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171回国会 国土交通委員会 第17号
2009年6月16日(火) 午前10時開会

本日の会議に付した案件
◇理事補欠選任の件
◇政府参考人の出席要求に関する件
◇特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業
 の適正化及び活性化に関する特別措置法案
 (内閣提出、衆議院送付)

佐藤信秋君
 自由民主党の佐藤信秋でございます。
 今、伊達委員から総括のようなお話あった。それはそのとおりだと思います。経営者の皆様にも運転者の皆様にも、何よりも利用者の皆様に安全で適正なタクシーサービスといいますか公共交通サービス、これを提供していくというのが一番大事なことだろうと、そんなふうに思いながらこれまでの質問を伺っていたところであります。
 私の方は、最初に、需給ギャップの拡大要因といいますか、長い時間掛けて需給ギャップが拡大してきた、これはもちろん規制緩和の影響もあるでしょうし、その他経済的な背景というのもいろいろあるんだろうと思います。その辺をどんなふうにとらえられているか、最初にお伺いしたいと思います。

政府参考人(本田勝君)
 タクシー事業につきましては、規制緩和後、サービスの多様化、待ち時間の短縮など、一定の効果も現れている一方で、地域によっては需要が長期的に低迷する中で車両数が増加するといった問題があります。
 その意味では、需給の問題でございますので、供給過剰が生じる要因としては、まず第一にタクシーに対する需要が減少あるいは低迷していると、これはもう間違いない事実だと思います。それから、そうした需要の減少あるいは低迷に対して供給がどうなるかということでありますが、タクシー事業の場合には一般に車両価格が相対的に低く、増車あるいは新規参入がしやすい。それから、多くの場合、運転者の方の賃金が歩合制となっておりますので、増車に伴うリスクを相当程度運転者に転嫁することが可能であるということから、個々のタクシー事業者の経営判断として、需要の減少局面においてむしろ増車によって市場シェアを拡大するというような判断に傾きがちだと考えております。
 こういった要素が絡まって需給ギャップが拡大してきたものだと考えております。

佐藤信秋君
 非常にいろんな要因が絡んでいるということも確かなんだと思います。
 お手元に、これは国交委員会の調査室でおまとめいただいた、国交省の方でまとめた資料を載っけていると、こういうことだと思いますが、資料一にタクシー事業の主な規制緩和の推移というのを出させていただきました。私、気に掛かるのは、こういう中で全体として需給調整を外してきた、それで需給ギャップが拡大してきた、そういうことではあるんでしょうけれども、例えばこれ御覧いただくと、平成五年に既存事業者の一定の幅以内の増減車を認めると。東京の場合には上下五%幅だけれども、ほとんどの事業者が五%上限まで増車を実施したと。これは多分、さっきの経営判断という面からいけば、経営者としては稼働する車が多ければ多いほど歩合制という下ではある程度の経営が、採算性が向上すると、こういうような判断をしがちというか、普通そうするのかなと思うんですけれども。
 ただ、こういう中で、平成八年の二月にリースによる車両の保有を自由化したと、こういうのがあるんですね、十四年の二月の需給調整撤廃の前に。こういうのも一つ大きな要因として効いてきているのかなというのが実はちょっと気になっていまして、そういう意味でそのリース制度というものが、にわかに聞いてもちょっと私もよく分からないところがある、どういう制度なのかと。それが供給サイドにどんなふうな影響を及ぼした可能性があるのかと、その辺を教えていただきたい。

