第193回国会 参議院 環境委員会 議事録(2)
2017年6月8日(木)
 

佐藤信秋君

ちょっと細かい話になるからこれ以上は聞きませんが、ずっとフォローが自治体の側でどこまでできるかと、こういう問題を聞いたわけでありますが。

そこで、費用が掛かりますわね、その電子媒体を使う人たちでそれぞれ、自治体も含めてですよ。それはどのぐらいの費用が掛かるんでしょうかね。

政府参考人(中井徳太郎君)

お答え申し上げます。

各業者が電子マニフェストデータの送受信に掛かる費用といたしましては、パソコン、インターネットの接続費用はもちろんございますが、それ以外に、電子マニフェストの利用料金というものがございます。この利用料金は、情報処理センターの運営に必要な費用に充てるものでございまして、電子マニフェストを利用する排出事業者、収集運搬業者、処分業者の三者が負担しておるものでございます。

排出事業者の料金といたしましては、年間基本料が二万五千九百二十円、登録一件当たりの使用料が十・八円となっておりますが、登録件数の少ない事業者につきましては、年間基本料千九百四十四円、ただし団体加入の場合には無料に抑えておりまして、登録一件当たりの使用料を二十一・六円とするという料金区分がございます。

また、収集運搬業者及び処分業者の料金につきましては、年間基本料が一万二千九百六十円のみとなってございますが、処分業者が中間処理後に産業廃棄物を更に委託処理を行う場合には、二次マニフェストを発行するということになりますので、排出事業者と同様に登録一件当たりの使用料等が追加で必要となります。

なお、御指摘の自治体につきましては、マニフェスト情報の監視業務のみにシステムを利用する場合は無料でございますが、自治体が自ら産業廃棄物を排出する場合には排出事業者と同様の費用負担が必要になるというものでございます。

佐藤信秋君

分かりました。

その費用の低減といいますか充実、センターの充実と、費用も安くしていってあげると。だから、費用を安くしながら、五十トン以下じゃなくて、みんなが入りなさいと、範囲も広げると、こういうことを考えておられるんだろうけれども、やっていただかなくちゃいけないということをお願いしておきます。

次に、有害廃棄物の方ですが、雑品スクラップ、雑品スクラップというのはどうも定義がこれですよというのはないというふうに参考人質疑のときに伺いました。問題は、じゃ、有害使用済機器というのはどういう機器にするのかと、使用済みをどう判断するかと。これがこれからの議論なわけですね。その辺はどんな考えで今は整理しておられるのか伺います。

佐藤信秋

政府参考人(中井徳太郎君)

お答え申し上げます。

近年、使用済みの電気電子機器、雑品スクラップというような形で、スクラップヤードにおいて破砕等がなされ海外に輸出されておりまして、国内外で環境汚染が懸念されているところへ今回対応しようというものでございます。

今般の改正法におきましては、これらの使用済電気電子機器の保管処分につきまして、生活環境保全を図る観点から、廃棄物処理法によりまして、有害使用済機器として一定の規制の対象にするものでございます。この有害使用済機器といたしましては、使用が終了し収集された電気電子機器を定めるということを想定しておりまして、具体的には、雑品スクラップの流通や電気電子機器に含まれる有害物質の実態等を踏まえつつ、テレビや冷蔵庫、エアコンを始めとする電気電子機器を個別具体の品目ごとに指定することとしております。

佐藤信秋君

少しはっきりしないんだけれども、家電リサイクルの四品目とそれから小型家電二十八品目かな、それは全部対象にすると、その中で、使われたと、いやいやもう使わないよというものを対象にしてということなのかなというふうに思いますが、それはそのほかにもあると、あるいは、その中でも外れるものがあるということになるのかどうかこれから検討だということをおっしゃっているんだろうと思いますが、これ以上は伺いませんが。

使用済みという概念でいえば、電気通したら電気がつながりますねとか、いや、だけど、電気がつながって動くけれども、動き方がちょっとおかしいよ、機能全部は満たしていないよとか、そこまで検査すれば分かりやすいんでしょうけれど、普通はそこまではしないんでしょうね、手間の問題もあるし。

これは実は、やっぱり家庭の問題でいうと、家庭から出すそういう小型家電や大型、まあ大型の家電か家電四品目なんかを出すときに、これは家庭のごみで、さあどうやって出そうかというときに、今の処理はこんな感じかというのでまとめていただいたのが資料の三ですよね。二十七年度でいえば、出荷は二千万台あるけど、ここから、これは家電四品目ですけど、出荷は二千百万台あるけど、排出される方は千八百万台だと。このうち、不用品回収業者四百八十一万台。さらに、一番右の方にいくと、海外スクラップで出るものが五百五十六万台。この五百五十六万台がリユースで使われる。

いや、そうじゃなくて、リユースで使われるのは構わないかと。しかし、そうじゃなくて、それこそ潰された、スクラップにされて、それでその中から海外で有価のものを取り出すと、そこの部分が問題だと。だから、そこをきちっと国内で整理しておこうと、こういう趣旨が一つ入っているんだと思いますよね。

