国土交通省が16日に発表した新たな公共工事設計労務単価などに対し、主要業界団体のトップがそれぞれコメントを発表した。
賃上げの好循環を
日本建設業連合会 宮本洋一会長
国土交通省が、対前年度比で主要12職種において6.2%、全職種において5.9%と昨年に続く大幅な公共工事設計労務単価の引き上げを決定し、12年連続での引き上げを行っていただいたことに、深く感謝の意を表します。
今回の引き上げは、最近の労働市場の実勢価格の適切・迅速な反映と、「構造的賃上げ」を重点分野にデフレ完全脱却を進め、日本経済再生を目指す岸田内閣の姿勢を踏まえたものと考えます。
われわれは、この引き上げにつなげていかなければなりません。
日建連としても引き続き、「労務費見積り尊重宣言」に基づき、適切な労務賃金の支払いを進めるなど、技能者の賃金引き上げにつながる努力を続けていきます。
併せて、公共工事の円滑な施工に万全を期し、防災・減災、国土強靭化の着実な推進に貢献するためにも、時間外労働の削減、建設キャリアアップシステムのさらなる普及促進、DX(デジタルトランスフォーメーション)など技術開発の推進・新技術の活用など、新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)の実現に努めていきます。
処遇改善で担い手確保
全国建設業協会 奥村太加典会長
2013年度以降、12年連続となる公共工事設計労務単価の引き上げが決定しました。対前年度比5.9%の大輻な引き上げであり、ご尽力いただいた国土交通省をはじめとする関係各位に深く感謝申し上げます。
建設技能者の処遇改善は、地域建設業が担い手を確保し、「地域の守り手」として社会的使命を果たしていくための重要課題の一つです。
全建としては引き続き、地域建設業のさらなる発展に向けて積極的な取り組みを展開していきます。
選ばれる業界に
全国中小建設業協会 土志田領司会長
公共工事設計労務単価が12年連続で引き上げられました。国土交通省をはじめ、政府および与党の関係各位に心から感謝申し上げます。
労務単価の引き上げは、建設技能者の処遇改善や若者の担い手確保に直結します。引き上げが継続されることにより、中小建設業界も少しずつではあるが、経営環境が改善されつつあります。
中小建設業界で働く多くの人々が、生きがいとやりがいのある業界を目指すとともに、新4Kおよびワーク・ライフバランスを重視した働き方改革を進め、若者から選ばれる業界となるよう、適正な労務賃金の支払い、労働環境の改善に努め、会員団体と傘下企業が一丸となって取り組んでいきます。
強靱で豊かな国土へ
建設コンサルタンツ協会 中村哲己会長
技術者単価の引き上げ決定がなされたことに対しまして、この間の政府ならびに与党の皆さまのご尽力に感謝申し上げます。建設コンサルタント業界は業務(調査・設計等)の実施体制を十分に整えて、強靱で豊かな国土形成に向けた災害対策や老朽化対策、耐震化対策等の業務遂行に全力を尽くしてまいります。
また、2024年度以降も当初予算に必要な事業費を適切に組み込んでいただき、必要な事業が計画的かつ着実に推進できるようお願い甲し上げます。