トップページ > 国会活動 > 質疑応答集(2009/4/9)






第171回国会 国土交通委員会 第8号
2009年4月9日(木) 午前10時5分開会

本日の会議に付した案件
◇理事の辞任及び補欠選任の件
◇政府参考人の出席要求に関する件
◇道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する
  法律等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
◇参考人の出席要求に関する件

佐藤信秋君
 自由民主党の佐藤信秋でございます。
 まさか私が一般財源化の質問をするようになるとは思ってもいませんでした。態度を鮮明にしろと言われればせぬでもないですが、そうもいかぬのでしょうから、態度は別にして淡々と質問をさせていただこうと思います。
 せっかく総務省の方からもおいでいただいていますので、お時間拘束するのも申し訳ない。地方譲与税について先に質問させていただこうと思います。
 自動車の取得税等地方に配られる、配られていたと言えばいいんでしょうかね、道路の特定財源分、地方税の分も一般財源にすると、こういうことになると、その配分の基準、譲与の基準、こういうのが今までと変わるのかどうかと、この点について最初に伺っておきたいと思います。
 念のために、お配りしました資料の表の二に、公共団体の決算に基づいた十九年度分の配分額が、表にさせていただいていますけれども、これの要は、配分基準なるものは、特定財源から一般財源になると、こういうことになったときに変わるのか変わらないのかという点について、総務省の方から御答弁いただきたいと思います。

政府参考人(佐藤文俊君)
 結論から申し上げますと、御指摘の自動車取得税交付金、これは都道府県が収入したものの一部を市町村に配分するものでございます。それから、地方揮発油譲与税などの譲与税ですが、これらの交付基準ですとか譲与基準として、従来から道路の延長、面積を用いて配分するということにしておりましたが、この点は変えておりません。
 この従来からの自動車取得税交付金でありますとか譲与税などは、道路に関する費用に充てるために交付、譲与するという考え方に基づくものでありまして、それがゆえに道路に関する費用を表す指標として道路の延長と面積を用いてまいりました。今回、一般財源化をすることになりましたので、このような道路に関する費用に充てるためというような考え方は妥当しなくなります。そこで、我々としては、何が基準としてふさわしいかということを改めて検討したところでございます。
 その結果、一般財源化した後も、自動車の取得者などは引き続き、地方団体が供給する道路でありますとかそれに付随する救急や交通安全などもあろうかと思います、そうした行政サービスを受けるものでありまして、この受益の関係は従来と変わることがないということでございます。そのことが引き続き税負担を求める根拠ともなるものと考えました。
 したがって、道路を中心とするサービスを供給する主体に対して、その供給量に応じて税収を還元するという考え方に立って、改めて何が適切な指標かということを検討しましたところ、結果として、従来と同じく道路の延長、面積にすることが適当であるというふうに考えたところでございます。

佐藤信秋君
 今の御説明は、引き続き道路に関する費用というものに対しての基本的な考え方で配分しようと、こういうふうに理解すればいいということだと思います。
 そこで、実は一つ御質問しておきたいのが、平成十五年度に高速自動車国道を新しい直轄方式でやろうと、大体年間二千億円ぐらいと、こう想定したんですよね、たしかね。四分の三が国負担、四分の一地方負担と、こういうことで、税源譲与もしようということにしたわけであります。税源譲与は、重量税を国分の割合というのを四分の三を三分の二にしたということで、たしか一千億円ぐらい移譲したと。そして、大ざっぱに言えば、都道府県と市町村と五百億円ずつそれぞれに移譲して、そして二千億円の新直轄に対しては地方負担分五百億円相当が移譲されるので、実質的には高速国道というのは地方の負担がない、こういうやり方にしたんですよね。
 そのときに、実は表向きは四分の一の負担なんだけど、後進地域特例等を使うと大体地方の負担分というのが、二五%負担というのが実は一〇%切り上がって一五%ぐらいになると。だから、三百億円ぐらいの負担になるので、県の負担はですね、したがって二百億円ぐらいは余剰が出ると。だから、五百億円あれば新直轄をやるそれぞれの県に重点配分しても十分手当てはできるだろうと、こういうことに考え方としてはしたんですね。
 実際の配分はどうかという点について、つまり、今の地方分の配分というのは道路の延長、面積だと、しかし、新直轄という事業に着目した部分というのは都道府県分五百億円のうちの約三百億円を傾斜配分して地方負担に回るようにする、こういうことにしたと理解をしているんですが、その考えは今もそうなのかどうかという点について総務省から御答弁をいただきたいと思います。

政府参考人(望月達史君)
 御指摘のとおり、現在、新直轄方式によります高速道路整備の要する経費につきましては、国が四分の三、それから地方公共団体が四分の一の割合で負担する仕組みになっております。また、これも御指摘ございましたが、後進地域特例法に基づきまして国の負担割合のかさ上げ措置が講じられております。
 個々の地方公共団体の高速道路の整備に掛かります負担に対しましては、地方債を九〇%充当するとともに、その元利償還金の五〇%を事業費補正で交付税措置するほか、残余、残りの五〇%でございますが、この地方負担につきましては単位費用に算入いたしまして交付税措置を現在いたしております。
 ただ、新直轄方式によります高速道路の事業実施箇所が偏在をいたしております。したがいまして、個々の地方負担に差が出ていることも事実でございます。したがいまして、平成十九年度、一昨年度から、新直轄高速道路の道路延長に対します比率が全国平均以上の都道府県に対しまして、基準財政需要額の割増し算定を行っているところでございます。
 今後とも、関係の地方公共団体の意見を十分にお伺いしながら、算定に努めてまいりたいと考えております。