そうだとすると、実は、この現状からいくと、不用品回収業者による引取りというのが随分多いですよね、今は。今は多い。実際便利かもしれません。使えるけれど、うちじゃ使わないからもう出しましょうと。リユースショップというか、引取り先にまで持っていくのも大変と。お金も掛かるかもしれないと。

佐藤信秋

そうすると、そういう状況を、実はこれ、市町村で処理の仕方が多少違いますわね。ある日を決めて引き取りますよとか、大型家電は家電四品目のリサイクルに回してくださいと、こうなるんでしょうけど、でも、それでも、売った業者に処理してもらってくださいというのは、十年も十五年もたつとこれなかなか難しいところがありますわね。それから、まだ使えるかどうかって、使用済みかどうかって、それを自分で判断しろといったって、家の方じゃ、一般の家庭ではなかなか判断しづらいところありますよね。

そうすると、一般家庭の話でいえば、どんなふうな処理をふだん、ごみの問題は処理していけばいいかと。今のやり方をもうちょっと便利にしてほしいとか、もう少しやりやすくしてほしいとかいう市町村や自治体もある、住民もいるかもしれませんし、いや、今ので十分なんだ、よくよくやってもらっているよと、だから、この不用品回収業と言われる人たちのところには、あるいはほとんど出す人がいなくて回らないとか、そもそも。市町村によって随分違いが多分あるんですよね、これ。同じ東京の中でも、多分二十三区の中でもいろんなやり方をしているんだと思います。

そういう意味では、方向性はこうですよと、まずはちゃんと仕分して出してくださいと、こんなふうに処理してくださいということではあるんでしょうが、本当は、だから、家庭にとっては、一般廃棄物の場合、こんなふうな、廃棄物全体をこんなふうに処理していくのが環境のためでもあり、またやりやすいんですよと。そういうところがうまくいっているような自治体、住民との間でですよね、これ、時間の掛かる問題ですから。

そういうところはちゃんと、モデル的に、こんなふうな分類になっていて、それぞれやり取りがこうなっていますと、そういうところをモデル的に紹介するとか。

あるいは、大臣がその両方の意見聞いて、それは市町村長さんだけではなくて、うちはこんなによくやっていると、だけど、住んでいる人たちは、いや、これじゃ、もうちょっとこういうところが不便なんだと、あるいは、こんなに労力が掛かるけどみんなが協力しているよと、そんなところを幾つか分析してというか、そして、お勧めはこういう方法ですよと表彰するようなこともやった方がええのかなと。

いろんなケースがどうもあります、市町村によって。そんなところを大臣表彰やってくださいと、こういうことを検討してみませんかと、モデル例を挙げて、そして、こういうふうにやるのがお勧めですから、表彰させてくださいと、そんなことを考えていただいたらいいかなと思いますが、いかがでしょうかね。

大臣政務官(井林辰憲君)

お答え申し上げます。

御指摘のように、廃棄物の適正処理を進める上で、地域生活に密着した地方公共団体の果たす役割は極めて大きいというふうに考えております。このため、環境省では、循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰の中で、廃棄物の収集、運搬や処分に顕著な功績があった地方公共団体職員等も対象として表彰しているところでございます。また、民間の団体も表彰してございまして、例えば平成二十四年には新潟県の日本アクシィーズが表彰されているところでございます。

また、一般処理におきまして、市町村等の先進的な取組につきましては、焼却施設の余熱等利用に関するモデル事業への補助ですとか他の地方公共団体への紹介なども行っておりまして、例えば最近では、廃棄物系のバイオマス利活用導入マニュアルのメタンガス化導入事例などといたしまして、新潟県長岡市などの事例も紹介しているところでございます。

井林辰憲大臣

佐藤信秋君

ごめんなさいね、新潟の宣伝をしていただいて、ありがとうございます。

大臣表彰という形で大いに方向性を示すと、示すというか、こういうところがいいんですよというお勧めをしていくということが大事だと思います。

そこで、次の特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法改正に関する質問に入ります。時間もなくなったので、ちょっと簡単にやりますが、これ、輸出承認で、特定有害廃棄物と、こう言っているということですが、この特定有害廃棄物というのはどんなことを考えているんでしたっけかね。

政府参考人(中井徳太郎君)

お答え申し上げます。

我が国から使用済電気電子機器を含む雑多な混合物、いわゆる雑品スクラップがバーゼル法の手続を経ずに不適正輸出されているとの指摘がございます。今般のバーゼル法改正によりまして、特定有害廃棄物等の範囲につきましては、雑品スクラップのような使用済電気電子機器を含む混合物についても法の規制対象として明確化することを想定しております。

佐藤信秋君

これ、特別管理廃棄物とかいうのがあるけど、それとはまた別なんだね。

政府参考人(中井徳太郎君)

