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2022/2/25(金)
新聞記事
令和4年2月25日 建設工業新聞
建設工業新聞

調査基準価格
1億円工事で約200万円上昇
一般管理費率引き上げ
全建協連が効果まとめ

全国建設業協同組合連合会(全建協連、青柳剛会長)は、工事の低入札価格調査基準について、算定式の見直し効果をまとめた。工種ごとに幅はあるものの、一般管理費等率の引き上げで調査基準価格は工事価格約2000万円で50万円前後、約5000万円が100万円前後、約1億円で200万円前後の上昇になるという。全建協連は「地域密着型工事全般に影響する改正」(青柳会長)と政府の対応に謝意を示している。

見直し効果は地域建設会社が受注する工事をベースに算定した。一般管理費等率の見直しは9年ぶり。全建協連は岸田政権が「成長と分配」という政策方針を示したのを受け、組合員の地域建設会社の経営改善のために、一般管理費等率の引き上げを関係機関に働き掛けていた。地域密着型の建設会社にとって数百万円は小さくないためだ。

低入札価格調査基準を巡っては、政府が上限を予定価格の92%に設定する措置を19年度に講じた。規模の小さな工事などは上限に届かず、受注価格の押し下げを是正するよう求める意見が出ていた。見直しの結果、全建協連は「規模の小さな工事であっても、89%前後の調査基準が91%前後に上がる。(92%にした)上限の効果がおおむねすべての工事に適用される」(青柳会長)と受け止めている。

「建設キャリアアップシステム、ICT(情報通信技術)活用をベースにした生産性の向上などと一体になり、建設業は新3Kから新4Kに向けて大きく踏み出す」(同)と期待も寄せる。

賃上げした企業を加点評価する総合評価方式の運用が始まり、建設会社は生産性とともに収益性の向上が欠かせない。設備投資や技術開発、福利厚生を含めた処遇改善の必要性が高まり、全建協連は92%の上限の在り方の議論を含め必要な対応を検討していく。

担い手確保後押し
日本建設業連合会 会長・宮本洋一

今般、日建連が強く要望していた一般管理費率と低入札調査基準価格を引き上げていただき、ご尽力いただいた国土交通省をはじめとする関係各位に感謝申し上げます。

先般の公共工事設計労務単価の引き上げに加えて、今回の措置は、適正利潤の確保につながるものであり、中長期的な視点に立った担い手確保の後押しになると受け止めています。

日建連としても、今後も公共工事の円滑な施工に万全を期すとともに、引き続き「労務費見積り尊重宣言」に基づき、適切な労務賃金の支払いを進めるなど、技能者のさらなる賃上げにつなげる努力を続けてまいります。

賃上げ促進に注力
全国建設業協会 会長・奥村太加典

本日、国土交通省より土木工事積算基準および低入札価格調査基準の改定が発表され、それぞれ一般管理費にかかる計算式等が引き上げられました。

18日の公共工事設計労務単価の引き上げに続き、今回の引き上げを行っていただいたことは、予定価格への反映、ダンピング対策等を通じ、建設技能者だけではなく、建設業全体の賃上げに向けた取り組みへの大きな後押しになるものと考えており、改定にご尽力をいただきました国交省等の関係者の皆さまに、深く感謝を申し上げます。

全建としましても、引き続き、会員企業の従業員の賃上げが促進されるよう、取り組んでまいります。

市場価格反映を
全国中小建設業協会 会長・土志田領司

今回改定された土木工事積算基準の一般管理費率が引き上げられたことは、全中建としても今まで活動し要望してきた結果が認められたもので感謝申し上げます。

今後とも経済情勢の変化および市場価格を的確に反映した適正な予定価格となることを希望し、働き方改革を一層推進する上で、従業員の処遇改善等に取り組み、適正な利益が得られますようご理解とご協力をお願いします。

全中建としても地域の守り手として、地域の安全・安心の確保のため、社会基盤施設の整備・保全を引き続き中小建設業としての役割を果たすとともに、建設業に携わる者の就労環境の改善に努めてまいります。