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2013/2/15(金)
新聞記事
平成25年2月14日 西日本建設新聞



業界の展望(下)
佐藤 信秋参議に聞く

経営環境構築
所得や地位の向上図る







業界には、今回の政権交代の機会を逃すと、この先、建設産業が産業として成り立たなくなるという危機感がある。そのような中、今こそ求められる建設業の経営環境の構築とは何か。

◇   ◇

昨年7月の九州北部豪雨発生後、熊本の災害現場をすぐ視察したが、地元の建設業は先頭に立って復旧にあたっていた。他方、防災のための民間建築物の耐震化も地元の建設業が担っている。このように、地域の建設業は、雇用を守り経済を支える、そして何より災害からふるさとを守っている。地域の建設業が持続的に頑張ることができる経営環境の下地を整えることが私の役目だ。

その一つとして、働いている皆さんの所得や地位の向上を図っていく。熊本では、大学の建設関連学科が減少したという話しも聞く。若者に魅力ある産業とするためにも、「誇りの持てる仕事」「生計が立てられる仕事」をメッセージとして様々な環境づくりを行いたい。

具体的には、給料に関わる設計労務単価問題だ。この10年で3割下がった。他にここまで減った産業はない。

今年度は法定福利費に対するペナルティ制度を打ち出したが、そうであるならば法定福利費を労務単価にかさ上げすべき。労務単価の引き上げはこれからも主張していく。

低入札調査基準価格の引き上げによるダンピング受注対策も引き続き作業を進める。私が政治家になっておよそ6年になるが、この間、需給のギャップが酷くなりダンピング競争が表れてきて、これでは良い仕事ができないとずっと問題意識を持ち続けてきた。

結果、3回の引き上げをし、平成20年当時、予定価格の70%程度だった調査基準価格は、現在、86%程度になった。ただ、健全な経営の維持を考えた時、この比率はまだまだ不十分だと思う。

今後は、概ね90%とし、私自身は、出来れば4月からの引き上げに乗り出したいと思っている。工夫をすれば利益が残せる公共工事へと変えることが大事だ。

私は、長期的、継続的な公共投資を見通し、強くしなやかな国土をつくっていく。それには建設産業はもちろん、国民全体で「防災で国を立てたい」というアクションも必要。熊本のあるべき姿を描きながら努力していきたい。〈おわり〉