佐藤信秋君
 というので、表向きは手当てが十分できているという御説明なんでしょうけれども、本当のところは、新直轄で事業がかさんでくると、その分の手当てというのがはっきり言えばされていないというか、地方の負担が非常に強いと、特に広島県なんかは延長が長いものだからこれは大変だと。実態としてはそういう問題はあるんですね。
 交付税で算入する、起債許可して交付税で算入するというのはどうしても、じゃ、この金で幾ら来るんでしょうかというところが非常に見えづらい、見えづらいですわね。だからそこは、これはお願い事ですけれども、この新直轄の税源譲与分として幾ら幾らが行くんですということを、それぞれの担当のといいますか、負担する県にきちっとした通知をしておくというのが必要なことだろうと思っています。そうじゃないと分からない、幾らもらったか分からない。まあ鳥取、島根、委員長のところもいろいろ大変なんです。だから、そこは説明の手段というか、をきちっとやっていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
 総務省の方は、申し訳ありませんね、忙しいところ、これで結構ですから。頼みますね、お願いします。
 次に、お配りした表の一、我が国の財政支出の推移というのを出してあります。平成十年度は決算ですが、二十年度、二十一年度当初。非常に厳しい財政事情の中でということなものですからいろいろ、今日は財務省は呼んでいませんけど、忙しいでしょうから、苦しい懐の中でやりくりしてくれているのは分かるんだけど、公共事業、例えば平成十年度決算でいけば十三兆円。これが二十一年度当初、取り方によりますけど、七・一兆円。これ、七・一兆円の中に本来二十年度までは一般会計の外にあった地方道路整備の臨時交付金約七千億円、これが新しい交付金として二十一年度に入っているものだから、実はこれを取る、本当は取らにゃいかぬ。そうすると、七・一から〇・七を引いて六・四兆円というのがこの対比上は意味がある数字になる、こういうことなんですね。
 そうだとすると、この十年間で公共事業というものは半額になりました。決算ベースに比べれば半額になりました。残念ながらといいますか、懐事情の中でこういうふうに切り詰めてこざるを得なかったと、こういう問題で、私はそこを理解するわけじゃありませんが、事実としてこういうことだと。
 その中で、じゃ、今道路の特定財源問題やるわけですから、道路のシェア、この公共事業費の中の道路のシェアというものが、臨時交付金除いてですよ、臨時交付金除いて、道路のシェアというものが、例えば平成十年度、それから二十年度あるいは二十一年度当初、この三つぐらいの数字、おおむね何%かということを教えてください。

政府参考人(金井道夫君)
 お答えいたします。
 一般公共事業費と道路整備費ということで、一般会計ベース当初予算で比較をいたしますと、平成十年度当初で道路のシェアが二八・五%、それから平成二十年度当初になりますと二九・九%、この間おおむね三〇%前後で推移をいたしております。
 二十一年当初は新しい交付金を含めるか含めないか、いろいろ議論ございますが、一般公共には新交付金を積む、それから道路としては仮に積まないという計算、ちょっと極端な計算でございますが、それで計算をいたしますと、道路のシェアとしては二三・八%かなと考えております。

佐藤信秋君
 だから、それを抜き抜きでやったらどうなるかと、約七千億円を抜いたらどうなるんですかと、こういうことについて。

政府参考人(金井道夫君)
 なしなしのケースでございますが、二七・五%でございます。

佐藤信秋君
 ということで、これまた良しあしはいろいろあるんですけれども、いわゆる公共事業という世界の中でバランスを取った整備を、インフラ整備をやっていかなきゃいけないと。そういう議論からいくと、伸びているときはいいんですが、まだですね、全体が減るときにそれぞれの伸び方というか減り方というかというのは、どうしても一緒にある程度せざるを得ないというのが今までの実態だと、こう理解するべきかな。
 昭和三十年、四十年のころは、公共事業の中で道路が四〇%から五〇%ぐらいだったですね。五十年に約三割になって、それ以来こうしたバランスでやってきている。これは、いろんな事業を育てていこうというか、下水道や住宅事業という、あるいはまた市街地の整備であるとかというようなことに注力せにゃいかぬ。こういう問題からいくと、先発組の道路や河川はお兄さんだから我慢しなきゃいけない、こういう問題だったんだと思います。
 ただし、特定財源と、こういう問題からいくと、実は公共事業の中で公共事業そのものはいわゆる一般財源でずっとやってこれたんだけど、しばらく前から財政が厳しくなって、二十年ほど前からでしょうかね、一般財源というよりは建設国債を充てざるを得ない、こういう形になったんですね。建設国債を充てる分、道路の場合には利用者にお願い申し上げて、税で御負担をお願いしますというので暫定的に税も上げさせていただいてきたと、こういうのが経緯だと思います。
 ただし、今申し上げたように、公共事業の中でいろいろ配分をバランス取ってやっていこうとすると、何か町をつくったりあるいは企業工業団地をつくったりということになると、そこに水も必要なら道路も必要で、そういう形でインフラというのはバランス取った整備をしてこなきゃいけない。そこの答えがおおむね道路の場合には三割ぐらいと、こういうふうに理解をしています、結果としてです。
 問題は、さっき申し上げたように、その財源どうするかという点になると、特定財源がなければ建設国債でやらざるを得ない、こういうことなんですね。ただし、特定財源の分だけで事業をやろうと、こういうことでもないので、公共事業なるものを、インフラ整備なるものをどうしていこうかという、その答えとして道路の整備の量も出てくると、こういうことで、過去でいえば、特定財源分以外に建設国債を入れて整備を進めざるを得ない、得なかった、これも事実ですよね。そういう意味で、表の三に平成元年度からの道路の、一般道路事業、有料道路事業、地方単独事業というのを載せてあります。
 元々は、特定財源制度というのが道路の整備を進める、特定財源と有料道路制度が二輪の柱、両輪と、こんなことも言っていたんですが、私は違うと。元々ずっとこれは違うと、こう言っていたんですね、私は。要するに、社会資本整備を進めるという意味でどう工夫するかということが問題なのであって、そういう意味での工夫というのが有料道路事業、いわゆるイギリスが後でまねしてPFI、こう言ったわけですけれども、PFIでやる。それから、利用者にも御負担をお願い申し上げて特定財源でやる。しかしながら、有料道路というのはなかなか料金勝手に上げるわけにももちろんいかない、ある程度のリーズナブルな範囲でお使いいただくということを考え始めると、有料道路事業というのはおのずからある程度の限界がある。したがって、近年は絞り込まざるを得ない。
 そういう状況の中で、道路の投資額というのも平成七年、十五兆あったのが今は半額の七兆七千億。ただし、地方の単独事業の欄を御覧いただくと、地方はやっぱりそれぞれ自分の維持管理する道路というものに注力をせざるを得ないので、これも一時五兆円を超えていたものが今二兆二千億円。しかしながら、これ維持管理だけではなくて、除雪もそうですけれども、さらには新しい道路の新設等もやってきている、こういう状態ではあると。
 そして、表の四にその財源構成、国費の財源構成を載せさせていただいているんですが、さっき申し上げましたように、特定財源の分だけを事業をやるというんじゃなくて、公共事業全体の中のバランスでどういう道路整備をしていくかということを考えてきたので、したがって、年度年度、決算ベースで見ると特定財源では足りない、したがって一般財源を入れた、こういう経緯があったと思います。一般財源というのは建設国債なわけですが。
 そこでなんです、昭和二十九年から特定財源制度、今回で幕を閉じる。これまでの間に一般財源、建設国債で借りていると言えばいいんでしょうか、充当していただいていると言えばいいのか、総額と、この近年、五年、十年の間はどうだったかという点について御回答をお願いします。