政府参考人(本田勝君)
 タクシーにおけるリースという形態による車両使用、保有の自由化でありますが、経過だけまず申しますと、昭和六十一年以前は法人タクシーにおけるリース車両の保有を禁じて、所有していることを義務付けておりました。昭和六十一年にその緩和を行いまして、ただ新規参入の段階ではそれを認めずに、事業開始後三年、さらに保有車両数の五〇%といった条件を付けさせていただき、二年後の六十三年には保有車両数の条件緩和、つまり一〇〇%リースでもいいということにさせていただき、かつ最終的に今御指摘の平成八年に、当時の規制緩和推進計画、平成七年に策定した閣議決定でございますが、これに基づいてリースによる車両保有を完全に自由化をさせていただいた、こういうのがまず制度としてございます。
 それから、現実のリース車両の実態でございますが、最近十年ぐらいの経過を御報告いたしますと、例えば平成十年度、一般タクシー車両、法人の中で二十一万一千六百七十六両のうち、当時は約一〇%の二万九百四十五両がリース車両でございましたが、直近のデータであります平成十九年度におきましては、二十二万二千五百二十二両のうち二〇%近く、四万三千二百二十四両が実はリース車両となっています。
 こういった状況を見ますと、車両保有の自由化が供給過剰とどう結び付くかというのは、厳密な分析はちょっとしておりませんけれども、やっぱりリース車両の保有割合が高くなっているということは、自己所有に比べるとリース車両の方が経営者側としては負担が少ない。したがって、車両数の増加を行いやすい、あるいは車両の増加をする際の手法として活用されているという点がうかがえると思います。

佐藤信秋君
 この場合、リースというのが、多分これは推測なんだけれども二つのケースがあって、一つは運転者自らが車両を持って、そして車両の管理も基本的にはその運転される方がやると、持ち帰り車両というような問題も一つはあるんだと思うんですね。
 もう一つは、事業者自体が初期投資という問題からいけば、リースの方がイニシャルコストが低いと。そういう意味でも開始後三年と、こういうふうに規定はしていたんでしょうけれども、やりやすいといいますか、投資をせずに、実質的には車両を増やして、歩合制で、運転する車両が多ければ多いほど経営者としてはいいかな、採算が良くなるかな、こういうようなインセンティブといいますかがあるのかなと、こう思うんですが、分析そのものは余りされたのがないですかね、どうでしょう。

政府参考人(本田勝君)
 そこの関係を完全には分析はし切っておりません。今私の方から御説明しましたリースは車両の保有形態としてのリースでありますので、リース会社からまさに思いどおり借りるという形態、これが普及しているということでございます。

佐藤信秋君
 この辺はこれからいろんな検討をせにゃいかぬという課題がたくさんあるんでしょうから、そのうちの一つとして、参入を、きちっとした経営体が参加してといいますか、今参加している会社が自らの責任でしっかりと運行していくというような面からいって、リースという形態でいいのかどうかというようなこともこれからの課題として十分検討していただければなと、そう思うところであります。
 そこで、今回は特定の地域において計画を作って特定事業を行うと。いつも私思うんですけどね、とかく計画作ってくださいと、投げてとは言いませんが、そして、あたかもそれで実態が進むというかのような場合が多いんで、やっぱり一番大前提で動いていかなきゃいけないのは現場ですよね。実際に、仕組みそのものは頭の中でいろんな組み立てができても、現場がどれだけ動けるかと、こういう問題があるんだろうと思います。
 そういう意味では、その計画、地域計画なるものが、先ほど三か月から五、六か月ぐらいでできると、こういうお話だったでしょうかね。いろいろ議論するのは大変結構だとは思うんですけど、余り難しい計画の目標を立ててくださいと、こう言っても現場はなかなか動けないと。そうかといって、余り微に入り細にわたって、じゃどうぞこんな形でといってモデルを示すのもなんなんだと思うんですよね。そういう意味で、簡潔に作りやすい計画と、こういうのを、こんな例がありますよというようなことを示す必要はあるんだろうと思うんですね、計画自体をですね。
 先ほど、ガイドラインのお話がありました。ガイドラインのお話は、更にそれを特定事業なり運賃なりといろいろ検討していただいていると、こういうふうに理解しましたが、その地域計画なるものを、こういうぐらいな感じでどうでしょうというようなパターンを幾つか示したりしながら、できるだけ早く、作りやすいように、そんな手助けも必要なんじゃないかなと思いますが、その辺はいかがなっているでしょう。

