。

先生御指摘のとおり、地球温暖化対策、地域間の連携の強化は重要でございまして、特に電力の大消費地に属する地方公共団体とそれから再生可能エネルギーの供給等を行っていただいております地方公共団体の間では、その連携を検討する動きも具体的に出てきております。

私ども環境省といたしましても、そのような地域間の連携を具体的にどのように強化していくのかということにつきまして、更に一層地方公共団体とともに検討を進め、その促進策を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

佐藤信秋君

時間が参りましたので終わりますが、お願い事が多かったですけど、大臣、副大臣、よろしくお願いします、政務官も。

ありがとうございました。