政府参考人(金井道夫君)
 一般財源から道路に投入されている額でございますが、直近五年間では約七千億円、直近十年間で約三兆五千億円ということでございます。
 済みません、創設以来の数字、ちょっと今手元にございませんので、後ほど報告させていただきます。

佐藤信秋君
 過去十年で、直近十年で三兆五千億円。本来この数字というか金額は場合によってはお返しすると、本来はですよ、特定財源でお返しするということだってあり得る議論、考え方ですけれどもね、これは。考え方ですが、あり得る議論だろうというふうに実は思ったりしていました。三兆五千億円、たしか創設以来ですと十兆前後になるんじゃないかと思うけれども、そのぐらいの金額というのは先行で投資していただいた分をお返しするということがあってもいいのかなと思ったりもしています。まあそれは感想めいていますけれども。
 というような形で、公共事業全体の中のバランスとしての道路の整備に対しての割り振り、そしてそれをできるだけ利用者にお願いしますということで御負担いただいてきた、こういうのが特定財源の果たしてきた役割の一つと、こういうことだと思いますが、それでいいんでしょうか。

政府参考人(金井道夫君)
 御指摘のとおりで、補正予算、特に補正予算中心でございますが、一般財源、今申し上げましたとおり、例えば直近十年間で三兆五千億円、それから有料道路で年間二兆円以上の料金収入、これで有料道路を償還するというような総合的な取組によりまして道路整備の必要な予算を確保してきたところでございますし、これも公共事業全体で見れば、こういう道路予算におけるいろいろな取組によって、公共事業全体のかさ上げといいますか、全体の底上げに重要な役割を果たしてきたのではないかと、このように認識をいたしております。

佐藤信秋君
 そこで、道路の問題にもう少し入っていきますと、中期計画五十九兆円以内、超えないということで去年出された。別に五十九兆でも五十兆でも四十兆でもいいわけですけれども、五十九兆を超えないということで出したと。内訳があるかのように御説明をどうもしていたというふうに私は記憶していますけれども、それは総額としてそれを超えないぐらいで、じゃ内訳はというと、物が決まってからやるということが筋だろうと、私はそう思っている。
 そこの部分はおいておいても、実は、十年間だから分かりづらいんだけれども、既に、高規格にしろあるいは歩道の整備みたいなのも含めて、実は事業に進めている、オンゴーイングのものがたくさんあるんですね。それがどのぐらいあって、それが五年とかいうオーダーで整備ができるなら次の新しいのと、こういうこともあるんだろうけれども、私の記憶では、実はその残事業というのが、継続している事業というのがたくさんあるから、新しい事業をさあどうしましょう、こうしましょうと大々的に取り組むほどの余裕はたしかなかったんじゃないかなと、そう思って、二十年度で事業中のもので、じゃ残事業、継続している事業というのはどのぐらいあるんだろうというのを実は出してもらって表の五に整理してみました。
 この残事業残年数というのがこれでいいのかどうか、局長、御答弁をお願いします。

政府参考人(金井道夫君)
 御指摘のとおり、残事業で見ますと、平成二十年度以降、残事業費、直轄国道で約十八兆円、補助、これはいわゆる街路も含みでございますが、約十二兆円、有料道路約九兆円ということで、合計約三十九兆円がいわゆる新設・改築事業を対象とした残事業であると考えております。

