2014/6/4(水)
新聞記事
平成26年6月4日 建設工業新聞



三位一体改正<下>
品確法・業法・入契法

運用指針は「プロセス」重視
実態踏まえた具体的意見を






建設業の担い手確保を明記した改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)では、入札契約方式の選択や発注事務の統一ルールとなる「運用指針」を国が自治体や学識者、事業者らの意見を聞いて作るとされている。三位一体の改正法が成立したのを受け、国土交通省は早速、指針作りの取り組みを始める。

都道府県の担当者などとつくるブロック監理課長会議や説明会を開催するための準備を進めているほか、秋には全国建設業協会(全建)と開くブロック会議でも改正法を説明し、各地域が抱える課題を踏まえた意見を出してもらう。これらの成果を、年内にもまとめる運用指針に反映させる。

国交省土地・建設産業局の青木由行建設業課長は、運用指針について「プロセスを重視したい」と強調。自治体や業界にも「自らが作るつもりで考えてほしい」と注文を付ける。その際に必要となるのは、地域の建設市場をめぐる課題をしっかりと捉え、具体性を持った意見を出すことだ。そうした取り組みが、事業の特性や地域の実情などに応じて多様な入札契約方式の中から最適なものを選択するとした改正法の趣旨にもかなう。

地域の建設業界でも改正法に対応した動きが始まった。トップは熊本県建設業協会。橋口光徳会長は、改正法成立に先立つ5月19日、協会の総会で改正法に関する検討を行う特別委員会の設置を表明した。

熊本県内ではこの1年、補正予算に基づく工事や豪雨災害の復旧工事などが数多く発注されたにもかかわらず、すべて消化することができない状況にあるという。橋口会長は、「いかに建設産業が劣化したかを思い知らされた」としつつ、苦境に立つ地域の業界を立て直そうと用意された三位一体の改正法に対応。特に公共工事品確法については「5年後、10年後を見据え真剣に勉強していかなければならない」と意気込む。

熊本建協に続き、他の地域でも改正法にさまざまな形で対応する動きが出てきた。全建で副会長を務める北川義信石川県建設業協会会長は「改正公共工事品確法の精神を自治体に理解してもらい、『歩切り』などをなくすようキャラバンを組んで県内を回るつもりだ」と話す。

市場が明るくなってきたといっても中小建設業の経営環境は依然厳しい。これまで訴えてきた適切な予定価格の設定や計画的な発注などを盛り込んだ改正公共工事品確法の成立に、地域建設業界は大きな期待を寄せる。

「建設業の実態を正しく理解してもらう活動を進め、建設業が適正な形で発展していければと思う」。広島県建設工業協会の檜山典英会長は、今回の法改正を業界の再生・発展のきっかけにと期待する。

改正建設業法で担い手の確保・育成に取り組む業者団体を国が支援する新たな規定を設けたのは、企業の枠を超えた団体の活動に対する期待の現れでもある。

地域の実情を踏まえ、担い手を確保して業界の維持発展につなげるために今後どのような動きが出てくるのか。制度的な枠組みは三位一体改正の「担い手3法」で整った。これを自治体や地域の業界がどう生かしていくかが問われる。

(編集部「三位一体改正」取材班)