トップページ > 活動レポート(2014年) > 法制化プロジェクトチーム 第二回 > 平成26年2月6日 建設通信新聞記事 




2014/2/6(木)
新聞記事
平成26年2月6日 建設通信新聞




品確法改正で自民・議連
発注者責務の実効担保
国、自治体に共通ルールを





自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟公共工事契約適正化委員会法制化プロジェクトチーム(PT、座長・佐藤信秋参院議員)が5日に開いた会合では=写真、検討中の「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(品確法)改正案における「発注者の責務」について、地方自治体や国関係機関への実効性を担保する上での指導強化策が最大の焦点となった。会合に出席した日本建設業連合会(中村満義会長)、全国建設業協会(淺沼健一会長)、全国建設産業団体連合会(北川義信会長)の各幹部は口をそろえて「国と自治体などの公共発注者が共通したルールで公共調達できる仕組み」を強く求めた。

会合に出席した全建の淺沼会長は、PTが提示している品確法改正の方向性案について「罰則規定がないため、発注者の運用が極めて重要だ。地方自治体の発注者に強制力を持たせて確実に履行できる仕組みにしてほしい」と要望。日建連の大田弘土木本部副本部長も「行政側の運用が極めて大事だ。労務単価引き上げなど国交省の先導的取り組みをすべての公共発注者が導入し、共通ルールのもとで公共工事が発注されることを強く強く期待している」と強調した。建産連の竹澤正専務理事も「国と自治体が同じルールで発注できる体制をお願いしたい。自治体には不見識な発注者もいる。指導監督強化と実施能力に不安がある自治体への支援強化もお願いしたい」とした。

PTの品確法改正の方向性案では、多様な入札契約方式の導入とあわせて、「歩切り」の排除など適正な予定価格の設定や、最低制限価格・低入札調査基準価格の導入など、適正な施工が見込まれないと認められる場合の基準・価格の設定などが「発注者の責務」として明記されている。

国土交通省が品確法改正とあわせて提出する予定の「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」(入契法)の改正でも、努力義務という位置付けの適正化指針で記載されている歩切りの排除などのダンピング(過度な安値受注)防止を柱とした入札契約の適正化を、法律事項(義務付け)に格上げする予定だ。これによって、法律の建て付け上は、ダンピング防止対策が公共発注者における責務・義務という形になる。

ただ、これまでの閣議決定案件である適正化指針に基づいた自治体への要請でも、なかなか自治体への普及が進まなかったのも事実。業界団体の要望は、こうした自治体側の対応を背景に、運用段階で自治体や独立行政法人、高速道路会社などにも法案の考え方が普及・浸透するための実効性確保の重要性を指摘したもの。

PTの会合では、出席議員から、「地方自治の原則で命令はできないが、国と自治体が密接に連携して協力するよう条文に加えたらどうか」「国と自治体だけでなく、地元企業の意見も聞いて運用方針を自治体が決めるような仕組みにしてはどうか」などと、国による指導強化を求める声が上がった。また、「自治体が実施するよう指示・助言する事務局を政府内に設置してはどうか」といった具体的な提案もあった。国交省は、「省内に既に担当課があるが、どういう機能を付与するかは相談したい」と応じた。