佐藤信秋君
 これが全体の縮減傾向の中でとなると、例えば一〇%カットになれば、一割増えて八年が十年になると、こんなふうに考えればいいんでしょうかね。したがって、新しくいろいろ取り組むというのは必要なことではあるんだけれども、今取り組んでいるものに真剣に効率よくやっていくということがまた必要なことではあるだろうと。
 そういう意味で、これだけの残事業というのは、実は維持管理を除いたら新設分だけで現状でも八年掛かると。これは重たい事実なんですね。それで、先ほど来御議論あるように、無駄なことなんかやっている暇ないんですよね。だから、無駄だけはやめてくださいと、こうなるわけだけど、私も。
 それともう一つは進め方について、効果のあるところを重点的にやるというのは当然なことなんで、これだけの残事業を抱えているわけですからね。また一方で、新しいところも、まだまだ待ってもらっているというようなところたくさんあるわけですわね。そうすると、こういう執行について、特定財源が一般財源化されるといってもちゃんとした執行をきっちりやっていかないと国民の皆様の負託にこたえ切れない、こうなるんだと思うんですね。そこのところはしっかりと覚悟を、決意を申し述べていただきたいと思います。

政府参考人(金井道夫君)
 御指摘のとおり、直轄、補助、有料道路、全体で見て、現時点でまだ残年数約八年残っております。
 それから、いろいろなところで御指摘いただいておりますけれども、例えば高速系の道路でいえば、まだつながっていない、いわゆるミッシングリンクのようなものが各地に点在をしておりまして、地域の方々から一刻も早く、命の道とか防災も含めてつなぐようにという御指摘をいただいているところでございます。
 さらに、先ほどもちょっと御議論いただきましたが、新しい中期計画を作る際に地域の方々からいろいろ御意見をいただきましたが、やはり半分は地域の道路といいますか、生活に密接に関連した道路をもっと充実してほしいという御指摘もたくさんいただいております。このようなことから、例えば通学路であるとか、開かずの踏切であるとか、老朽化した橋梁への対応であるとか、そういったものも重点的に取り組む必要があると考えておりまして、残年数、残っているものも含めましてまだ非常に多くのニーズを抱えております。
 いろいろ効率化を図りつつ、できるだけ早く地域の期待にこたえるということで、最大限努力をしていく必要があるというふうに考えております。

佐藤信秋君
 特にこれからは線もの、ネットワークものはもちろんなんだけど、震災対策とかあるいは洪水対策とかいろんなことを考えると、木造の密集市街地、東京でいえば典型的には下町が消防車も入れない。面的整備、再開発とか区画整理というのが非常に遅れているという問題もあります。これも道路事業としてやっているということなので、そういう御理解もいただかないといかぬと思います。
 今、説明はネットワークものだけだったけど、地震が来たらどうするんですかと。これ、大変なんですよね。二十三区内の四割ぐらいは木造密集市街地で、地震が来て火事が来たら大変ですというところがまだ残っているわけでしょう、都内でいえばね。まあどこの都市でもそうなんですけどね。そうすると、そういうのを直そうというのが実は道路整備の一環でやってきた。公共の空間というのは道路や川しかないわけですからね。しかも、ネットになっていればなおのことですね。そういうところにこれから一層力を注ぐ必要があるんだと、こういうことだと思います。
 それはそれで要望として、次に、さっき申し上げた有料道路事業というのが工夫してきたつもりではいると。世の中、PFIというのはイギリスが、まあそういうことをうまくまねしようとするとPFIになるかなと、こんな感じだったと思うんですけれども。ただ、何分にも採算が非常に厳しいというところもあるから、民営化もした。問題はどんだけ返せますかねというか、順調に返せているんでしょうか、借金をと、こういう問題が一つありますね。
 旧道路公団が会社に変わったわけですけれども、六つの会社に変えたわけですけれども、そういう意味では採算というか、償還は順調に進んでいるんですかどうですかという点について、次にお伺いしたいと思います。

政府参考人(金井道夫君)
 旧公団別の未償還残高でございますが、平成十九年度の末の数字しか今ございませんが、旧日本道路公団で見ますと、計画が二十六・九兆円に関して実際は債務の未償還残高二十六・七兆円でございますので、約二千億円余分に返せているということでございます。
 それから、首都高速道路の分については、五・六二兆円の計画に対して五・五八兆円ということでございますので、約四百億円余分に返せております。
 それから、旧阪神高速につきましては、計画四・二兆円に対して四・一九兆円、約百億円余分に返せていると。それから、本四高速につきましても、三・三二兆円の計画に対して三・二八兆円の実績でございますので、約三百億円余分に返せているということでございまして、現在のところ交通量も、今までのところ交通量が順調であった、それから金利が予想より低かったということもございまして、順調な償還でございます。
 今後は少し、首都高速、特に阪神高速につきまして新しい路線が償還対象に入ってまいります。その場合、かなり償還が今後苦しくなるということも予想されますので、いろいろコスト縮減であるとか償還計画の見直し、また今回、交通量も見直しをさせていただきましたので、その辺も含めて、償還状況のチェック、対応をしっかりやる必要があるかなというふうに考えておるところでございます。