政府参考人(本田勝君)
 御指摘のとおり、地域計画でどういう中身を定めるかというのは、これは明らかにする必要があると思います。その中身を実施するためにも必要だと思います。
 手続的には、国土交通大臣の方で定めさせていただきます基本方針ということに載りますが、それに先立って、昨年の交通政策審議会の答申の中で、こういった地域計画の一つのモデルとして、具体的に幾つかの事項を定めるのを一つの例として示しております。それは、その地域でのタクシーサービスの活性化にどう取り組むか、それから事業経営を活性化、効率化するためにどう取り組むか、それから、これは大きな課題ですが、その地域の運転者の労働条件の悪化をどう防止していくか、それから違法、不適切な事業運営の排除をどうするか、あるいは先ほど来出ておりますタクシー事業の構造的な要因を少しでも緩和するような対策はないのか、さらには交通問題、そして減車の促進といった供給抑制の問題、あるいは過度な運賃競争への対策ということで、定めていただくべき一つの例は示させていただいておりますので、よりもう少し具体化する形でこれからお示しできるようにしたいと思います。

佐藤信秋君
 そこなんですね。抽象的といいますか、基本方針あるいは目標として活性化を図りましょうと、タクシー事業の、あるいは経営の効率化を図りましょう、労働条件を良くしていきましょうというその具体の中身としてそれじゃ何ができるんでしょうねというようなことについて、言ってみれば、うまくいった事例みたいなのを集めるというようなことも大事だとは思うんですよね。
 この前の本会議の質問でしたかね、うどんタクシーってね、いろんな需要を掘り起こすというか、あるいはお客様のサービスを良くしてお使いいただけるような機会を、あるいは気持ちを増やしていくというようなことなんでしょうけれども、それが今のこういう方向ですよと、効率化ですよ、活性化ですよというのは、いつも私言うんですけれども、お経の文句にとどまっちゃいかぬので、そうだとすると、実際問題としてどんなふうな事例がありますよというようなことをできるだけ集めていただいて、そしてみんなで頑張ってくださいね、こんなことが必要なんだと思うんですね。
 そういう意味で、需要の増大に成功した例とか、あるいは供給抑制きちっとできましたね、あるいはこうやって減車しましたよ、こんなふうな事例を今の段階で多少あればお答えいただきたい。
 さっきのリースの問題、私、ちょっと気になっているのは、そういう意味で、減車といっても二割のリースがあるとすれば、減車といってもその分は、片っ方買うのを控えて、保有を控えてかな、それでリースを広げると、これはまあ乱暴かもしれないけど。いずれにしても、工夫の余地を余り多くしておくよりは、透明にして、こういうことをやったらうまくいきましたよ、そんな事例をできるだけお示しいただくというようなことが必要なんだろうと思います。何か事例があれば。

政府参考人(本田勝君)
 今個別に事例ということを御紹介するにはあれですが、いずれにしましても、メニューといった意味ではもうかなりのメニューが実はございます。したがって、例えば需要拡大については、まさに先生がおっしゃったこういう成功例があります、あるいはこういう新しい試みもありますといったことは是非紹介させていただいて、そういったメニューの中から地域に合うものを選んでいただくというのが恐らく現実的なのかなというふうに思います。そういった努力はさせていただきたいと思います。

