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2013/6/25(火)
新聞記事
平成25年6月24日 建設通信新聞



国交省・検討会議
多様な入札、来月から制度設計
予定価格見直しも検討





国土交通省は21日、地域の建設産業及び入札契約制度のあり方検討会議の第2回会合を開いた。これまでの画一的な入札契約方式から、事業の特性に応じて選択できる多様な入札契約方式への転換を提示。公共工事の品質確保の推進に関する法律(品確法)に方式を新たに位置付け、多様な手法を選択できるようにするイメージも示した。具体化に向けては、詳細を詰めた上で7月以降に有識者会議を開き制度設計に入る。

多様な入札契約方式の導入の取り組みでは、事業に応じて導入するべき方式のイメージを事業ごとに提示した。技術的難易度が高い工事では「公募により最も優れた技術を有する企業を選定し、価格や工法などについて交渉を行った上で契約する方式」の活用を提起。一方、地域のインフラの的確な維持管理や災害対応を実施するための手法には、複数年契約や複数業務の一括発注、共同受注方式の活用を打ち出した。

入札手続に関する受発注者の負担軽減に関する手法としては、総合評価落札方式の二極化や、段階選抜を挙げたほか、発注者支援に関する方式にはCM(コンストラクション・マネジメント)方式の導入、ダンピング(過度な安値受注)や下請け・職人へのしわ寄せ対策で、オープンブック方式やコスト&フィー方式を示している。

このほか、地域維持事業の対応や技能者の確保などで地域に貢献している企業を評価するため、入札手続きの各段階での企業評価方法を見直すことも打ち出した。

こうした入札契約方式を選択するためには、品確法の中に方式を位置付け、活用の根拠とするイメージを提案。公共工事の発注者が中期的な担い手を確保することに配慮するなどの発注者責務の拡大や、新たな方式の導入に対応した予定価格の採用など適切な予定価格の設定も、新たに位置付けられるか検討する。こうした項目をどういった方法で位置付けるかはさらに検討が必要とし、予決令や地方自治法施行令などの改正の必要性もあわせて検討することもイメージした。

このほかの課題の方向性については、適正価格での契約の推進に向けた取り組みで、予定価格の設定のあり方の見直しを検討。技術提案を踏まえた予定価格の作成や、公募で優れた技術を持つ企業を選定した後に企業と発注者間で価格交渉する手法も視野に入れた。技術者・技能者の確保・育成では、監理技術者の技術検定試験の受験資格要件緩和や、職業訓練施設の機能強化の検討を推進していく。

具体的な取り組みを進める上での制度設計に関しては、入札契約方式の検討について「直轄事業における今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」(仮称)を設置して議論。そのほかの検討課題は、中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会の中で扱う。