佐藤信秋君
 すらすらと、答弁だけ聞いていると何とか償還できそうだと。違うと私は思っている。
 今の金利状況からいくと、当初予定したよりは随分と金利が低いままに推移している。計算上はたしか四%で見たんじゃなかったかと思いますよね。それが借入金利平均が二%ぐらいで済んでいるから、その分の差額というのが大変大きいというので、局長の答弁にあるように、何とか順調にやっていますという一言で片付く問題じゃないと私は思っているんだけれども。交通量の方もそんなに順調に伸びているわけでもないというか、だから薄氷の上を踏んでいるようなところがあるんだろうと思っています。
 したがって、会社と機構と一体となって、どうやってちゃんと返していくのかということ自体は、そんな甘いものじゃなさそうだということを大前提にした方がいいんだと思いますが。
 今度の生活対策で高速道路の料金の引下げ、二年間実施すると、こういうことになっていると。お手元にも資料の一ということで、高速道路の料金の引下げというのを出させていただきました。分かりづらいなと、もうちょっと簡潔になんないのかなと、こういう思いがしますけれども、しますが、取りあえず、今こういうやり方でやっておるということだと。
 そうすると、これはどういうふうに、二年間と聞いているけれども、こういう枠組みというのはこれからもう少し二年間の間に変えるのか変えないのか。それから、二年後はどうするんだと。こういう点について、あるいはまた、高速道路以外の公社の有料道路なんかもあるわけですから、そういうところに対しては料金の引下げをやるのかやらぬのかというような点についても国民の皆様にしっかりと御説明を申し上げておかなきゃいけないと、こういう問題だろうと思います。その点についてお伺いします。

国務大臣(金子一義君)
 これは私の方から答弁をさせていただきたいと思います。
 取りあえず二年、生活対策、経済対策としてやらせていただきました。以降どうするかについては今後検討してまいりたいと思っているんです。
 仮に何かやるにしても、今のまんまなのか、あるいはいろいろな通行量、利便性といったような観点から、もう少し箇所を追加するのか、あるいは要するに増加減するのかというのも含めて、二年後以降どうするかというのは、これある意味、政治判断でこれから取り組んでいきたいと思っております。
 たった今の立場でいえば、これだけ初めてこういう形で導入させていただきましたので、何とか継続できるような方向で議論をしてみたいと思っておりますが、それは政治的な部分でこれから議論をまたやっていきたいと思っております。

佐藤信秋君
 この生活対策で導入した分というのは、主としていえば土、日、祝日の高速道路千円、それから平日は昼間の三割引きなのかな、これ、ということですかね。それに対して五千億円の国費を出して二年間だと。五兆円出したら二十年間だと、こうはならないのかもしれませんけれどもね。
 ただ、いずれにしても、そういう手当てをした上でやらないと、さっき申し上げた償還の方がうまくいかなくなる。こういう緊張関係にある問題だとは思いますので、しっかりと利用者の皆様に御理解いただきながらたくさん使っていただいて、安くしてもその分だけ乗っていただけるんなら償還に響かないと、こういう問題でもあるでしょうから。
 したがって、いつも二年ごとに五千億円要ると、これを継続するならということではないのかもしれないので、そういう分析をしっかりやりながらフォローアップしていく必要があるんだと思うんですね。ここのところはお願いしたいと思います。
 こうやって千円にしたらどこかに顕著な効果がこんなふうに現れましたというような御報告があるんならやってください。教えてください。

政府参考人(金井道夫君)
 料金のいわゆる引下げ効果につきましては、今各会社でいろいろ分析をしていただいておりますが、やはり顕著な特徴といいますか、やはり地方部で、いわゆる交通量の余裕があるところで比較的交通量の伸びが大きいというのが一つの特徴かなと思っております。やっぱりそういう面で、いわゆる道路の有効活用という面で非常に効果があったかなと思っております。
 それから、例えば本四でございますが、毎週毎週交通量伸びております。二倍ぐらいから始まりましたけれども、今通常の二・五倍ぐらい走っているルートもございます。これ、やはり各知事さんが呼びかけていただいて、いろいろ観光施設であるとか広範囲にPRをしていただいて、いろいろ観光施設その他と連携した施策を講じていただいているということが一番大きいと思いますので、何回も御指摘いただいていますとおり、道路だけではなくて、地域社会とうまく連携をして、うまく有効活用も図り、地域の活力の増進にも資するような効果が出るように、いろいろなところと連携を図りながら続けていきたいなというふうに考えておるところでございます。

佐藤信秋君
 そういう利用者の皆様の利便性というか、もっとお使いいただくということを考えたときにも、日本の場合は高速道路のインターチェンジの間隔が非常に長い。これは、有料道路にしたもんだから費用が掛かるというので随分と飛ばしたんですね。これは、使う方にとっては何でこんなサービスが悪いんだという点でもある。
 今、インターチェンジ間隔というのはどのぐらいの間隔になっているのか、高速延長に対して何か所あって、平均間隔どのぐらいになるのか、教えてください。

政府参考人(金井道夫君)
 高速自動車国道で申し上げますと、インター数七百九十五か所、それから平均のインターチェンジ間隔で見ますと九・六キロというところでございます。

佐藤信秋君
 つまり、約十キロに一か所と、こういうことですわね。
 料金、有料道路で取るときに、料金所に非常に費用が掛かる、造るのも費用が掛かれば、管理していくのにも運営していくのにも費用が掛かるというので、そういうことで、申し訳ないんですけど、やらざるを得なかったと私が言うのも何だけど。
 だけど、ETCにして、そうだとすると、経費といいますか、インターチェンジそのものはスマートインターとかいって簡易なインターができるようになった、管理費もそんなに掛からない。だとすると、これはお求めに応じてということでいいぐらいに私は思っているんだけど、インターチェンジ間隔、倍増ぐらいはやらなきゃいかぬのじゃないかと、今の状況でいえばですよ、と思うんですが、考え方を教えてください。

政府参考人(金井道夫君)
 御指摘のとおり、スマートインターチェンジ、非常にコストを縮減して、たくさん地域の利便を図るために進めていきたいと思っております。
 現在のところの目標を申し上げますと、平地部で、山間部は無理なところがございますので、平地部でほぼ欧米並みのインターチェンジ間隔、約五キロ程度を実現すると。
 それから、おおむねすべての市町村にインターチェンジを設置するということを考えて試算をいたしますと、おおむねスマートインターチェンジ全国に二百か所程度増設をいたしますとこの目標が達成されますので、全体事業費ほぼ三千億円ぐらいの範囲内で、コスト縮減には留意をしつつ、約二百か所のスマートインターチェンジの増設を地域と連携をして進めることができればなと考えておるところでございます。

