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2011/6/10(金)
インタビュー記事
平成23年6月10日 建設通信新聞



【震災対応】
国が責任と費用持て
【復旧復興】
担い手は地元建設業







東日本大震災発災から11日で3カ月が経過する。しかし、国の復興基本法案も大詰めとはいえ、いまだ成立していない。被災地では、地元建設業が貢献する震災がれき撤去、応急仮設住宅、被災者生活・企業の再建が進まない地域も多く、本格復旧から復興への道筋も見えない。国、被災県、被災基礎自治体になにが必要なのか。復旧・復興に対して、建設業界はどうあるべきか。自民党の三度にわたる提言でも、自治体負担という制度上の問題解決と震災がれきや津波堆積物(ヘドロ)対策を主張してきた、佐藤信秋参議院議員に聞いた。

佐藤議員は発災直後から、自車にガソリン携行缶を積んで、これまでに十数回、被災地を回り、首長、地元経済界、地元建設業界との意見交換をもとに、がれき処理、ヘドロ対策、被災地自治体の財源手当などの問題解決を自民党提言に反映させた。

こうした経緯を踏まえ、今後一番必要なことを「国が責任も費用も持つ、という強いメセージだ」と断言する。

「県が行う災害救助事業の仮設住宅、市町村が行う災害廃棄物処理事業によるがれき処理。しかし委任もできるため、県と市町村が”見合って 見合って”の話になってしまう」ことが理由だ。

佐藤議員が「見合って 見合って」と、相撲の土俵立ち合いを例にした、被災県と被災基礎自治体との関係は、1兆7000億円の災害復旧事業、4000億円程度の仮設住宅などの災害救助事業や、4200億円程度のがれき処理の災害廃棄物処理事業などで、将来的には普通交付税や特別交付税などで措置されるとはいえ、一次的に地方負担分が県、市町村に発生することが背景にある。

県債、市債など起債し地方負担分を賄わなければならない現行制度の問題を佐藤議員は、「災害査定で現実にどの程度配分されるか分からない。ましてや今後のさらに必要な額も含め自治体は自らの負担額がどのくらいになるか分からないことも自治体を不安にさせ ている」と指摘した。

今後の復旧・復興へ向けた国、県、自治体の役割については、「国が責任と費用を持つなかで、復興を行うベースは基礎自治体。自治体が地域事情にあった実行プランをつくる中で、県が市町村と国をつなぐ役割を果たすことも大事だ。また市町村の機能が足りない時は、国の人材・組織的支援も必要になる」とした。

また、自民党内でも先頭を切って現状把握と対策問題に取り組んでいる、田園地帯を覆い尽くすヘドロ対策について佐藤議員は、「環境省がいまだにできていない全体量の把握が、まず必要」と強調。「除塩で済む場所と土の入れ替えまで必要なケースもある」ことを理由に挙げた。

一方、復旧・復興の建設工事の担い手として、「地元建設業が柱になるべき」と断言。現在、復旧の障壁になっている震災がれきの処理についても、「大急ぎでしなければならない問題。そのためには、随意契約や指名競争など迅速な契約が必要」と主張する。

喫緊に地元建設業が担うべき役割として、「仮設住宅も在来工法でつくれる。地元建設業はその担い手だ」とした。

一部自治体のがれき処理で全国ゼネコンを公募する動きがあることについては、「実際の工事を担うのは地元建設業で、全国ゼネコンもマネジメント的な役割を考えているのではないか」との見方を示した。

全国ゼネコンが協力企業として参加している、福島原発事故への対応について佐藤議員は、「いまだきちんと契約を交わしていないとの話もある。原発事故対応では今後、熱中症対策も必要だ。東電はこうしたことも踏まえ、適正で適切な支払いをしてほしい」とした。

今後の2次補正予算をめぐる議論については、「被災地の復旧・復興を急ぐための手当は当然」と前置きした上で、「西日本を含め各地の景気は悪化している。今回の震災を教訓に防災、津波対策、インフラの老朽化対応などを全国的に行わなければならない。そのためには2次補正にとどまらず、さらなる補正予算編成が必要だ」と話す。




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