バーゼル法と廃棄物処理法、法律体系が別になってございまして、特別管理廃棄物の方は廃棄物処理法の有害という概念でございまして、バーゼル法はバーゼル法ということで、特定有害廃棄物という概念の中で整理するものでございます。

佐藤信秋君

ということであれば、定義そのものをしっかりしていただいて、こう並べ上げてやっていただかないとだんだんこんがらがっていくという問題があると思いますので、よろしくお願いします。

輸出先の環境汚染防止措置を環境大臣が確認するということですが、どんな事項をチェックして、それで、これ現地で確認でするんですよね。現地確認するということになると、よく分かった職員が行ってと、こういうことになるんだと思いますけど、事項としてはどんなことをチェックしてくるんでしょうかね。

副大臣(伊藤忠彦君)

お答えを申し上げます。

環境大臣が確認をする環境汚染防止措置といたしましては、具体的には、処理施設の構造や排ガス、排水対策等の環境保全対策、輸出先での環境関連の規制の遵守状況を確認するということを想定をいたしております。これらの事項については、輸出者に書類を提出していただきまして、十分な対策がなされているかどうかをまず確認をさせていただきます。さらに、必要に応じまして現地調査や輸出先国の政府当局への確認を適宜実施をすることによりまして、実効性の確保に努めてまいるところでございます。

佐藤信秋君

外国まで行ってですからなかなか大変な作業になるんだとは思いますが、どんどん行くようになったら人員もまたいろいろ養成も考えていかなきゃいけない。副大臣、先頭になって海外へちゃんと見てきていただくと、こういうことが大事だと思いますが。

一方で、今度は輸入の方ですよね、輸入は、認定輸入業者が特定有害廃棄物等を輸入する際は、再生利用等のために輸入する際は、輸入承認は不要だと、こう言っていますが、これは主として説明、鉛蓄電池なんかの話でしたかね。そうすると、それは資源として使うと、国内でも外国でもそうだと、じゃ、どんどん輸入して資源を有効に生かしていこうと。ただ、これ日数が今まで随分掛かっていたと。これは随分短縮すると、こういうふうにも伺っていますが、どのぐらいの日数掛かっていたものがどのぐらい短縮できるのか、簡潔にひとつお願いします。

政府参考人(中井徳太郎君)

今回のバーゼル法の見直しによりまして、東南アジア等のOECD非加盟国からの廃電子基板等の輸入につきまして、約六か月を要していた輸入手続が約一日から二日間に大幅に短縮され、諸外国との競争上の不利が解消されるものと見込んでおります。

また、事業者の認定制度の創設によりまして、電気炉ダストなどの比較的有害性の高いものの輸入につきましても、約六か月を要していた輸入手続が約二か月に短縮化されるものと見込んでおります。

佐藤信秋君

輸出輸入共に、輸出の方はきちっとしたものを出していくと、輸入の方は一定のものはとにかく買い負けしないように、日本の産業がですね、ということだと理解します。しっかりやっていただければと思います。

最後に、福島の環境再生事務所、これは時間も来ましたので要望にしておきますが、六百人ぐらいいるんですかね、定員がですね。六百人の事務所というのは大変大きな事務所ですし、これ、ガバナビリティーという面でいうと、ちょっと不祥事がこの前残念ながらありましたけれども、ガバナビリティーという面では六百人に目の届くという組織体制しっかりしていかないといけませんわね、これね。

そういう意味では、役人の世界でいえば、一番トップの方は指定職になっていただいて、指定職の方に、そしてそれぞれ役割分担しっかりできるような組織体系にしていっていただかなきゃいけない。今は指定職の方というわけに、指定職の充て先というわけにはいっていないように聞いていますが、やるとしてもね、やっぱりできるだけ早く体制を整えるということをお願い申し上げたいと思います。

時間が来ましたので、大臣、環境を随分長いことやってこられて、特に福島の問題はこうして差し迫った問題ではありますが、この廃棄物の処理法、廃掃法、これ家庭と随分結び付くし、それから今度は国外への、御迷惑を掛けずに、しかしながら日本もどんどんいいものは輸入して、製品としてというか、これは国際貢献にもなりますわね、そういう趣旨で今回一生懸命まとめられたと思うんですが、これからのしっかりやってくという大臣の決意を伺って終わりにしたいと思いますが、どうぞお願いします。

国務大臣(山本公一君)

佐藤委員に有り難いお言葉をいただきました。

環境行政といいますか、廃棄物行政というのは、明治四十三年に汚物清掃法というのができて以来、度々法改正をやってまいりました。つまり、廃棄物の概念が時代とともに変わってきたのがその一因だろうというふうに私は理解をいたしております。

今回の法改正も、まさにこの時代に合った廃棄物の対処の仕方ということで法改正を行うわけでございまして、それに沿って私ども環境行政を進めてまいりたいなと思っております。

ありがとうございました。

山本公一大臣

佐藤信秋君

ということで、しっかり大臣先頭にお取り組みいただくという決意の表れがこの三法案だと、こう理解いたします。

終わります。