佐藤信秋君
 既存のインターが七百か所以上あって、それでインター間隔が十キロと。

政府参考人(金井道夫君)
 平地部でございます。

佐藤信秋君
 平地部でといったって、平地部で五キロ間隔にするには二百か所あればいいと、こう理解すればいいんですか。

政府参考人(金井道夫君)
 そのとおりでございます。平地で、平地部で欧米並みの五キロを達成するためには二百か所、大体そういう考え方でございます。

佐藤信秋君
 別に五キロとこだわらなくてもという気はせぬでもない、平地部で限定するんなら、三キロ間隔だって場所によってはいいんじゃないかと、お使いいただけるのがあれば。余り硬直的に考えない方がいいとは思うんだけど、ここは要望にしておきます。
 二十年度に、スマートインター何か所整備しましたかと。今二百か所という話があるから、一年に四十か所ぐらいやったら五年ぐらいでできると、こう理解すればいいのかもしらぬけれど、二十年度は何か所でしたか。

政府参考人(金井道夫君)
 二十年度は、整備したスマートインター五か所でございます。
 ちなみに、十九年までに整備した箇所と合わせまして、現在四十六か所で供用されております。

佐藤信秋君
 ということで、二百か所やろうとしたら、それだったら、五か所の、何年掛かる、四十年掛かると。冗談じゃないというんだ。
 そこが、そういうところが、だから私、市町村長さんたくさん知り合いがいるけど、おれのところどうしてできないんだという声がたくさんあるので、そこはよく現地の様子を聞いて、そして必要なところは造っていくんだと、積極的な姿勢を出してほしいと思います。これは要望にしておきます。
 ところでであります。田中先生、せっかくすばらしいBバイCのあれを、資料をいただきました、資料。必ずしもBバイC、したがって日本の計算の仕方でいいと、こういうことではないよというのが田中先生がお出しいただいた資料の解釈だと思えばいいんでしょうか。ただ、いきなり変えるというのもなかなか大変は大変だろうと。
 この前、十八か所、BバイCが一・〇を切るからというので、十八か所、当面棚上げ、凍結とも言われているけど、凍結という言葉は余り良くないと思うんだけど、私は、一時棚上げして見直すと。大変なことに、高知二か所、北海道三か所、新潟三か所と、大変なんです、これ。
 それで、機械的にというか、余分な操作せずに出しましたと言うんだけど、地元から見ると、国会議員何しているんだと、ぼこぼこになっているんじゃないかと思いますが、計算上そうですよといえばそれはそれで今の計算方式でいけばしようがないかと。
 ただ、資料二の方に付けさせていただきましたけど、もっといろんな便益なるものをきちっと把握する必要があるんじゃないかと、こういう点はもちろんあるわけですね。工業団地であるとか町の開発であるとか、そういう具体的な現地に即したその開発の見込みであるとか、そういうことが多分十分入ってはいない。そこをどうしても入れろとは申し上げません。市町村長さんや地元の人たちとよくよく相談しながら、Bの方の考え方がこれでいいのかというようなことはやっていただく必要があるんだろうと思います。
 それからもう一つ、費用C、BバイCのCの方で、道路整備に要する事業費、建設費のことだと思うけど、それと維持管理に要する費用。建設費の方は工夫をしてできるだけ削らないかぬのだと。無理やり削って安全性損なっちゃいかぬけれど、リーズナブルな範囲で幅員なりあるいは構造物を見直すと、こういうことは必要だろうと思うし、また、もう一つ、維持管理費用というのが直轄は意外と高い。意外というか、ややもすると高いと、こう御批判もいただいているけど、安全を損なわない範囲では工夫する余地はあるんだろうと、維持管理費もね、と思うんですが、これについて御答弁ください。

政府参考人(金井道夫君)
 維持管理費について高コスト構造であるといろいろ御批判をいただきました。
 最近いろいろ見直しをさせていただいておりまして、最近数年間で約三割ぐらい削減をいたしているという理解でございます。ちなみに、今回事業執行を一時見合わせていただいている十八事業について、例えば一キロ当たりの維持管理費を計算をいたしますと、一年間に一キロ当たり約千三百万円という維持管理でございます。維持管理費も当然Cの中に含めておりますので、BバイCの計算に直接反映をされるものでございますので、今後とも、もちろん設計面、計画面、それから工事の面のコスト縮減に努めますとともに、維持管理費、できるだけ縮減する方策を講じて、また将来的には予防保全みたいなことも考えてコスト縮減を図って、できるだけ低コスト構造で進められるように努めたいというふうに考えておるところでございます。

佐藤信秋君
 できるだけ速やかに見直していただいて、そして世の中にきちっと建設費はこう縮減、維持管理費はこう縮減、Bの方はこういう形でもってちゃんと算定し直しすると少し良くなるみたいな議論をきちっと説明して、そして一日も早く再着手してほしいと思いますが、まあそれは各論として、個別にしっかりとやっていただきたいと思います。
 次に、地方道路整備の臨時交付金、これがまあガソリン税の四分の一分がなくなると。そして、これから地域活力基盤創造交付金というものをつくって国民にまたおこたえすると、こういうことだと理解していますが、実は地方道路整備臨時交付金というのは、去年からですか、国道にも使うようになったと。それから、まあ分かりやすいところで言うと、東京でいえば中央線の連続立体なんかは交付金でやっているんじゃないかと思うんだけれども、地方道路整備臨時交付金。そういうものが、いずれにしても五年十年かかるようなものが中にはかなりあるだろうと。面整備でもそうですわな。さっき申し上げた再開発なんかも臨時交付金でやっている部分がかなりあるんだと理解していますが。
 そういう意味では、なくしましたと、これでやめますというわけにもいかないところがたくさんあるんだろうと思うんですね。今着手している事業の残事業というか、それはどのぐらいになっているのか。主な事業はこんなものあんなものというふうに、主要なものをちょっと挙げていただきながら残事業、どのぐらいあるかというのをお答えいただきたいと思います。

