2014/5/30(金)
新聞記事
平成26年5月30日 建設工業新聞



回転窓




「聖域なき構造改革」のスローガンを掲げた00年代前半の小泉内閣は、誰も手を付けてこなかった分野の改革に大胆に切り込み、それ以前から続いていた公共事業の削減にも一段と拍車を掛けた。「コンクリートから人へ」の民主党政権もその流れを加速させた▼「四文字熟語には気を付けなければ」。太田昭宏国土交通相は、「構造改革」の美名の下に建設投資を急激に減少させ、「公共事業悪玉論」を広げることにもなったこうした流れに徹底して抵抗する姿勢を示している▼「構造改革には不断に取り組む。無駄な公共事業を削るのは当たり前」と前置きしての話だが、建設業界が将来を見通せる環境づくりの重要性をことあるごとに指摘している▼業界が疲弊した元凶とされるダンピング受注の防止策を強化する公共工事品質確保促進法を中心とした三位一体の改正法が29日に国会で成立した。業界が持続的に発展するために「利益なき繁忙」は何としても避けたい▼国から市町村まで公共工事での行き過ぎた価格競争を抑制し、品質と担い手の確保を自指すのが改正法の精神。浸透はこれからが本番になる。