佐藤信秋君
 そういう意味で、経営者の皆さん、それから運転者の皆さん、努力して一生懸命とにかく活用してくださいということで、お急ぎだとは思うんですよね、これね。
 お手元資料二で供給過剰地域の例というのがまとめられているんで、議論のためにお出ししたんですが、私も国が新潟なものですから、新潟交通圏って気になって見ると、平成十年度から十八年度で七一、需要の方がですね。これは実は大変な状態で、供給の方はそこまで減っていませんから、実在車両数というのは九七%ですから、随分と需給のギャップが大きくはなっていると。供給だって少し減らして頑張ってはいる。
 最近、大手の二社が残念ながら倒れてしまいました。これは多分、この数字の傾向からいけばほかもそういう事態がどんどん出てきかねないんで、この法律を速やかに実効性のあるものにしていくというのが大事なことだと思うんですね、絵にかいたもちだけじゃなくて。
 そういう意味で、これは多少残念ながらのところなんですが、特定地域として指定して、そして地域計画を作り特定事業を頑張りましょうというほかに、元々の要因として、こういう地域指定して事業をやり始めたらこんなふうな優遇措置といいますか支援措置があるんですよという部分というのを今後の課題として、今後の課題として是非検討していただきたいなと。
 産業活力再生特別措置法でいえば、法制度上は会社法及び民法の特例であるとか、あるいは金融の支援、あるいは税制、特別償却なんかの特例、そういうのを用意して、だから一緒になって、経営者の皆様も地域の皆さんも運転者の皆さんもみんなで頑張って、こういうところまでいって計画作って特定事業をやったらこんな支援もというところが、でき得るならば、これからの検討課題なんでしょうけれども、できるならば是非そんな検討もしてほしいなと。
 衆議院の修正の方で金融の方はあっせん等もやろうと、こういうことで前に押していただいた。そこの部分で実は多分止まっていて、なるほど、やるんだというところを具体的にしていかないと、どんどん会社が倒れてもまたこれは、会社が倒れるということは雇用の機会も失われるということですから、地域の疲弊に拍車を掛けると、こういう状況が出かねない。そういう意味で、いろんな支援の仕組みというのを今後検討していただきたいなと。この法律は法律として、税制の問題もありますからというようなことをお願い申し上げたいんですが、いかがでしょう。

政府参考人(本田勝君)
 今お示しの産業活力再生特別措置法で施設の共同廃棄といったような共同事業再編、これに対しての支援措置が非常に豊富にあるというのは承知しておりますが、その法律に基づく場合には、二条の事業者の合併でありますとか事業の譲渡、譲受といった組織の再編成を実は要件にしております。
 今般、これに倣いながら制度をちょっと設計させていただく際に、そこまで合併とか事業譲渡を前提にしないと減車を認めないというのは余りにも窮屈なものですから、そういったようなことは講じておりません。
 ただ、減車と一緒に、特定事業と法律で言っておりますが、その地域のタクシーを良くするような取組を一緒にやっていただきたいと。良くするような前向きの取組であれば地域公共交通再生活性化事業の補助制度といったような既存の制度も活用できるものですから、こういった支援は講じていきたいと思っております。

佐藤信秋君
 そういう意味で、先ほどの伊達先生のお話じゃないですけれども、登録したら講習の補助制度がなくなったみたいなことにならないようにはしていかにゃいかぬと。それから、法律制度、法律としてはこうですと、しかし具体にはこんな支援措置というものを、いろんな支援措置を用意していきますと。これからの課題だと思いますけれども、是非お願いしたいと思います。
 そういう意味で、大臣、並々ならぬ御決意でこの法律をきちんとやっていこうと、こう思っておられることだと思いますが、私自身も、昔、社会実験という言葉をよく使っていたんですね。やってみて直していく。まずは全国いきなり、オセロゲームじゃなくて、白と黒と分けてもうまくいくか、いかないかというところがありますから、きちっとある地域を区切って、状況を区切ってやってみて、それでまた進んでいく、こういうことが大事なことだろうとは思います。そういう意味では、この法律を契機にとにかく、あっ、なるほどうまくいくようになったぞということをできるだけ早く出していく必要があるんだろうと思うんですよね。
 大臣の御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

国務大臣(金子一義君)
 委員御指摘のとおり、この法案を成立させていただけましたらば、供給過剰地域への対策として、できるだけ速やかに、実効性のあるものとしてこれを実施してまいりたいと思っております。

佐藤信秋君
 終わります。


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