政府参考人(金井道夫君)
 地方道路整備臨時交付金につきまして、御指摘のとおり補助国道にも適用するようにいたしておりますし、例えば中央線の連続立体、このようなものにも、かなり大規模な事業から元々の趣旨でありますかなり地元の細かい事業まで総合的にパッケージとして整備をするということで、様々な事業に適用いたしております。
 例えば、例示的には安全、安心の確保ということで災害に強い道路、それから総合病院のアクセス、それから高齢者でも快適に利用できる道路空間の建設、それから例えば別の項目として地域の活性化ということで、例えば工業団地と高速道路との連絡、それから観光の振興、それからあと、地域によりましては例えば防災であるとか、雪国で冬期間でも安全に通行できると、このように様々な目的に適用できるような様々な事業にパッケージとして計画を出していただいて、それに対して交付金を交付するという形でやらせていただいております。
 ざっとでございますが、現時点ではじいておりますいわゆる残事業費でございますが、約七兆円ということでございます。

佐藤信秋君
 七兆円とだけ説明されても何のことかと、こう分からないんだね。平成二十年度に事業費としては幾らだった、それが七兆円だと何年分だと、こういう説明をしてもらえませんかね。

政府参考人(金井道夫君)
 平成二十年度、約七千億、六千八百億円強でございます。それの事業費でやらしていただいております。
 それに対して──済みません、今の七千億、国費でございます。残事業費、大体七兆円事業費でございまして──済みません、たしか七年分ぐらいでございます。ちょっと後で正確に計算して御報告させていただきます。

佐藤信秋君
 国費が七千億なんだから事業費でいうと一兆三千か四千、一兆三千億ぐらいかな、になるはずだと思うけど、だから七兆円なら五、六年分と、こういうことだと思いますが、そういう継続事業があるから、そういうものを途中でぶった切るというのはそれこそできない、こういう問題だろうとは思っています。中央線、途中まで上げたけれども途中が上がっていなくて使えませんと、こういう話にはできないんで、そういうことを御理解いただく必要があるんだろうと思います。
 ということで、今度、地域活力基盤創造交付金を九千四百億円の国費でと、こういうと。道路とそれに関連するものということで使わせていただく。
 これはスケジュール、これ地方からいろんな要望を取らないかぬと思うんですけれども、要望取って、そして配分決めて、これは国交省の中で総合政策局と道路局とそのほかの関係各局寄り集まって決めるんだろうと思いますが、そのスケジュールはどうなっていますか。

政府参考人(大口清一君)
 交付金の要綱でございますが、年度初めの四月一日に地方公共団体に通知したところでございます。
 この交付金に関しましては、現在も公共団体から要望をいただいているところでございまして、実は今日も今開かれているわけでありますが、こうした要望をきちんと押さえた上で交付の細目について検討を進めて、四月中に改めて通知をさせていただく予定でございます。
   〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕
 交付金の交付につきましては、臨交金の継続事業の執行とか、あるいは地方における現下の厳しい経済状況に対する取組に支障が生じないように、二十年度に臨時交付金等によって実施していたいわゆる継続事業に対して、地方公共団体の要望を確認しながら四月中に創造交付金の一部を先行して配付するという予定でございます。
 また、その他の事業に対しまして、公共団体が活力基盤創造計画を作成する期間を十分に確保した上で、できるだけ早期に交付金を交付する予定でございます。

佐藤信秋君
 そこで、非常に厳しい地方財政の状況でもあるということを考えると、従来、道路の場合には、道路の整備交付金の場合には十分の五・五から十分の七だったと、こういうことだと理解していますけれども、できれば全部十分の七にするとか、あるいは十分の九にするとか、まあちょっと乱暴かもしれませんが。しかしながら、地方財政の厳しさということも考え合わせると、できるだけこの交付の割合というものを高める、そして余剰が出れば、地方の方でその余剰が出れば十分の五・五でも十分の四でも単独費をつぎ込んで事業をやっていくというのは、それは地方の裁量の範囲でどんどんやっていただくということはいいと思うんですが、ベースの交付の割合というのはできるだけ上げていただく、全部一律十分の七でもいいんじゃないかぐらいに私自身は思ったりしますが、これについては要望としておきます。できるだけ上げてくださいと。北海道だって大変ですからね、普通の事業で十分の八とか十分の九とかね。
 そこで次に、その使い道なんですね、今総政局長がおっしゃっていたけれども、使い方というものをこれから要望を伺いながら確定していくと、こういうことが必要なんだと思いますが、これは、こんなことにも使わせてもらえないかなということを幾つか私の耳にも入ってきているんで、例を挙げた上で、交付金の使途を、要綱を固めていってほしいと思うんですが。
 例えば、道路に関連するという意味でいえば、フェリーの航路ですね、離島の航路なんかで航路そのものの支出というか支援というのはできない。しかしながら、船買うとかワイヤを買うとかいうようなことは応援をしてもらったらいいんじゃないかと。
 あるいは、実は市町村道の除雪というのは、雪国の皆様は、実は市町村道の除雪というのは補助金が出ていないんですね、雪国の市町村道。これは、長いこと、できないできないでずっとやってこなかった。だから交付税でやるんだけれども、実は交付税も限度があるし、特交でといったって災害が多い年にはほとんど除雪に回らない。だから、市町村道の除雪に対して補助をしてくれというのは随分前からお話があって、さっきの公共施設に行くまでの道みたいな話じゃなくて、市町村道全般として要望があればこの交付金の事業で取り組んであげるというのが、この機会に是非やってほしいな。
 あるいはまた、駅舎のバリアフリー化だとか鉄道の広場。鉄道の駅前広場はこれ道路事業でやっているわけだから、街路事業で。そうだとすると、バリアフリー化というのも地方の要望があればどうぞおやりいただく、こういうことでいいんじゃないか。
 それから、実はミニ新幹線。新幹線そのものは非常に厳しいと、それは分かりますと、私も。ただ、ミニ新幹線といいますか、在来線の高速化、それからせっかく高速化するんなら要するに広軌にせないけませんわね、三本レールを引くか広軌にするかと。そして、そこに新幹線が乗り入れできるというような構造にすれば、実は山形や秋田の新幹線、ミニ新幹線はああいう形で、やっぱり新幹線来たと、こういうふうにも思っていただける。そうだとすると、この新しい交付金なるものは、実はあれ鉄道の高速化なんかしようとすると、踏切取らないかぬのね、できるだけ。そうすると、踏切除却はこれ道路事業、街路事業なんですね。だから、あわせて、鉄道の高速化あるいはミニ新幹線やるときに、きちっと大部分の費用は地元の要望があればこれでやるということだってできるのじゃないかというのが、これ是非経済対策としても、まあ一年、二年調査の期間は掛かるかもしれませんけれども、今年の経済対策で大急ぎで、あるいは既存の経費を工夫して、調査して、すぐにでも取りかかれるというような意気込みで準備をしてほしいなと、実は心底そう思っているんですね。
 この辺について、この使い道、いろんな使い道考えられるでしょうと、今申し上げたようなことについてはオーケーですと、こう一言言ってくれりゃそれでいいんですけれども。

政府参考人(大口清一君)
 先ほど地方公共団体からの要望を伺っているというふうに申し上げましたけれども、そうした要望を踏まえながら、各地域の課題の解決に向けて道路を中心に関連するインフラ整備あるいはソフト事業について幅広に対象事業として実施できるよう、今制度設計、急いでいるところでございます。
 ただし、この交付金を創設したという趣旨にかんがみますと、経常的な経費や、そもそも事業とは言い難い赤字補てん、あるいは地方公共団体という区域を著しく超えてはるか遠くにまで運行されるような交通にかかわる事業につきましては、対象とすることはなかなか厳しいかなというふうに考えているところでございます。
 また、御指摘いただきました離島航路の船舶の改修、あるいは市町村道等の除雪、そしてまた駅舎のバリアフリー化、そうしたものは基本的には対象になり得るというふうにとらえております。
 あと、鉄道の関係でございますけれども、一般的に公共団体の区域を越えて運行されるというものについては対象とすることは現時点では難しいというふうに考えております。
 以上でございます。

佐藤信秋君
 最後の部分は、だから、踏切除却が連続するでしょう、その部分はちゃんと出してねと。だとすると、あと掛かる費用というのはレールの増設分ぐらいになるんだから割と早くできるじゃないですかと。地元が、そういう要望があれば前向きにとらえてくださいねということであります。これは、実際にどういう要綱をお作りになるかという点について、でき上がってからじゃ遅いので、是非そこは入れるように、これは要望ですが、しておきます。
 それから、時間もなくなってまいりました。三問。
 一つは、公共事業の前倒し。徹底的に、今の経済状況からいけば徹底的に前倒しをしてほしい。
 質問を続けます。二つ目。
 昨日、大臣、知事会の皆さんと御懇談なさったようでありますが、長いこと、確かに維持管理費、直轄の維持管理費等については負担の対象から外してください、地方負担、こういう声があるのも事実です。そこは、私は是非そこまでは踏み込んでいただきたいなと、こう思っています。維持管理費や事務費や庁費やというものは負担対象にしないというふうにしていただきたい。
 それから最後に、公共団体への説明が不十分と、こういう問題を提起されています。できる限りきちっとした説明をするんだと、姿勢としては是非、大前提として公共団体が御要望になる資料のたぐいは全部オープンに、開けっ広げにちゃんと説明する、そういう姿勢で臨んでいただきたいと思います。
 以上三問につきまして、時間がなくなりましたので、併せてお答えを。

国務大臣(金子一義君)
 本当にまさにこれを携わってこられました専門家からいろいろ御意見を賜りました。
 冒頭の、こういう景気対策でありますので目いっぱい前倒しで公共事業を執行したいと。ただ、事業負担金等々ありますものですから、パーセンテージを出すということは今回は取りあえずまだしておりませんけれども、できるだけ、地域事情もありますけれども、受け入れられる状況の中で、許される範囲の中で前倒しをしっかりしていきたいと。
 それから、データ、資料について。本当に全く細目明細を付けずにその他というので請求をしてきたという、これはもう本当に放置するわけにいきませんものですから、これはやはりきちっとデータを開示する、意見交換をするということはさせたいと思っております。
 維持管理の件については、これはもう国交省だけでない、ほかのいろいろな公共事業に関係するものですから、少し政府としてどう整理していくのかということについては検討をさせていただきたいと思っております。テーマとしては大事なテーマであるということは認識しております。

佐藤信秋君
 ありがとうございました。